自己満足としての独自性
「独自性」とは何か
私たちの社会には、塾のクラス分けのように、実力が近い者同士で競い合うことを促す仕組みと価値観が浸透している。
競争は必ず、勝者と敗者を生み出す。勝者は喜びや自分の成長を実感できる一方、敗者は当然疲弊する。しかし、「競争による能力向上」というシステムの罪深いところは、敗者は勝者以上に「勝った者に価値がある」という考え方に固執してしまうところにある。競争から降りてしまうと、「自分には価値がない」ことを、認めることになるからだ。
勝ちにこだわり続けることにしんどさを感じながらも、自分の価値を競争や比較でしか測れない――。この状況に私たちは疲弊している。そこで著者は「競争とは違う考え方で、成長や価値を見つめ直すべきではないか」と提起する。
著者が本書で試みるのは、他者との比較ではなく、独自の価値観をベースにした成長モデルをつくることだ。自分に起きた小さな変化をポジティヴにとらえ、その中に自分らしさ(自己満足)を見つける。それを「独自性」として育てていくのだ。
「独自性」とは一言で言うと、「みんなが競争する土俵から降りて、自分の文脈をつくってしまうこと」である。既存の評価基準で競うのではなく、自分の文脈にこだわって、自分の世界に居座ったまま社会とのつながりを見出していくのである。




















