リーダーシップ・チャレンジ〔原書第五版〕

未読
リーダーシップ・チャレンジ〔原書第五版〕
リーダーシップ・チャレンジ〔原書第五版〕
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リーダーシップ・チャレンジ〔原書第五版〕
出版社
海と月社
出版日
2014年05月06日
評点
総合
4.3
明瞭性
5.0
革新性
3.5
応用性
4.5
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おすすめポイント

リーダーシップに関する名著を探しているのなら、まずこの本を読むべきだ。本書は30年以上リーダーシップに関する研究を行ってきた著者たちの集大成である。初版刊行から25年以上経った今でも読み継がれている理由は、一度本書を手にとってみればすぐにわかるだろう。

まず、非常に読みやすい。400ページ近くあることをまったく感じさせないほど、読み手にやさしいつくりとなっている。本書の主張はシンプルだ――すぐれたリーダーは5つの実践をしており、それぞれの実践は10の原則に基づいている――これだけである。また、膨大な研究事例に基づいて語られているため、内容の具体的なイメージもつかみやすい。まずは、各章の末尾にある「実践しよう」を読み、自分に必要だと思った箇所から深く掘り下げてみるとよいだろう。

本書で述べられる内容はいずれも、まったく古さを感じさせない。本書は第5版に当たるが、版を重ねるごとに、本書の提示するリーダーシップのモデルが現代にも通用するのか、著者たちは全面的に検証しているという。現に、取り上げられている100以上の実例のほとんどが旧版から刷新されている。移り変わりの激しいビジネスの世界だからこそ、可能な限り最新の事例を取り上げようとする著者たちの誠実さを感じた。

本書はリーダーシップに関する人類の叡智が詰まった、実践のためのガイドブックだ。ぜひ何度も読み返してみてほしい。

著者

ジェームズ・M・クーゼス (James M. Kouzes)
バリー・M・ポズナー (Barry Z. Posner)
ともにサンタクララ大学リービー経営大学院のリーダーシップ論の教授であるジェームズ・クーゼスとバリー・ポズナーは、30年以上にわたり、共同でリーダーシップについて研究している。世界でもっとも広く使われているリーダーシップ評価ツールのひとつ、LPIの開発者としても知られ、アップル、グーグル、インテル、オラクル、トヨタ、ウォルト・ディズニー・カンパニーほか、100を超える企業で人材教育プログラムを実施、世界中の大学や企業での講演も精力的にこなす。
この二人が書き上げ、ベストセラーになった本書『リーダーシップ・チャレンジ』は、これまでに200万部を超え、書評家が選ぶ「全米批評家賞」、ビジネス書籍の有名評論家が選ぶ「読んでおきたいビジネス書100冊」など、数々の賞を受賞した。また、彼らもその功績を認められ、米国人材開発機構(ASTD)の「職場における学習・パフォーマンス功労賞」、国家マネジメント評議会(IMC)の「最優秀マネジメント・リーダーシップ教育専門家賞」を受賞。リーダーシップ・エクセレンス誌が選ぶ「100人の思想家」、コーチング・フォー・リーダー誌が選ぶ「全米トップ50のコーチ」にもランクインしたほか、HRマガジンの「国際的にもっとも影響力を持つ思考家」にも選ばれた。
その他の著書に『リーダーシップの真実』(生産性出版)、『大学経営 起死回生のリーダーシップ』(東洋経済新報社)などがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    まずリーダー自身が人々の模範になれるよう、自分の信念を自覚しなければならない。
  • 要点
    2
    メンバー全員からビジョンを引き出し、共通のビジョンを探求するのがリーダーの役目である。
  • 要点
    3
    リーダーシップを発揮することは、現状を打破することだ。小さな成功を積み上げ、失敗から学びを得ることが不可欠である。
  • 要点
    4
    チーム全体に信頼関係を築くには、リーダーが相手を信頼することが必要だ。
  • 要点
    5
    メンバーの努力を素直に讃え、組織に祝福の文化を育てることは、人材のやる気を引き出すことにつながる。

要約

【必読ポイント!】 模範となる

価値観を明らかにする

信頼されるリーダーになるためには、まず自分を突き動かしている信念を自覚しなければならない。そして、信念を飾らずに周囲に伝えるべきであり、そのためには自分の内面と深く向き合う必要がある。誰かの書いた言葉で代用しているだけでは不十分なのだ。

「リーダーは、自身がもっとも大切だと思う原則に則って他者を導いてはじめて、本物のリーダーとなる」と著者は語る。自分が何者なのかを自分の言葉で表すことで、価値観と信条をメンバーに授けることができるのである。

また、メンバーを理解し、全員が共有できる価値観を築くことも大切だ。すべての価値観を一致させる必要はないが、根本的な部分では通じあっていなければならない。共通の価値観があるからこそ、メンバー全員が生産的で心地よい職場環境を築くことができる。

実際のところ、共通の価値観を土台にした強い企業文化を持つ組織は、そうでない組織と比べ、はるかに大きな成功を収めている。組織の価値観と、メンバーそれぞれの価値観が一致しているかどうかを定期的に確認するほうがいい。

手本を示す
EHStock/iStock/Thinkstock

すぐれたリーダーになるためには、自らの価値観を表明するだけでなく、それを行動で示さなければならない。リーダーの使命は組織における共通の価値観や基準を外に向かって体現することだ。リーダーのあらゆる行動は、周囲に対する強いシグナルとなる。言行一致ほど難しいことはないが、だからこそリーダーは自分の選択と行動に十分な注意を払うべきだ。

最終的には、組織内の全員がロールモデルとなり、言葉と行動が一致することが望ましい。リーダーの仕事は、メンバーに約束を守らせることである。手本を示すだけでなく、コーチとしてその実践方法を伝えなければならない。メンバーに何を期待しているのかを丁寧に説明することで、望ましい行動が繰り返される環境をつくりあげるのである。

共通のビジョンを呼び起こす

未来を描く

ある調査によると、「先見の明」は、ついていきたいリーダーの持つ第

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要約公開日 2016.05.21
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