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知識創造企業エーザイ 「生き方」の経営の表紙

知識創造企業エーザイ 「生き方」の経営

hhc企業への自己革新と社会的価値創造の「物語り」

NEW

本書の要点

  • エーザイの3代目社長、内藤晴夫は「製薬会社の顧客は医師」という製薬業界の常識を覆し、「疾病をもつ患者様とそのご家族こそがエーザイの顧客だ」とした。

  • 野中郁次郎による「知識創造理論」に感銘を受けた内藤は、そのプロセスである「SECIモデル」をエーザイの活動に取り入れた。

  • アルツハイマー型認知症の治療薬の開発は、エーザイの研究員・杉本と認知症の母親の会話がきっかけで始まった。幾度も壁にぶつかりながらもセレンディピティ(偶然の幸運)に恵まれ、ついには製薬業界のブロックバスターとなった。

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エーザイの創業

筑波研究所と3代目社長・内藤晴夫

Tonic R/gettyimages

エーザイ株式会社(以下、エーザイ)の創業は1936年にまで遡る。創業者は内藤豊治。小麦胚芽油から抽出したビタミンEを開発販売する、バイオベンチャーであった。

戦中から戦後の混乱期を経て事業は順調に成長し、1955年、社名を日本衛材からエーザイに改称した。1960年に発表した経営憲章「エーザイ・マネジメント・コード」は、次のように謳われている。「よい研究からは、よい製品ができる。よい製品によいプロモーションをすれば、よい利益を生み出す」

1982年4月、茨城県つくば市の研究学園都市に「筑波研究所」が開設された。「筑波研究所」はその後、認知症治療薬の開発拠点となっていく。

そして翌年、2代目社長・内藤祐次の長男、内藤晴夫が、筑波研究所の研究開発部門の部門長である研開推進部長に就任した。当時、世界の製薬業界の主要プレイヤーは欧米のメガファーマ企業で、エーザイは世界に通用する自社開発製品を持っていなかった。

「このままではグローバル競争の波に乗り遅れてしまう」。危機感を抱いた内藤晴夫は、海外展開に向けた創薬の研究開発を促進するべく、筑波研究所の組織改革に着手する。機能別組織を変え、疾患領域別組織にしたほか、研究員たちとの距離を縮めようとした。本音の議論を交わせる関係を構築するため、内藤は朝から深夜まで研究所に居続けた。

1988年、内藤晴夫は40歳でエーザイの3代目社長に就任した。

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hhc(ヒューマン・ヘルスケア)企業への変革

「エーザイの真の顧客は患者様である」

「世の中変ります。あなたは変れますか」

内藤晴夫は社長就任の翌年、上記をスローガンとした「エーザイ・イノベーション(EI)」を発動する。そこには「製薬会社の顧客は医師である」という当時の製薬業界の常識を覆し、「疾病をもつ患者様とそのご家族こそが、エーザイの顧客だ」ということが記されていた。

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要約公開日 2026.03.19
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