起業したくなったら

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起業したくなったら
出版社
かんき出版
出版日
2015年05月18日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

「自分の好きな仕事ができていない」「収入を増やしてお金の不安をなくしたい」「今の会社に未来を感じない」「自分にしかできない何かを探したい」。どれか一つでも当てはまるものがあれば、起業という選択肢を考えてみてはいかがだろうか。

起業というと大変なイメージがつきまとうが、起業しやすい環境が整いつつある現在、起業はローリスクでハイリターンを見込める活動になってきたといえる。とはいえ、起業して成功できなければ意味がない。抜かりない準備は必要だが、それらの多くは会社員のうちからでも始められる。

著者は、20年近く何千人もの起業家を支援してきた、いわば「起業の専門家」である。本書では、彼自身の起業と起業支援の経験をもとに、事業を軌道に乗せるためのエッセンスが紹介されている。扱うテーマは、お金やリスクとの向き合い方、アイデアの磨き方、人間関係の準備、起業に必要な知識や能力の身につけ方など多岐にわたっている。本書を読めば、起業が自分で自分の人生をコントロールする有効な方法だと気づき、視界が開けていくはずだ。

起業に対する心理的ハードルを下げ、成功の確率を高めるためのアドバイスは、起業志望者はもちろん、会社員を続けるつもりの人にとっても役立つ内容ばかりである。「起業したらどうなるのだろう?」という疑問を持つ人や、起業後に必要なマインドやスキルの全体像を知っておきたい人にとって、本書は絶好の手引きになってくれるだろう。

ライター画像
松尾美里

著者

浜口 隆則
株式会社ビジネスバンクグループ代表取締役。
横浜国立大学教育学部卒業、ニューヨーク州立大学経営学部卒業。会計事務所、経営コンサルティング会社を経て、大好きな起業家を支援するため、1997年に「日本の開業率を10%に引き上げます!」をミッションとする(株)ビジネスバンクを20代で創業。 起業家向けオフィス賃貸の「オープンオフィス」事業は、レンタルオフィスという新たな業界を生んだ。その後に自身の掲げるミッションへさらに近づくために「オープンオフィス」を事業譲渡。社名を(株)ビジネスバンクグループに変更。起業専門会計事務所、ベンチャーキャピタル会社、起業家教育事業など、起業支援サービスを提供する複数の会社を所有するビジネスオーナーで、アーリーステージの事業に投資する投資家(エンジェル)でもある。会社は第2創業期を迎え成長を続けている。数千社という起業経営の現実を見てきた「起業の専門家」でもあり、主催する勉強会は全国に広がり、その希有な経験から昇華されたアドバイスは多くの会社を成功と継続に導いている。
著書に『戦わない経営』『社長の仕事』『起業の技術』(以上、かんき出版)などがあり、海外でもベストセラーに。独自の経営理論がオーナー社長から若い起業家まで多くのファンに支持されている。

本書の要点

  • 要点
    1
    お金を使う際には、「どれだけのリターンが見込めるか」を考え、投資センスを磨くことが必要だ。買う前に、適正な価格と価値であることを見極める習慣をつけるとよい。
  • 要点
    2
    これまでの人脈をリスト化し、パートナー候補を探すとよい。起業家は得意なことに注力し、苦手なことは、それが得意な人に任せるほうが効率的である。
  • 要点
    3
    仕事が舞い込んでくる状態をつくるには、どんな仕事でも常にウェルカムな姿勢でいることや、「物事の責任は自分にある」という内部要因思考になること、小さな約束を守ることが重要である。

要約

【必読ポイント!】 お金やリスクとの向き合い方

価値を値踏みするクセをつける

起業時に最も不安に感じるのは「お金のこと」である。不安を払拭するには、稼ぐ力を身につけることが必要だ。また、経営者になれば、リアルな数字を把握し、管理する力が必須となる。今のうちから家計簿をつけ、お金の動きを踏まえて収支を合わせる意識を養うとよい。

お金を使う際には、「どれだけのリターンが見込めるか」を考え、投資センスを磨くことも求められる。買う前に、適正な価格と価値であることを見極める習慣をつけるとよい。価値を値踏みするクセは、商品を提供する側になったときにも、お客さん目線で価値を考えるうえで役に立つ。値決めは、経営戦略でも重要なポイントだ。「お客さんが喜んでくれる範囲内の最高の値段」で売ることが望ましい。状況に応じて適正な価格をつける練習が必要だ。

心の財布を大きくしておく

大きな収入を得ると、不安感や罪悪感に襲われることもあるだろう。この不安感は、会社の成長を妨げるメンタルブロックになってしまう。今のうちに大金を稼いでいる人たちについて知っておき、「もっと稼いでもいいのだ」と思えるようになっておきたい。日本では、14世帯に1世帯が億万長者として位置付けられる。世界の稼ぎ頭の収入を知り、自分の収入イメージを高くすることで、実際の収入も伸ばしていくことができる。

失敗やリスクに対する考え方を変える
©iStock.com/Toltek

起業して成功する人は、失敗を「よい結果を得るためのプロセス」ととらえているため、失敗を恐れることなく行動を起こすことができる。

また、起業家はリスクテイカーでなければならない。多くの人は、行動することによって発生するリスクだけを検討するが、実際には、行動しないことによって発生するリスクも考えることが必要だ。リスクを回避するには、理想の未来を明確にし、そこから逆算してロードマップを描くことをおすすめする。もし3年後に起業するなら、今いる会社をいつ辞め、それまでにどんな経験を積むべきかを具体的な予定に落とし込むとよい。起業に必要な勉強や人脈作り、オフィスなどの設備の確保を、固有名詞や日時とともに書き出していくのだ。このロードマップが具体的になればなるほど、成功の確率が高まっていく。

仕事の自動化を考える

経営者の仕事は、「3年後、会社が生き残っている理由」をつくることである。

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要約公開日 2015.10.30
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