職業としてのプロ経営者

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職業としてのプロ経営者
出版社
クロスメディア・パブリッシング

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出版日
2010年10月01日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

経済誌に登場する話題の経営者の経歴を見ると、複数の企業のトップを務めてきたという人も多い。彼らは、外部から招かれ、企業の成長や再生をさせることを請け負う、「プロ経営者」と呼ばれる人たちである。

企業のトップになるためには、一社員として入社し、何十年もかけて出世の階段を登っていく、というイメージがあるかもしれない。もしくは、もちろん、自分で起業して社長になるという方法もある。だが、生え抜きで社長になるには長い時間と運が求められるし、起業には大きなリスクがつきまとう。本書の著者が勧めるのは、第3の道、「プロ経営者になる」という道である。

本書では、31人のプロ経営者たちへのインタビューが収録されており、彼らがどのようにしてプロ経営者たちになったのかが紹介されている。生まれ育った環境が違っていても、常に学び、困難に挑戦し、成果を上げてきたことは彼らに共通している。プロ経営者になることは、決して簡単なことではない。さらに、失敗すれば即解任され、経営能力への評価も落ち、次の仕事もなくしてしまう。それでも、身につけた能力と経験を自分自身の采配で活かせるというプロ経営者という職業は、魅力に満ちている。

常に上を目指し続けるビジネスパーソンの、ひとつのキャリアの選択肢として、プロ経営者に注目してみてはいかがだろうか。

著者

小杉 俊哉
合同会社THS経営組織研究所代表社員。慶應義塾大学SFC研究所上席所員。
立命館大学大学院テクノロジー・マネジメント研究科客員教授。
1958年生まれ。早稲田大学法学部卒業後、NECに入社。マサチューセッツ工科大学スローン経営大学院修士課程修了。マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク、ユニデン株式会社人事総務部長、アップルコンピュータ株式会社人事総務本部長を歴任後独立。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科准教授を経て現職。
著書に、『起業家のように企業で働く』(クロスメディア・パブリッシング)、『リーダーシップ3.0』(祥伝社新書)、『2%のエース思考』(ワニブックス)など。

本書の要点

  • 要点
    1
    将来企業のトップに立ちたいなら、情熱や実力のある人なら「プロ経営者」を目指すという道がある。
  • 要点
    2
    プロ経営者は、外資系企業、ファンド系企業、オーナー系企業から探し求められている。一般的に報酬が高いが、結果が出なければ解任されてしまう。
  • 要点
    3
    プロ経営者に共通するのは、さまざまな機会から学ぶ努力を続ける姿勢や、キャリア上の非連続な試練に直面し、能力をストレッチして乗り越えてきた経験があるということである。

要約

【必読ポイント!】プロ経営者という職業

ヘッドハンターが探す
Ingram Publishing/Thinkstock

日本では従来、生え抜き社長が当然とされてきた。が、人間関係のしがらみがあって改革をしづらいなど、生え抜きならではのデメリットがある。また、業界への知見がときに新しい着想に基づいた行動を妨げることもある。

そこで、社内の人材ではできないような視野や実行力を持った人に、会社を改革し、発展させてもらうため、経営者や親会社、株主などがプロ経営者に会社を任せることになるというわけである。

プロ経営者は、ほとんどがヘッドハンターによってスカウトされている。ヘッドハンターはまず、企業のニーズに合った人材を探す。人の推薦や人脈をたどって本人にアポイントを取り、話を進めるというやり方をする。

経営者のポジションの採用では、その人物について、犯罪歴や学歴、交友関係などの身辺調査とともに、元同僚、部下、取引先への周到な調査が行われる。企業でそれなりのポジションの人の情報はどこまでもトランスファブル(持ち運びできる)なものであり、前職の悪評は次のキャリアに影響してしまう。

出世競争することなく社長に

大学を卒業して入社し、そこで社長になることは非常に難しい。毎年社長のポストが空くわけではないし、仕事で業績を上げてきても、偶発的な条件に左右されてしまうこともある。企業、とりわけ大企業で社長になることは「宝くじに当たるより難しい」と言われている。

一方で、もっと確率の高い方法で起業のトップに立つことができる方法が、「プロ経営者」であるともいえる。

プロ経営者は、つねに企業において実力を発揮できるよう、異分野であっても勉強をし、あるレベルに到達していなければならない。そのレベルに達しようと努力を続け、将来に向かって努力し続けるような人でなければ、会社を任されるということはない、という厳しい面もあるが、情熱や実力を持て余している人には刺激ある選択肢となるはずだ。

プロ経営者はどんな会社から求められているか

外資系企業
thavornc/iStock/Thinkstock

プロ経営者は、主に外資系企業、ファンド系企業、オーナー系企業から探し求められている職種だといえる。それぞれの職種について、どのような機会を与えられ、どのようなリスクを負うかを紹介しよう。

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要約公開日 2016.02.05
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