flier_logo
ゴールドプランなら4,000冊以上が全文読み放題! 7日無料体験はこちらから
僕たちは伝統とどう生きるかの表紙

僕たちは伝統とどう生きるか

NEW

本書の要点

  • 日本の伝統は危機に瀕している。社会が長年放置してきた問題のツケに、今直面している。

  • 伝統の継承に必要なのは「血」ではなく、実際に「手」を動かし、蓄積された感覚や記憶を受け継ぐことだ。著者は伝統を、権威や排除につながる「大文字の伝統」と、弱者のアイデンティティを支え、多様な可能性を生む「小文字の伝統」に分け、後者の価値を見直すよう提案する。

  • 柳宗悦が掲げた民藝運動は、簡素で土着的な「小文字の伝統」にアイデンティティを見出したが、結果的に権威化(大文字の伝統)を招くことになった。一方、岡本太郎は伝統と「対決」し、違和感をぶつけることで新たな伝統が生まれると考えた。

1 / 5

【必読ポイント!】「伝統」とは何か

危機に瀕する伝統食

発酵デザイナーであり、東京で発酵食品店を営む著者は「伝統の危機」を実感している。原料がない、つくる人がいない、資材や設備がない。様々な要因が重なって、今までのように仕入れができなくなってきている。

たとえば、秋田ではハタハタ漁が壊滅的で、しょっつるがつくれないという。酒や調味料を入れる瓶も、メーカーの廃業などで製造ができなくなったものもある。自然環境、働く人の持続性、各地で育んできた産業の仕組みなど、社会が放置してきた問題のツケに直面しているのだ。

国産の味噌や日本酒など、伝統食をつくる文化が損なわれると、どんな問題が起きるのか。そもそも経済的メリットの乏しい伝統的なものづくりを、継承する人がいるのはなぜなのか。

このような問いに対し、先人たちの歴史・伝統観や、国内外で出会った多彩な伝統文化とその担い手たちの営みを通して、答えを探求していく。「伝統とは何か」を明らかにし、現在を生きる個々人が未来に向けて伝統をどう役だてればいいかをひも解くのが、本書の目的である。

必要なのは「血」ではなく「手」

linegold/gettyimages

伝統の活かし方。それを考える際に注意しなければならないのは、伝統はときに捏造や悪用をされるということだ。

とりわけ注意すべきは「血統」である。そもそも生物学的に、純粋な血統というものは存在しない。かつて民俗学や国学の一部が日本の植民地主義を助長してしまったり、ナチス・ドイツの優生思想がユダヤ人迫害に結びついた事実を忘れてはならない。伝統が価値を発揮するには、排他的でないあり方を模索する必要がある。

もっと見る
この続きを見るには...
残り3797/4471文字

4,000冊以上の要約が楽しめる

要約公開日 2026.09.06
Copyright © 2026 Flier Inc. All rights reserved. Copyright © 2026 小倉ヒラク All Rights Reserved. 本文およびデータ等の著作権を含む知的所有権は小倉ヒラク、株式会社フライヤーに帰属し、事前に小倉ヒラク、株式会社フライヤーへの書面による承諾を得ることなく本資料の活用、およびその複製物に修正・加工することは堅く禁じられています。また、本資料およびその複製物を送信、複製および配布・譲渡することは堅く禁じられています。

一緒に読まれている要約

データの取得に失敗しました

同じカテゴリーの要約

新版 自分の小さな箱から脱出する方法
新版 自分の小さな箱から脱出する方法
アービンジャー・インスティチュート冨永星(訳)
勉強法大全
勉強法大全
星友啓
20代のときに知りたかったお金と幸せの話
20代のときに知りたかったお金と幸せの話
本田健
嫌われおじさん 愛されおじさん
嫌われおじさん 愛されおじさん
佐伯ポインティ
脳を乗っ取る感情(アイツ)からあなたを守る方法
脳を乗っ取る感情(アイツ)からあなたを守る方法
篠原菊紀
三行で撃つ
三行で撃つ
近藤康太郎
新版 空気を読む脳
新版 空気を読む脳
中野信子
新版 空気の教育
新版 空気の教育
外山滋比古
独自性のつくり方
独自性のつくり方
田村正資
ウケる現場のつくり方
ウケる現場のつくり方
サバンナ 八木真澄営業-1グランプリ製作委員会

フライヤーは、著者・出版社の許諾を得たうえで要約を掲載しております。また、選書委員会を設けて今読むべき本を厳選し、ライターが要約を作成しております。詳しくはコンテンツポリシーをご確認ください。