英国超一級リーダーシップの教科書

未読
英国超一級リーダーシップの教科書
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英国超一級リーダーシップの教科書
出版社
こう書房
出版日
2015年03月20日
評点
総合
3.8
明瞭性
3.5
革新性
4.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

優れたリーダーとはどんな人なのか? 時代とともに、求められるリーダー像は変化しているが、リーダーシップを持つ人材の育成が重要視されていることに変わりはない。リーダーやリーダー候補は具体的にどんな行動をとれば、リーダーシップを発揮できるのだろうか? その問いに答えたのが本書である。

著者は、リーダーシップの能力開発における世界的な第一人者であり、彼が開発した「行動を基軸とするリーダーシップ(Action Centred Leadership=ACL)」プログラムは、世界中の100万人を超えるマネージャーや管理者に受講され、支持され続けている。アデアは、「行動を起こす」こと、つまり「ファンクション」に重きを置き、リーダーが具体的にどのような行動をとるべきなのかを明確にした。彼のプログラムを導入したことで、負債まみれの大会社が業界のトップカンパニーへと飛躍的転身を遂げた事例もあり、プログラムの効果がうかがい知れる。

アデアは「リーダーシップスキルは後天的に身につけることができる」という考えを世に知らしめた人物でもある。経営学やマネージメントの世界で、「アメリカのドラッカー、イギリスのジョン・アデア」と並び称される所以だ。

本書を読めば、リーダーに不可欠な資質・特性、組織やチームからの要請に応えるための役割の把握、スキルの高め方を、事例を交えながら学ぶことができる。リーダーシップを身につけ、組織やチームの成長を加速させたいと考える人にとって、信頼の置ける指南書となってくれるだろう。

ライター画像
松尾美里

著者

ジョン アデア
1934年生まれ。リーダーシップとリーダーシップ能力開発における世界的な第一人者。これまでに世界中の100万人を超えるマネージャーや管理者などが、ジョン・アデアの開発した「行動を基軸とするリーダーシップ(Action Centred Leadership=ACL)プログラムを受講している。職業軍人を経て、サンドハースト英国王立陸軍士官学校にて軍事史の主任教官およびリーダーシップ訓練アドバイザー、英国産業協会副理事長を歴任、サリー大学にて世界初のリーダーシップ学教授に就任。その後は、ICI(帝国化学会社)で自身が開発したリーダーシッププログラムを導入させ、赤字に苦しむ官僚的な大会社を年間100万ポンドの利益を生み出すトップカンパニーへと変身させる原動力になった。
40冊以上の著書があり、多くの言語に訳されている。近著に『How to Grow Leaders リーダーをどのように育てるか』や『Effective Leadership Development 効果的なリーダーシップ開発』などがある。オックスフォード大学から文学修士学位、キングズ・カレッジ・ロンドン(ロンドン大学)から哲学博士号を授与されている。英国王立歴史協会の名誉会員でもある。

本書の要点

  • 要点
    1
    リーダーシップ開発には、「普遍的なリーダーシップの資質が存在する」「リーダーシップは状況に左右される」「グループの欲求・ニーズに応えるファンクションを使うことで、リーダーシップを発揮できる」という3つのアプローチが存在する。
  • 要点
    2
    リーダーシップ・ファンクションは、タスクを明確にする/計画する/要約する/統制する/評価する/動機づけする/組織化する/模範となるという8つの行動である。
  • 要点
    3
    リーダーシップの旅は、「進んでリーダーとしての責任を引き受ける」という覚悟を持つことから始まる。

要約

リーダーシップの3つのアプローチ

資質からのアプローチ

リーダーシップ開発には3つのアプローチがある。1つ目のアプローチは、普遍的なリーダーシップの資質が存在するという考え方がもとになっている。その資質は次の7種類である。やるべきことに立ち向かう「熱意」/人々の信頼をつくり出す「誠実さ」/立ち直りが早く、粘り強くもある「タフネス」/メンバーの成果に対して公平に処遇を与える「公明正大」/人への気配りや思いやりを包含した「温かさ」/うぬぼれを排除して、他者の意見に耳を傾ける「謙虚」/自信過剰にならない程度に自信を持つ「信頼」である。

こうした資質はすべて後天的に開発することが可能だ。まずは、自分自身で各資質について、成長の進捗度合いを測ってみることを、著者はおすすめしている。

状況対応型アプローチ

2つ目のアプローチは、リーダーシップは状況に左右されるという考え方がもとになっている。この考え方は、仕事上での知識を重視している。技術的・専門的知識は権威へと結びつき、他者の信頼を生み出すと考えているのだ。絶えず状況変化が起きている自分の仕事の領域において、柔軟性を保ち続けることが大切だと、著者は考えている。

ファンクションからのアプローチ
©iStock.com/claudiobaba

3つ目のアプローチは、グループの欲求・ニーズに応えるファンクションを使うことで、リーダーシップを発揮できるというものだ。仕事のためにつくられた集団には、確実に共通した3つの欲求が存在する。

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要約公開日 2015.11.12
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