購買を支配する「習慣」の正体
ブランドが固定化される本当の理由

ブランド選びは習慣に強く左右される行動の一つである。
ある研究では、売上のほぼ半分は過去の購買体験に基づく慣性で説明できると示唆されている。さらに、消費者が初めての商品を試す頻度は3回の買い物に1回ほどで、そのトライアルが買い物かごに占める比率は5~6%前後にすぎないこともわかっている。要するに、習慣に組み込まれたブランドほど優位に立てる一方、新規ブランドを想起・選択させることは容易ではないのだ。
もう1つの重要な示唆は、習慣は機能の差別化やスペック上の優位だけでは崩れない場合が多いということである。他のブランドを試すことがあっても、長期的には大多数の消費者が「馴染みのあるブランド」へ戻っていく。消費者にとって、そのブランドが「最高」でなくとも「十分」である限り、積極的に別の選択肢を探そうとはしないのである。
ここで重要なのは、消費者行動は必ずしも意向に従わないという点だ。調査で購入意向が高くても売上に結びつかないことが多いのは、行動が習慣に支配されているためである。つまりマーケティングでは「意識を変える」だけでは不十分で、習慣の文脈を設計する必要がある。
では、習慣を味方につけるブランドと、そうでないブランドの違いはどこで生まれるのだろうか。












