なぜ、メルセデス・ベンツは選ばれるのか?

未 読
なぜ、メルセデス・ベンツは選ばれるのか?
ジャンル
著者
上野金太郎
出版社
サンマーク出版
定価
1,620円
出版日
2015年04月10日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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なぜ、メルセデス・ベンツは選ばれるのか?
なぜ、メルセデス・ベンツは選ばれるのか?
著者
上野金太郎
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サンマーク出版
定価
1,620円
出版日
2015年04月10日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
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レビュー

ドイツ生まれのメルセデス・ベンツと聞くと、富裕層が乗っている高級車というイメージをお持ちの方が多いのではないだろうか。メルセデス・ベンツは、19世紀末に世界で初めて自動車をつくったダイムラー社の車のブランドであり、卓越した品質と安全性を誇っている。確立されたブランド力に安住せず、新しい顧客を開拓していく日本発の「メルセデス」の戦略に、国内外から熱視線が向けられているという。現に、メルセデス・ベンツは国内新車登録台数最高記録を2年連続更新した。

「クルマを売らないショールーム」に、アニメーションCM、スーパーマリオとのコラボ。こうした斬新な仕掛けの立役者は、メルセデス・ベンツ日本を率いる代表取締役の上野金太郎氏である。本書では、歴代初の日本人社長となる上野氏が、メルセデス・ベンツ日本の「強さの秘密」を語り尽くす。

上野氏は、入社当時30名ほどだったメルセデス・ベンツ日本のたたき上げ経営者である。本書は、メルセデス・ベンツ日本の戦略とともに、彼自身の経験に基づいた仕事哲学や経営観を学べる一冊になっている。常に変わり続け、新しい手を打ち続けない限り、お客さまに選ばれ続けることは難しいというメッセージが、読者の心に突き刺さってくるはずだ。

現状を打破し、ブレイクスルーを生み出したいと考える人にはおすすめの一冊である。著者の渾身のメッセージを変化の原動力にしてほしい。

松尾 美里

著者

上野 金太郎(うえの・きんたろう)
メルセデス・ベンツ日本株式会社代表取締役社長。1964年東京都生まれ。早稲田大学社会科学部卒業後、1987年創業間もないメルセデス・ベンツ日本に新卒採用1期生として入社。営業、広報、ドイツ本社勤務などを経験したのち、社長室室長、商用車部門取締役、常務取締役、副社長などを経て、2012年代表取締役社長兼CEO就任。歴代初の日本人社長となる。これまでの顧客を大切にしながら、新しいマーケットにリーチすべく数々の斬新な手を打ち、2年連続で過去最高となる国内新規登録台数を記録。国産を含む高級乗用車ナンバーワンの新車販売実績を誇る。東京と大阪にクルマを売らないショールーム「メルセデス・ベンツ コネクション」を開設。アニメーションCM製作やキャラクターとのコラボレーションなど、日本発の取り組みが世界中の注目を集めている。

本書の要点

  • 要点
    1
    「高級車のマーケティングやセールス」を続けていたら「売れない」現状を変えられないと考えた著者は、新しい顧客に出会うため、イオンモールでの外部展示など、既存のメルセデス流とは対極の手法を本格化させた。
  • 要点
    2
    目標達成においては、気持ちと根拠の両方が必要である。理にかなった根拠があれば、挑戦する価値があるし、根拠なき挑戦はビジネスではない。
  • 要点
    3
    不調のときは、一か八かで新しいことに挑戦できるチャンスだ。不調だからこそ思い切りやるという発想転換ができるかどうかが大事である。

要約

メルセデスの流儀「売らずに売る」

メルセデス「らしくない」CM戦略

「メルセデス・ベンツ」のイメージというと、世界トップの高級大型セダンや、成功者やお金持ちが乗る大人なクルマという答えが返ってくるかもしれない。低価格競争の渦中にある日本において、「高級車のマーケティングやセールス」を続けていたら「売れない」現状を変えられないと著者は危機感を抱いた。新しい顧客に出会うため、イオンモールでの外部展示など、既存のメルセデス流とは対極の手法で、販売店を巻き込んだ取り組みを本格化させていった。

2011年に生まれた「メルセデス史上、最高傑作のC。」というCMは、コンサバティブなメルセデスの広告の常識を覆した、冒険的なメディア戦略である。新しいことをするときに、周囲が大賛成というのはレアケースだ。そこで、著者はブランドを守るという自負のもと、綿密な計画を立てたうえで、何があっても突進する覚悟と勇気を持ち、試行錯誤を始めた。

メルセデスが売っているのは、クルマではなくスタイルである。メルセデスの幅広い選択肢を用意することで、さまざまな年代、家族構成、考え方、職業の人それぞれに合ったライフスタイルを提案したいという願いが、メルセデス「らしくない」CMに込められている。

行動はあくまで冷静に
Valeri Thoermer/iStock/Thinkstock

目標数は絶対であり重要である。しかし、販売台数だけを追求して顧客の満足度を損なうようなことをやってしまうと、たちまちブランドイメージは壊れてしまう。「変えてはならない部分」と、「変えるべき部分」を知って、「変わらずに変わり続ける」ことを実践しているからこそ、メルセデス・ベンツのブランドは100年を超えて生き残っているのである。

クルマを売らないショールームをつくる

著者は、ブランドの魅力をより広くアピールするために、「クルマを売らないショールーム」をつくろうと決めた。「メルセデス・ベンツ・コネクション」という名前には、クルマを買う気がない人もふらっと入れて、新たな人とのつながりが生まれる場にしたいという意味が込められている。

しかし、土地の借り入れや運転資金、人件費などの課題があり、途中で計画が白紙になりかけるという危機に見舞われた。著者は、本社の役員たちを説得するために、ショールームの模型を抱えてドイツに飛び込み、2011年から18カ月間、ショールームの大実験が始まった。工事開始後、東日本大震災で工事資材の搬送がストップし、オープンの延期はやむを得ないという状況に陥った。しかし、著者は「できない理由がいくらあっても、できる方法は必ず探し出せる」と考え、第一線のメンバーにも、その情熱が伝播していった。その結果、予定通りにショールームはオープンを迎え、予想を上回る大評判になったという。無謀と言われた日本発のアイデアは世界に認められ、同様の施設がドイツをはじめ、世界40カ所で展開することとなった。

メルセデスな流儀:グローバルでドメスティック

日本的「仕事の背骨づくり」
Bojan656/iStock/Thinkstock

著者が入社してからの四半世紀は、「メルセデスな流儀」を学ぶプロセスでもあったという。最初の配属先はわずか5人しかいない営業部だった。クルマの輸入から販売ルートに載せるまでの業務を、やりながら体に叩き込んでいく日々だった。

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リーダーシップ・マネジメント 経営戦略
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2015年04月10日
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