なぜ働く?誰と働く?いつまで働く?
なぜ働く?誰と働く?いつまで働く?
限られた人生で後悔ない仕事をするための20の心得
著者
無料
なぜ働く?誰と働く?いつまで働く?
出版社
出版日
2024年10月30日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
3.5
要約全文を読むには
会員登録・ログインが必要です
本の購入はこちら
書籍情報を見る
本の購入はこちら
おすすめポイント

人生100年時代。働き方を見直したいけれど、自分が何をしたいのか分からない。大きな不満はないけれど、満足もしていない。そんな方も多いのではないだろうか。

働き方に悩むビジネスパーソンに本書は問いかける。なぜ、いつまで働くのか、どんなときに満足を感じるのか。正解はなく、きっと一人ひとり答えは違うはずだ。

本書のベースにあるのは、1976年に米国のダグラス・T・ホール教授が提唱したプロティアン・キャリア理論である。この根底には、個人が自律的にキャリアを開発し、環境の変化に合わせ、成長志向を持ちながら変幻自在に生きていく思想がある。何歳からでも生き方は変えられる、人生に無駄なことは一つもなく、プロセスすべてがキャリアだ。そんなメッセージに深く共感し、プロティアン・キャリア協会の設立に携わった有山徹氏が本書の著者である。

年齢や経歴などを理由に、キャリアを諦めたくなっている人にこそ、手に取ってほしい。本書は、どんな過去もあなたの価値になることを伝え、自分の人生を自分で舵取りしながら、変化の激しい時代をポジティブに生きていくための、熱く優しいメッセージにあふれている。

キャリア形成やスキルアップのための画一的なアドバイスが書かれているわけではない。「あなたは一体何者なのか」という、「自分」についてとことん深掘りするヒントが詰まっている。忙しい毎日の中、本書とともに、一度立ち止まって自分を見つめ直す時間を設けてみるのはどうだろうか。

ライター画像
Naoko Kubota

著者

有山徹(ありやま とおる)
4designs株式会社 代表取締役CEO。
一般社団法人プロティアン・キャリア協会 代表理事。
2000年に早稲田大学卒業。大手メーカーに就職後、経営コンサルティング会社を経て一部上場のIT企業、デジタル広告企業、ベンチャー企業で管理本部長や経営企画を務め、戦略策定並びに大手外資系PEファンド傘下でのIPOプロジェクト等の全社プロジェクトを推進。2019年7月に人的資本経営コンサルティング、キャリア支援事業を行う4designs株式会社を創業。2020年3月、法政大学キャリアデザイン学部 田中研之輔教授と一般社団法人プロティアン・キャリア協会を設立。設立4年で約30万人・上場企業を含む200社以上に現代版プロティアン・キャリアを伝える。プロティアンメソッドを通じた人的資本経営支援サービス「プロティアンキャリアドック」は2024年HRアワードの優秀賞受賞。社会人だけではなく中高生のキャリア教育にも取り組んでいる。早稲田大学大学院MBA/キャリアコンサルタント/中小企業診断士/ISO30414プロフェッショナル認証。著書:『新しいキャリアの見つけ方~自律の時代のプロティアン・キャリア戦略~』(2022年、アスコム)

本書の要点

  • 要点
    1
    後悔ない人生を歩むには、「言語化」「価値化」「行動」の3つのポイントで解像度を高める。その際、結果を求めすぎず、プロセスを大事にすることが重要である。
  • 要点
    2
    自分自身を言語化することは、自己理解への強力な一歩となる。大事なのは自己開示をすること、ジョハリの窓でいう「開放の窓」を大きくすることだ。自己開示が、思わぬ人や仕事、自分に出会わせてくれる。
  • 要点
    3
    「誰と働くか」の関係性の中で価値を見出し、比べるのではなく、並べるように考えることが価値化の手助けとなる。また、関係性を横にずらすと、意外なところで自分が活きることがある。

要約

【必読ポイント!】 人生の解像度を高める

「不満の種」と「やる気の源」

今の仕事に不満はないが、満足しているともいえない。こんな気持ちに心当たりのある人は多いのではないだろうか。「不満がない」と「満足していない」は心の中で混在しうるものだ。

アメリカの臨床心理学者フレデリック・ハーズバーグは、「不満がないこと」と「満足していないこと」は別のことだと研究した人物だ。ハーズバーグは、人の仕事に対する欲求を「衛生要因(不満足要因)」と「動機付け要因(満足要因)」に整理した。衛生要因は、給与やストレスがない職場環境などであり、「ないと不満」になる、働きやすさに関わる要素である。一方「動機付け要因」は、評価や裁量、成長実感などであり、「あると満足」できるやる気の源だ。

よりよく生きるために注目したいのは、「やる気の源」である。近年の職場環境では衛生要因は大幅に改善されたが、特に不満のない環境で働いていると、働く意味や目的が見えなくなりがちでもある。衛生要因と動機付け要因は補完し合うわけではない。つまり、不満を解消しても満足度は上がらないのだ。

「不満はないが満足していない」人は、何が「やる気の源」か、解像度が低いのかもしれない。自分の人生の解像度を高めれば、どんな職業に就いて、どんな会社で働いても、動機付け要因を得ることはできる。

「心理的成功」とは、納得から得られる充足感
SrdjanPav/gettyimages

著者が専門とする現代版プロティアン・キャリアは、自分で納得できる日々を過ごすことで得られる充足感を、「心理的成功」と呼んでいる。心理的成功を生むためには、人生の解像度を高めることが重要だ。これはつまり、「自分は今どんな状態で、どこへ向かいたいのか」という意味合いだ。解像度が高ければ現在地も進みたい方向もクリアになる。

もっと見る
この続きを見るには...
残り3701/4445文字

4,000冊以上の要約が楽しめる

要約公開日 2025.10.29
Copyright © 2025 Flier Inc. All rights reserved.
一緒に読まれている要約
いいことが起こる人の習慣
いいことが起こる人の習慣
内藤誼人
頭の中がどんどん言葉になる瞬間言語化トレーニング
頭の中がどんどん言葉になる瞬間言語化トレーニング
荒木俊哉
「わかってもらう」ということ
「わかってもらう」ということ
川添愛
頭のいい上司は死んでも答えを教えない。
頭のいい上司は死んでも答えを教えない。
白潟敏朗
NEW
決定版 アドラー心理学がマンガで3時間でマスターできる本
決定版 アドラー心理学がマンガで3時間でマスターできる本
吉田浩岩井俊憲 (監修)
「月曜の朝がつらい」がなくなる本
「月曜の朝がつらい」がなくなる本
森下克也
大きなシステムと小さなファンタジー
大きなシステムと小さなファンタジー
影山知明
やりきる意思決定
やりきる意思決定
中出昌哉
0%