いいことが起こる人の習慣
いいことが起こる人の習慣
いいことが起こる人の習慣
出版社
出版日
2025年07月10日
評点
総合
3.5
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

気持ちがラクになれば、きっと毎日にいいことが起こるはず。著者のそんな思いから生まれたのが、本書『いいことが起こる人の習慣』だ。

心がモヤモヤしたり、イライラしたり。ストレスが多い社会では、ネガティブになり、心が「ちょっと苦しい」という状態はよくあることだ。その苦しさを我慢したり、そのモヤモヤに気づかないふりをして過ごすことが当たり前になっている。

しかし、著者である内藤誼人氏は、そんな状態を我慢することなく、モヤモヤを解消する41のヒントを試すことをすすめている。内藤氏は、社会心理学の知見をベースに実践的な発信を行なっている人気の心理学者だ。その著書は250冊を超えている。

本書で紹介している41のヒントは、世界中の心理学の研究や実験によるエビデンスに基づいており、効果が確認されたものばかりだ。決して難しい方法ではない。ほんの少し考え方や行動を変えるなど、今、この瞬間から試せるものも数多くある。「本を読む気力すらない」という場合は、目次から自分の悩みに該当する問いを探し、本文を飛ばして結論を読むだけでも腑に落ちるはずだ。

心にモヤモヤを感じたり、ネガティブな思考になりがちな人には、ぜひ手に取ることをおすすめしたい。まずは、自分の心の声に耳を傾けてみることから始めよう。きっと自分が「いいことが起こる人」になるためのヒントが見つかるだろう。

ライター画像
中山寒稀

著者

内藤誼人(ないとう よしひと)
心理学者。立正大学客員教授、有限会社アンギルド代表取締役社長。慶應義塾大学社会学研究科博士課程修了。社会心理学の知見をベースにした心理学の応用に力を注いでおり、とりわけ「自分の望む人生を手に入れる」ための実践的で軽妙なアドバイスに定評がある。『10秒で人を操る心理術』(PHP文庫)、『いちいち気にしない心が手に入る本』(三笠書房)、『気にしない習慣』(明日香出版社)、『世界最先端の研究が教える新事実 心理学BEST100』(総合法令出版)、『人も自分も操れる! 暗示大全』(すばる舎)など著書多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    不安やストレスから解放されるには、「心理的に健康な人」になることだ。それにより、自己肯定的で前向きになり、感情に振り回されなくなる。
  • 要点
    2
    「人から好かれたい」と思ったときに必要なのは、嫌われないために空気を読むことではない。自分のほうから相手を好きになることだ。
  • 要点
    3
    挑戦するときに失敗を恐れる必要はない。もし失敗したり恥をかいたりしても、その記憶は忘れてしまうものだ。
  • 要点
    4
    至福や達成感、満足感は、不安や苦労、努力などの逆境を乗り越えてこそ得られる。

要約

【必読ポイント!】 ネガティブな感情に振り回されない人になる

心理的に健康な人とは?

人は、何かと悩んだり、クヨクヨしたりしがちなものだ。人間関係が良好だと思っていても、相手からの心ない言葉によって傷つけられることもある。そんなときのモヤモヤとした否定的で悲観的な感情は、誰かが慰めてくれたとしても簡単に消えるものではない。

なぜネガティブな感情にとらわれてしまうのだろうか。

ストックホルム大学の心理学者ペトラ・リンドフォーズ博士が調査の結果割り出した「心理的健康度」の指標は次の通りだ。

【心理的に健康な人】

①自分のすべてを受け入れている(自己受容)

②他者と肯定的な関係を築くのがうまい

③自分自身の成長を目指している

④人生の目的をもっている

⑤自律性が高い(自己コントロールができる)

⑥自分を取り巻く環境をコントロールしている

心理的に健康な人は、自己肯定的であり、前向きである。一方で、ネガティブな感情に振り回されやすい人は、これとは真逆な傾向があり、自信がなく、否定的な考え方を持つ。

不安やストレスから解放されるには、この「心理的に健康な人」を目指せばいい。もちろん、誰もが簡単にこんな人になれるというわけではない。人生には、予期せぬ出来事や心配事がつきものだ。そこで本書が紹介するのが、思い悩んだときでも、ネガティブな感情に振り回されない心理術だ。

人間関係の空気は、読まなくていい
Zorica Nastasic/gettyimages

人間関係では、その場の空気を読み、その流れに適応することが求められる。流れを乱す発言をすれば、「空気が読めない人」とバカにされかねない。

そんな環境にいると、相手の言葉を文字通りに受け止めていいものか悩み、やがて言葉の裏読みをするようになる。だから、相手の真意がどこにあるかわからなくなり、相手の言葉や態度を疑うようにもなる。その結果、関係性を深めることに躊躇するようになってしまうのだ。空気を読むほどに本心を明かさなくなり、ストレスは溜まっていく一方だ。

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要約公開日 2025.10.28
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