日本でいちばん大切にしたい会社5

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出版社
定価
1,540円(税込)
出版日
2016年01月21日
評点
総合
4.2
明瞭性
4.5
革新性
3.5
応用性
4.5
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おすすめポイント

ベストセラー「日本でいちばん大切にしたい会社」シリーズの第5巻となる本書。このシリーズでは、社員やその家族、取引先など関係者の「幸せづくり」を軸とした経営を真摯に実践し続けている全国各地の企業を取り上げている。全国7000社以上の企業訪問を行い、企業の現場研究に40年以上身を捧げてきた著者は、次のような経験則を得たという。それは、短期の業績に踊らされず、継続を第一義に、関わる人々の幸せをぶれることなく追求する企業は、例外なく安定的に高い業績を誇るというものだ。本書を読めば、「正しい経営を一途に実践する企業を1社でも多く増やしたい」という著者の願いが、随所ににじみ出ていることに気づくだろう。

本書では、高齢者、女性、障がい者を経営の主役に据えた人間愛あふれる運動着メーカー株式会社クラロンや、「社員と家族を幸せにする」という創業者の意思を脈々と受け継ぐ環境緑化・保全会社である日本植生株式会社など、選りすぐりの6社が紹介されている。各社の取り組みと、その背景にある理念に心を動かされるだけでなく、障がい者雇用や女性活躍推進など、今後ますます重要になるテーマの先駆的事例としても、学びに満ちた内容であることは間違いない。

これまでの著作と同様に、中小企業の経営者の方、そして若いビジネスパーソンにぜひ読んでいただきたい一冊だ。正しい経営の道を振り返るための教材として、何度も熟読してほしい。

ライター画像
松尾美里

著者

坂本 光司
1947年、静岡県生まれ。現在、法政大学大学院政策創造研究科教授、同静岡サテライトキャンパス長、人を大切にする経営学会会長。他に経済産業省やJICA等、国や自治体、団体の委員多数を務める。専門は中小企業経営論、地域経済論、障がい者雇用論。
主要著書に『日本でいちばん大切にしたい会社』シリーズ〈1~4〉(あさ出版)、『経営者の手帳』(あさ出版)、『「日本でいちばん大切にしたい会社」がわかる100の指標』(共著、朝日新書)、『モノづくりで幸せになれる会社となれない会社』(共著、日刊工業新聞社)などがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    本シリーズの目的は、「利他経営企業」「人本経営企業」「幸せ追求経営企業」の事例を紹介することで、これらを体現する企業を増やすことである。
  • 要点
    2
    クラロンは、高齢者や女性、障がい者の能力を最大限発揮させる経営を行っている。
  • 要点
    3
    天彦産業は「自らの幸福」「家族の幸福」「会社の幸福」という3つの幸福を追求し、その理念が女性社員の目覚ましい活躍につながっている。
  • 要点
    4
    日本植生は「人づくり」に対して特に強い思いを持っており、親の恩を大事にする教育を徹底している。

要約

はじめに

国境を越えた「人を大切にする経営」

著者は、「利他経営企業」「人本経営企業」「幸せ追求経営企業」を1社でも増やすことを目的に、本シリーズを執筆している。本シリーズ出版を機に、「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞という表彰制度がスタートした。そして2014年9月、この運動を広めるために「人を大切にする経営学会」が設立され、経営者をはじめ、約600名の様々な立場の方が参加しているという。

本シリーズは中国や台湾、韓国でも翻訳され、感銘を受けた中国人の読者から、「先生のもとで真の経営学を学びたい」というメールが著者のもとに届いたという。著者たちの尽力の末、彼女は日本の入管法や中国の法律などのハードルを乗り越え、無事に試験に合格し、現在、著者の研究室で経営学を学んでいる。このように、「人を大切にする経営」は国境を越えて人々の共感を呼び続けるのだ。

【必読ポイント!】 株式会社クラロン

高齢者・女性・障がい者が主役の会社
TAGSTOCK1/iStock/Thinkstock

株式会社クラロンは、昭和31年に故・田中善六氏と、現会長である妻の須美子氏によって設立された、福島県の運動着メーカーである。平成27年には「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞を受賞している。その推薦理由は、高齢者や女性、障がい者を経営に見事に活かしきっている会社だからだ。

クラロンには135名の従業員がおり、従業員は定年後も希望があれば正社員として雇用され続け、現に70歳以上の従業員が3人いるという。また従業員のうち100名は女性であり、18名の管理職のうち女性が10名を占めている。

障がい者の法定雇用率も35.5%にのぼる。社会福祉法人ではない株式会社で、これだけの雇用率を持つ会社は非常に珍しい。障がい者の平均勤続年数27年というのは稀有な数字である。この高い定着率は、田中夫婦の障がい者に対する思いの強さの表れである。障害を持っていても作業ができるよう、作業の工程を細分化するなどの工夫が奏功している。そのうえ、障害を持つ従業員一人一人の得意なことや興味にあった適材適所を実践しているのがクラロンの特徴だ。

少子高齢化が進む現在、高齢者や女性、障がい者という新しい主役の能力を最大限発揮させるクラロンは、注目すべき会社だと著者は考えている。

知的障害がある少女が笑った

善六氏がクラロンを創業後、初めて障がい者を雇ったのは昭和43年のことである。養護学校の先生が、知的障害のある少女を雇ってほしいと何度も頭を下げた。善六氏は知的障害や精神障害のある人に仕事をさせるのは難しいのではないかと思ったが、悩んだ末、彼女を引き受けることにし、つきっきりで仕事を教えた。実際には想像以上の難しさだったという。

しかし、ある日何気なく善六氏が「上手にできるようになったね」と声をかけたところ、普段は反応さえ鈍かった少女が、まぶしい笑顔を浮かべて「はい」と答えたのだ。

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