多くの人にとってドラクエは現実逃避の楽しみとして存在する。でも、それならば、現実の人生をこそドラクエ化してしまえばいいのではないか。
例えば次のような人たちは、自分の人生をドラクエ化し、徹底的に楽しんでいる人たちだ。起業家ヒュー・ヘフナー氏は、雑誌「プレイボーイ」を創刊するところから「ゲームスタート」し、豪邸で美女たちに囲まれながら人生を謳歌している。カーネル・サンダース氏は、60代で生活保護を受けていたところから「ゲームスタート」し、全世界にケンタッキーフライドチキンを広めていった。
人生というゲームにおいては、選択できるコマンドはドラクエよりはるかに幅広く多数にわたっている。全ての体験はリアルで、死ぬときは本当に死んでしまう。ポーズボタンはないので、時間もどんどん進む。人生はドラクエの何万倍も面白いゲームに変えることができるのだ。
ではどうやって人生をゲーム化すればいいのか。
著者によると、ゲームとは「目的を達成するための」、「ルールに則った」、「敵との楽しい闘い」と定義できる。ドラクエは「アレフガルドの平和を取り戻すという目的達成のための」「ドラクエ独自ルールに則った」「敵(スライム、ドラゴン、竜王など)との闘いを楽しむゲーム」となる。
ドラクエもスーパーマリオもサッカーも、闘いが楽しいのだ。しかし、人生においては、闘いは苦しくつらいものと認識されている。そこで人生をゲーム化すると、闘いが楽しいものに変わり、人生全体が楽しいものになってしまうというわけだ。
先に述べた「目的」「ルール」「敵」という三大要素を、勉強や仕事に投入すれば、それらはゲーム化する。そして、人生そのものに三大要素を投入すれば、人生が冒険ゲームに化けていくのである!
まず、実際、人生における「目的」とは何を意味するのか。
人生の目的とはそもそも、誰が設定しているのだろう。ほかでもない、あなたである。ドラクエのゲーム設定者は堀井雄二氏だが、あなたの人生にあなた以外のデザイナーはいないのである。
ところが、あまりにも当たり前なこの事実が理解されず、親や社会から設定されたゲーム目的――良い学校、会社に入って結婚して平穏に暮らす――をそのまま設定している人が多い。それでは、他人の人生を生きているということになる。
自分の人生ゲームのゲーム目的は、自分の意志で決めて、そして自分の意志で変更したっていいのだ。
目的を決めるにあたって、ドラクエのゲーム目的を振り返ってみよう。人生をドラクエのように面白いゲームにするには、ドラクエのゲーム目的の特徴を参考にするべきだからだ。
ドラクエのゲーム目的は、「ボス敵を倒し、お姫様を救出し、世界平和を取り戻すこと」だ。
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