古いマーケティングにとらわれるな
競争よりも「棲み分け」を
「マーケティング戦略」と聞くと、「競合他社に勝つための方法」を思い浮かべるかもしれないが、実はそうではない。マーケティングとは、「戦いそのものをなくすための道具」である。
では、どうすれば戦いをなくせるのだろうか。そのカギとなるのが「棲み分け」である。具体的には、ユーザーが迷わず「自分に適した商品」にたどり着けるようなコミュニケーション設計をすること。それを各社が実践すれば、企業間の無駄な競争はなくなるだろう。そのためには、各社が「自社の商品は、どんな人にとって最適か」を真剣に考える必要がある。
インターネットが普及する前は、マスメディアが同じ情報を一気に発信していた。その頃であれば「棲み分けマーケティング」は難しかったが、時代は変わった。「WEBマーケティング」の登場によって「棲み分け」の技術が急速に進化し、キーワード検索やディスプレイ広告などを通じて、“ドンピシャ”のターゲットにアプローチできるようになったのだ。
マーケターがやるべきことは、それぞれの商品特性に応じた棲み分けルールを作ることである。この広告を誰に見せて、見せないのか――その設計さえできれば、望むターゲットにダイレクトに届けることができるだろう。
ブランドよりも「プロダクト」

かつて消費者は、ブランドを基準に商品を選んでいた。特定のブランドを選ぶことが安心感や「はずさない」感覚につながることから、あらゆる分野の購買行動を左右していた。
しかし、インターネットやSNSはその景色を一変させた。たとえば、Tシャツを買おうとしたら、以前なら「カジュアルか、スポーティーか」と自分の欲求をクリアにした上で、それに合ったブランドを選び、その中から1枚を見つけていた。別のブランドや店に「最高の1枚」があったとしても、それに気づくことはできなかった。
それが今では、「スポーティー Tシャツ」と検索窓に打ち込めば、あらゆるブランドから無数の選択肢が表示される。さらに条件を絞り込めば、理想の1枚が目の前に提示されるだろう。
また、SNSではブランドより「プロダクト」に注目が集まりやすい。「このスイーツ店は美味しい」ではなく「この店のマカロンが美味しい」と、「単品」のバズりによって店が知られるようになる。勝負を決めるのは、ブランド名ではなく、商品そのものの魅力なのだ。




















