頭は「本の読み方」で磨かれるの表紙

頭は「本の読み方」で磨かれる


本書の要点

  • 本を読むことは、「自分の経験を増やす」ことであり、自分とは違った人間の考え方や人生を追体験することにより、脳を鍛えることができる。

  • 優れた文章にふれることで自分の素養が増していくことは、人生の最大の喜びの一つである。また、本の内容について語りたくなるような本こそが「いい本」である。

  • 分野を問わずあらゆる本をたくさん読み、多くの知識を吸収することで、いつかそれらが人生で役に立つときがくる。

1 / 4

自分の頭で考える

本を読むということは、自分の経験を増やすこと

本を読むとどのようないいことがあるのか。本を読めば読むほど、人は高いところから世界を見ることができる。読むジャンルが多ければ多いほど、足場が安定して世界をより広く自由に動き回って見ることができる。したがって、本を読むことは、自分とは違った人間の考え方や人生を追体験して「自分の経験を増やす」ことでもある。読書によって、自分の感情を動かし、体験し、自分以外の誰かの気持ちを獲得する。このようにして内部に蓄えられた知識は、自分の過去と未来の経験と結びついて「発酵」していき、「知性・見識」として定着する。

一番、脳が鍛えられるのは、本を読んでいるとき

decisiveimages/iStock/Thinkstock

一冊の本を完成させるために、書き手は人生の経験を総動員し、編集者や校閲者は入念にチェックを行う。本ほど何人もの知恵が凝縮され、練り上げられた文章はない。一方、その場での思いつきを書くケースが多い、インターネット上の文章やSNSでの文章のみに接するだけだと、「言葉の筋力」が落ちてしまう。とくに「古典」は、文章表現の中でも最高峰に難しく読みづらいが、古典にふれることで、言葉の精度を高め、自分が感じていることをより正確に把握したり伝えたりすることができるようになる。練り上げられ、鍛え上げられた文章の中には、自分が知らない感情や経験を教えてくれる言葉がたくさんある。本を読み、さまざまな表現を知ることは、自己表現の上達や、人間の心理に対する深い洞察にもつながるだろう。

脳が鍛えられるしくみ

うれしいことがあると人が学習するのは、基本的に「中毒(依存症)」と同じしくみである。達成感や喜びを感じると、脳の中に「ドーパミン」が放出され、その喜びにつながった行動を取る回路が強化される。本をほとんど読んだことのない人なら、一冊読み切るということに挑戦して、最後まで読むことをおすすめする。読み切れないと思っていた本を最後まで読めると、たくさんのドーパミンが放出され、読書が好きになる。

もっと見る
この続きを見るには...
残り3076/3915文字

4,000冊以上の要約が楽しめる

要約公開日 2016.04.30
Copyright © 2025 Flier Inc. All rights reserved.

一緒に読まれている要約

ブレない自分をつくる「古典」読書術
ブレない自分をつくる「古典」読書術
小倉広人間塾
ペンタゴン式 ハードワークでも折れない心のつくり方
ペンタゴン式 ハードワークでも折れない心のつくり方
カイゾン・コーテ中津川茜(訳)
強いカラダ・ココロ・アタマをつくる はたらく人のコンディショニング事典
強いカラダ・ココロ・アタマをつくる はたらく人のコンディショニング事典
岩崎一郎松村和夏渡部卓(監修)
分類脳で地アタマが良くなる
分類脳で地アタマが良くなる
石黒謙吾
ビジネスマンのための新しい童話の読みかた
ビジネスマンのための新しい童話の読みかた
上阪徹
本を読む人だけが手にするもの
本を読む人だけが手にするもの
藤原和博
遅読家のための読書術
遅読家のための読書術
印南敦史
スタンフォード大学 夢をかなえる集中講義
スタンフォード大学 夢をかなえる集中講義
ティナ・シーリグ高遠裕子(訳)

同じカテゴリーの要約

ハーバード、スタンフォード、オックスフォード… 科学的に証明された すごい習慣大百科
ハーバード、スタンフォード、オックスフォード… 科学的に証明された すごい習慣大百科
堀田秀吾
悩まず、いい選択ができる人の頭の使い方
悩まず、いい選択ができる人の頭の使い方
小川仁志
なぜ、あの人との会話は嚙み合わないのか
なぜ、あの人との会話は嚙み合わないのか
米澤創一
1つの習慣
1つの習慣
横山直宏
精神科医が教える! 心がスッと軽くなる93の処方箋
精神科医が教える! 心がスッと軽くなる93の処方箋
樺沢紫苑
社会は、静かにあなたを「呪う」
社会は、静かにあなたを「呪う」
鈴木祐
DIGITAL STANCE スマホに支配されない生き方
DIGITAL STANCE スマホに支配されない生き方
ピョートル・フェリクス・グジバチ
不機嫌を飼いならそう
不機嫌を飼いならそう
藤野智哉
時間・自己・幻想
時間・自己・幻想
マルクス・ガブリエル大野和基(インタビュー・編)月谷真紀(訳)
不条理な世の中を、僕はこうして生きてきた。
不条理な世の中を、僕はこうして生きてきた。
宮下友彰
無料