なぜ、この人と話をすると楽になるのか

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なぜ、この人と話をすると楽になるのか
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なぜ、この人と話をすると楽になるのか
出版社
太田出版
出版日
2015年02月06日
評点
総合
4.2
明瞭性
4.5
革新性
3.5
応用性
4.5
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おすすめポイント

「あなたはコミュニケーションが得意ですか?」とたずねられて「はい」と答えられる人は案外少ないのではないだろうか。職場や学校で必要最低限の会話をすることはできるが、他人との何気ない雑談が苦痛で、何を話せばいいのか分からない…という人もいるかもしれない。本書は、そんな「コミュ障(コミュニケーション障害)」を自認する読者のための本である。

著者はニッポン放送の人気アナウンサー。ラジオ局のアナウンサーと言えば、コミュニケーションの「プロ」というイメージが強いかもしれない。だが意外にも、著者はコミュニケーションが苦手な「コミュ障」だったのだという。相手の目を見て話すこともできなかった著者は、試行錯誤を繰り返す中で、コミュニケーションは「ゲーム」だと考えるようになる。コミュニケーションにはたくさんの「型」があり、その型を駆使することで、コミュニケーションはぐっと楽しくなる、と。

著者が20年の経験の中で培った、そんなコミュニケーションの「技術」が、本書では惜しみなく語り尽くされている。もともと、動画サイトの生放送を通じて著者が視聴者に語りかけた文章を一冊に編みなおしているので、臨場感があり、非常に読みやすい。

「最終的により優れたコミュニケーターになれるのは、まず人見知りでうまくしゃべることができない人だとぼくは思っています」という著者の言葉を信じ、コミュニケーションに苦手意識を持っている人こそ、最後まで読み通してほしい。よく知らない人と何気ない雑談をする時間が、楽しみになるかもしれない。

著者

吉田 尚記
1975年東京生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。ニッポン放送アナウンサー。
2012年第49回ギャラクシー賞DJパーソナリティ賞。「マンガ大賞」発起人。株式会社トーンコネクト代表。
ラジオ『ミュ~コミ+プラス』(ニッポン放送)、『ノイタミナラジオ』(フジテレビ)等のパーソナリティを務める。
マンガ、アニメ、アイドル、デジタル関係に精通し、常に情報を発信し続けている。著書『ツイッターってラジオだ』(講談社)。

本書の要点

  • 要点
    1
    最終的により優れたコミュニケーターになる可能性を持っているのは、生まれつきコミュニケーションが得意な人ではなく、コミュニケーションが苦手な人に共感することのできる「コミュ障」の人である。
  • 要点
    2
    コミュニケーションは「ゲーム」である。練習して技術を身につければ、誰でもコミュニケーション能力を向上させることができる。
  • 要点
    3
    人は、相手が自分のことに興味を持って質問し、話した内容に対して驚いたり笑ったりしてくれるとき「この人と話をすると楽になる」と感じる。

要約

コミュニケーションとは何か

「エレベータが気まずくなくなる」コミュニケーション術
©iStock/kieferpix

誰でも一度は「いま、会話に困るなあ」という状況を経験したことがあるのではないだろうか。たとえば、エレベータの中。無理やり話しかける義務はないが、距離感が近いので、話をしないと何となく不自然だ。偶然乗り合わせてしまった瞬間、強制的にコミュニケーションのゴングが鳴る。

本書では、最終的に「エレベータが気まずくなくなる」という段階を目指す。知らない人とコミュニケーションをとることは、誰にとってもある程度ストレスだが、コミュニケーションの技術を身につければ、エレベータもそれほどつらい場所ではなくなる。

一般的に、コミュニケーションは「情報の伝達手段」とされているが、それよりも、「話をしていて楽になる、心地よくなる」ことのほうがずっと重要だ。コミュニケーションをとった後、お互い心地よくなるような会話を、本書では成功したコミュニケーションと考える。

「コミュ障」の人こそ優れたコミュニケーターになれる

「コミュ障(コミュニケーション障害)」という言葉を耳にすることが増えた。オンライン百科事典「ニコニコ大百科」には、「日本の国民病のひとつで、他人との他愛もない雑談が非常に苦痛、あるいはとても苦手な人のこと」「コミュ障にできないのは、あくまでも休み時間などにおける友人や知人との、どうでもいいけれどじつに楽しげな会話である」と定義されている。さらに「必要以上に空気を読み、自分の発言がその場を悪くするのではないかと不安に思ってしまう。その結果として、人に嫌われるのではないかと考え言葉に詰まる」とも書かれている。

生まれつきコミュニケーションが得意な人は、誰とでも楽しく会話できるかもしれないが、「コミュ障」の気持ちを理解することは難しい。だが、コミュ障を克服した人は、コミュニケーションが苦手な人に共感し続けることができる。つまり、最終的により優れたコミュニケーターになる可能性を持っているのは、人見知りでうまくしゃべることができなかった「コミュ障」の人なのだ。

ふだんの会話をモニタリングする

では、「コミュ障」の人がコミュニケーションの技術を身につけるには具体的にどうすればいいのか。

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要約公開日 2015.12.30
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