「カテゴリー戦略」とは何か
新しいカテゴリーを作って「一番」を目指せ
私たちの暮らしには、「ナンバーワンブランド」が溢れている。ウェブ検索といえばGoogle、電気自動車といえばテスラ、エナジードリンクといえばレッドブル……というように、何かを使ったり購入したりする際、私たちは頭に思い浮かんだものを真っ先に選ぶ。
しかし、あるカテゴリーで想起されるものは2つか、多くても3つだ。それ以降であれば、選ばれる可能性はかなり下がる。
新しい事業で急成長を目指すなら、「ナンバーワン」になる必要がある。しかし、既存カテゴリーで一番になるのは難しい。それなら、新しいカテゴリーを創造して、ナンバーワンを目指せばいい――これが、新規事業に求められる「カテゴリー戦略」だ。
では、どんなカテゴリーが良いのか。それを見つけるためには、顧客を深く理解する必要がある。顧客が抱く潜在課題に対して、自分たちだけが提供できる独自価値をかけ合わせて結晶化させる。そのキーワードやイメージを一気に社会に浸透させることで、顧客に選ばれ続けるようになる。カテゴリー戦略とは、徹底した顧客理解に基づいてディファレントな価値を作り、「当たり前のもの」として浸透させていくプロセスそのものなのである。
骨伝導イヤホン「Shokz」

新しいカテゴリーを切り拓いたブランドの一例に、骨伝導イヤホンのShokz(ショックス)がある。「骨伝導イヤホン」という新たなカテゴリーを創造し、2023年には全世界で累計販売台数が1500万台を突破。骨伝導イヤホン市場の売上7割を占める、リーディングブランドである。
Shokzの「耳をふさがずに音楽を聴けるイヤホン」というコンセプトは、ランナーやサイクリストといったスポーツ愛好家に特に響いた。彼らが長年抱えていた「音楽を聴きたいけど、イヤホンをしていると車や人に気付きにくい」という悩みに応え、独自の価値を提供したのがShokzだった。
今ではスポーツシーンのみならず、多くの人が日常的に骨伝導イヤホンを使うようになった。顧客の潜在課題を掘り起こし、社会に新しいカテゴリーを浸透させた好例である。
「顧客の頭の中」でナンバーワンになる
ナンバーワンブランドの共通点は何か。『マーケティング22の法則』(アル・ライズ、ジャック・トラウト著)から、2つの法則を紹介する。




















