頭のいい上司は死んでも答えを教えない。
頭のいい上司は死んでも答えを教えない。
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頭のいい上司は死んでも答えを教えない。
出版社
出版日
2025年05月11日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

「部下に質問されたら、すぐに答えるのが上司の役目だ」――そう信じている人が本書を手にすれば、大きな衝撃を受けるだろう。

部下の質問に即座に答える上司は一見頼もしく映る。しかし、その誠実さが実は部下から思考力と成長の機会を奪っているかもしれないのだ。

本書で著者は、部下から質問や相談を受けたとき、答えを与えるのではなく、自ら考えさせるべきだと主張する。「〇〇さんは、どう思うの?」「〇〇さんは、どうしたいの?」と問い返し、相手が沈黙してもじっと待ち、必要なときにヒントを与え、そして振り返りを徹底する。部下が「知識がないからわかりません」「緊急なので答えを教えてください」と言ってきたときもこの姿勢を貫くことが大切だとし、その際の具体的な対応法も示されている。

著者の白潟敏朗氏は、経営や戦略コンサルティングで豊富な実績を積み、トーマツ・イノベーションを創業した。7800社の企業に人材育成の場を提供し、組織変革を支えてきた人材育成のプロフェッショナルである。白潟総合研究所を中心に複数の企業を経営し、組織づくりの最前線で活躍を続けている(現在は研究所代表は退任)。

本書は、部下を「指示待ち人材」から「自ら考え動く人材」へと育てたい上司に最適である。読めばチームが主体的に動き出すだろう。真に部下の成長を願うなら、必ず手に取るべき一冊である。

著者

白潟敏朗(しらがた としろう)
白潟総合研究所株式会社 代表取締役社長
1964年、神奈川県三浦半島油壷生まれ、宮崎県宮崎市青島育ち。埼玉大学経済学部経営学科を卒業し、1990年に監査法人トーマツに入社。経営、戦略、業務、IPOのコンサルティングを経験。1998年からISOコンサルティング会社・審査会社の立ち上げ。2006年にトーマツ・イノベーション設立、代表取締役社長に就任し、7800社のお客様に入会いただいた定額制研修イノベーションクラブで中小企業の人財育成にイノベーションを起こした。
2014年10月に独立し白潟総合研究所を設立。その後、2017年にリファラルリクルーティング株式会社、2018年に1on1株式会社、2019年にソーシャルリクルーティング株式会社、2021年にM&Aイノベーション株式会社をそれぞれ設立、現在に至る(2025年9月末で白潟総合研究所の代表は退任)。
『上司のすごいしかけ』『売上アップのすごいしかけ』『デキる上司』『仕事の5力』『社長、御社の「経営理念」が会社を潰す!』(中経出版〔現・KADOKAWA〕)、『幹部に言えない社長の悩み解決大全』『知らない人を採ってはいけない』(KADOKAWA)、『できる上司は「なんで?」を言わない』(PHP研究所)、『マンガでわかる 仕事で成長する人が持っているたった5つの仕事力』(講談社)、『人事評価制度 17の大間違い』(すばる舎)ほか、著書46冊。

本書の要点

  • 要点
    1
    日常の会話やミーティングで部下から質問されたとき、上司が答えを教えると、部下は成長の機会を失ってしまう。正しい対応は「〇〇さんは、どう思うの?」「〇〇さんは、どうしたいの?」と問い返すことである。
  • 要点
    2
    「〇〇さんは、どう思うの?」「〇〇さんは、どうしたいの?」と問い返したとき、部下から答えが出てこなくても、まずは黙って待とう。1分以上かかりそうなら、「作業してるから、ゆっくり考えて」と伝え、落ち着いて考えさせる。

要約

【必読ポイント!】 自ら考える部下を育てる「答えを教えない技術」

部下を育てる対話の鉄則
fizkes/gettyimages

部下を育てるためには、日常の会話やミーティングで部下から質問されても、決して答えを教えてはならない。答えを与えれば、部下は自分で考えなくなり、成長の機会を失ってしまうからだ。

部下から質問されたときの正しい対応は「〇〇さんは、どう思うの?」「〇〇さんは、どうしたいの?」と問い返すことである。そして部下が考えをまとめたら、上司からさらなるフィードバックやコーチングをし、もう一度答えを導き出させる。この繰り返しによって、部下は自ら考える力を身につけて成長していくのだ。

「〇〇さんは、どう思うの?」「〇〇さんは、どうしたいの?」と切り返すこと自体は簡単である。しかし、次に示す「部下がつくる7つの落とし穴」に足を取られないよう、注意が必要だ。

・部下が「わかりません」と言ってくる

・部下から答えが出てこない

・部下の答えが間違っていた

・部下にまったく知識がない

・「急いで対応しないといけないので教えてください」と焦らされる

・「マネジャーの考えが知りたいです」とお願いしてくる

・「上司なら答えを教えるのは当然ではないでしょうか?」と言ってくる

本書では、これら7つの落とし穴を避ける具体的な方法が丁寧に解説されている。要約ではそのうち4つを取り上げる。

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要約公開日 2025.10.30
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