【必読ポイント!】 「いい経営者」「いい経営」とは何か
カインズで始めた変革
ミスミグループ本社の社長を5年務めた著者は、リーマン・ショックからの立て直しや、次の成長を見据えた北米企業の買収を実行し、一定の役割を果たし切ったという実感を得て退任を決めた。その後はプロ経営者として、「どんな会社でも」経営できることを自ら証明する場を求め、複数の企業の経営に関わってきた。そして、自分が目指す経営者像が次第に明確になっていった手応えとともに、カインズの社長に就任した。
カインズでは、就任と同時に3カ年中期経営計画として「PROJECT KINDNESS(プロジェクトカインドネス)」を打ち出した。目指すは「IT小売企業」である。
変革期間は6年と設定した。最初の3年間、すなわち第1次中期経営計画では既存店に重点を置き、既存の課題を解消しつつ、将来の成長に向けた投資を進める。
続く3年間では、投資の成果を回収しながら新たな成長段階へ移行し、IT小売企業へと本格的に変貌する。各年度で取り組むものを具体化したのが、この3カ年中期経営計画だ。
「いい経営者」とは、戦時に追い込まれてから動くのではなく、平時に変革を仕掛け、結果を出す存在だ。危機が目前に迫ってから打ち手を考えるよりも、選択肢は格段に広がり、生き残れる可能性も高まる。
――著者はその信念のもと、カインズの業績が安定している局面で変革に踏み切った。
平時に人を動かすには?

平時の変革は戦時の変革と異なり、強い危機感が生まれにくい。そのため、社員の意識や行動を変えていく難易度は、はるかに高くなる。
では、人は何によって動くのか。



















