起業のファイナンス 増補改訂版
ベンチャーにとって一番大切なこと

未 読
起業のファイナンス 増補改訂版
ジャンル
著者
磯崎哲也
出版社
日本実業出版社 出版社ページへ
定価
2,484円
出版日
2015年01月16日
評点
総合
4.2
明瞭性
5.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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ベンチャーにとって一番大切なこと
著者
磯崎哲也
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日本実業出版社 出版社ページへ
定価
2,484円
出版日
2015年01月16日
評点
総合
4.2
明瞭性
5.0
革新性
3.5
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レビュー

起業するとき、一番の不安材料は何だろうか? 財務戦略はその分野の経験がない人にとって、特に不安を感じるに違いない。会社でも個人でも、お金が無くては存続できない。資本金はいくらにすればよいか、投資家や銀行からどうやってお金を調達すればよいか、売上や利益はどうやって計上するのか……。起業する前も、起業した後も、ファイナンスにまつわる心配事が無くなることはない。

本書はベンチャー経営者や財務担当者、起業を志す方にとって、「一体何を知っておけば良いのか」というポイントを余すことなく教えてくれる。ベンチャーキャピタルの投資家はどんな考え方をしているか、良い事業計画はどうやってつくるのか、ストックオプションの活用方法など、大企業の財務部や経理担当では学ぶことのできない、ベンチャーならではのファイナンスの「目の付け所・勘所」を学ぶことができる。財務の本、と聞くと難しそうに聞こえてしまうかもしれないが、平易な言葉で書かれていて分かりやすく、それでいて中身は本格派だ。ベンチャー界隈で「この本は必読」と語られているのも納得の一冊である。

ベンチャー企業は、本業が上手くいくことはもちろん、財務戦略も巧みに駆使しなければ成功の頂に到達することはできない。適切なタイミングで適切な金額の成長資金を調達しなければ、激しい競争に取り残されてしまうからだ。本書を読んでおくことは起業して成功するための必要条件の一つと断言しても差し支えないだろう。

苅田 明史

著者

磯崎 哲也
1984年早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。長銀総合研究所で、経営戦略・新規事業・システム等の経営コンサルタント、インターネット産業のアナリストとして勤務した後、1998年ベンチャーの世界に入り、カブドットコム証券株式会社社外取締役、株式会社ミクシィ社外監査役、中央大学法科大学院兼任講師等を歴任。公認会計士、税理士、システム監査技術者。現在、Femto Growth Capital LLPゼネラルパートナー。

本書の要点

  • 要点
    1
    ベンチャーはリスクが高いため、基本的に資金調達は株式で行う。銀行からの借入とは異なり、金利や返済の必要はないが、投資家はより大きなリターンを期待して口出しをしてくることを認識しておくべきだ。
  • 要点
    2
    投資を受けるために必ずしも事業計画が必要なわけではないが、事業計画の作成や質疑応答への回答を通じて、内外の視点から事業の妥当性を検証することができる。
  • 要点
    3
    企業価値を算出する方法はいくつかあるが、投資家は株を売却(EXIT)する前提で投資を行うことと、企業価値は投資する側とされる側の需給で決まる、という投資家の視点に立ってみることが重要だ。

要約

【必読ポイント!】 ベンチャーファイナンスの全体像

ベンチャーが株式で資金調達をする理由
CharlieAJA/iStock/Thinkstock

イノベーションを起こすような「ベンチャー」の資金調達の基本は、株式だ。なぜ銀行からの借入で調達するのではなく、株式で調達をしなければならないのだろうか。

イノベーティブなことをやる場合に、銀行からの借入をあてにしてはならない理由は、ベンチャーのリスクが高いからだ。

銀行は「絶対潰れない(潰れても確実な担保や保証人がある)」先にしか、お金を貸してくれないものだ。また、ベンチャー側から見ても、その事業が儲かるかどうか分からない段階でお金を借りてしまっては、収入が不安定な(または収入がない)中で、毎月元利を返済しなければならないというのは非常に厳しい。1回でも元利の支払ができなければ全額を即時返済しなければならないし、社長が個人保証をさせられるのが普通であるため、会社が潰れた場合は社長がその借金を背負うことになってしまうからだ。

一方、株式で調達した資金は、企業から見て、金利を払う必要もなければ、返済する必要もない。

投資家は何を求めているか?

もちろん、株式で調達した場合、企業がお金を返済する必要はないが、株主に報いる必要はある。投資家は銀行よりもリスクを負っている分、より大きなリターン(儲け)を期待している。ケースバイケースだが、ベンチャーキャピタルなどプロの投資家は、投資した金額が最低でも3倍から5倍になって返ってくることが期待できなければ、投資をしてくれないだろう。

たとえば将来200億円くらいの企業価値になれそうな会社なら、10億円の企業価値と評価して投資してもらっても20倍になるため、投資してもらえる可能性が出てくる。しかし、将来50億円くらいの時価総額で上場するのがせいぜいなビジネスモデルなのに、設立したばかりで20億円の価値で投資してくださいと言っても、それは高すぎると判断されるだろう。

また、株式には議決権があるため、投資家から「口出し」をされる可能性もある。「口出し」されるというのは、もちろん悪いことばかりではなく、提携先を紹介してくれたり、戦略を一緒に考えてくれたりすることもあるが、合併や株式交換などを投資家の了承なしに経営者の思い通りにすることはできなくなる。恋愛や結婚と同じく、会社や経営者と投資家の相性は非常に重要と言える。

会社の始め方

法人化のタイミング
s-c-s/iStock/Thinkstock

個人でも事業を始めることはできるが、将来上場企業を目指そうといったベンチャーが、株式で資金調達をする場合には、株式会社にする必要がある。もしすでに個人で事業を行っている場合、ベンチャーキャピタルなどからの資金調達がゆくゆく必要になると予想される場合には、早めに会社を設立しておく方がいい。株式とは「会社の権利を小分けにしたもの」なので、株式で資金調達をするということは、会社を小口化して販売するのと同じことだ。つまり、事業を「株式会社」という箱に入れて売れる「商品」の形にしておくことが重要と言える。

法人化は、増資を受ける半年くらい前にやっておいた方が余裕のあるスケジュールを組むことができる。また、創業、法人化、増資のタイミングが時期的に近接している場合、利益が出ていたり、売上や利益が急上昇中という場合を除いて、「事業の価値が短期間に上昇した理由」が税務上問題になる可能性がある。

法人化をするのは、まだ赤字かほとんど利益が出ていない段階で、投資家と増資の交渉が始まっていないような段階が望ましい。

資本金はいくらにすればいいか?

資本金が大きいほど、配当できない財産が会社に残るため、資本金は本来「債権者が資金を回収しやすくするためのバッファ」と考えることができる。資本金が小さいほうが登録免許税や消費税、法人税法上も有利になることが多いため、資本金が大きいことで会社や株主の得になることはあまりないのだ。

したがって、ベンチャーの設立時においては「なるべく資本金を減らせないか」と考えてみるべきだ。ただし、少なければ少ないほど良いというわけでもない。

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