ヤバすぎる経済学

未 読
ヤバすぎる経済学
ジャンル
著者
スティーヴン・D・レヴィット スティーヴン・J・ダブナー 望月衛(訳)
出版社
東洋経済新報社
定価
1,944円
出版日
2016年04月28日
評点(5点満点)
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
3.5
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レビュー

「銀行を襲うならいつが成功しやすいか?」、「効果的にテロを起こす方法とは?」、「絶滅危惧種を守る法律で絶滅が早まる?」、「高級売春婦の経営戦略とは?」、「ご褒美の中身とタイミングで子どもの成績が良くなる?」などなど。本書『ヤバすぎる経済学』は、タイトルの通り、物議を醸しそうなトピックを131個も扱っている。ここまで読んで「なんて不謹慎な!」と思った読者もいるかもしれない。それは正常な反応だ。現にアメリカでは大炎上が起きているという。

本書は、世界的スター経済学者の著者たちによるシリーズ700万部突破の大ベストセラー、『ヤバい経済学』、『超ヤバい経済学』に続く、待望の最新巻だ。本書では、日常生活の些細な疑問やニュースを材料に、著者の自由自在な想像や思考実験、ときに体当たりな実験が行われる。読み進むにつれ、「ここまで言っていいのか?」と驚くと同時に、ユーモアに富んだ著者たちの語り口に、思わず吹き出してしまうだろう。著者たちの守備範囲の広さや想像力の豊かさに舌を巻くにちがいない。

タイトルには「経済学」とあるが、この本はまるでライトエッセイのように読みやすい。突拍子もないシチュエーションや、「あるある」と頷いてしまう状況に、経済学の考え方が要所要所に盛り込まれており、物事の新たな見方が得られるだろう。仕事で行き詰まったとき、肩の力を抜いて本書を手に取ってみてはいかがだろうか。ただし、本書の過激な内容は悪用厳禁だ。

松尾 美里

著者

スティーヴン・D・レヴィット
Steven D. Levitt
シカゴ大学経済学部教授。40歳未満で最も影響力のあるアメリカの経済学者に贈られるジョン・ベイツ・クラーク・メダル受賞。ヤバい経済学流の考え方を企業や慈善活動に応用するグレイテスト・グッドの創設者。

スティーヴン・J・ダブナー
Stephen J. Dubner
作家として表彰を受け、ジャーナリストとしても活動し、ラジオやテレビに出演する。最初の職業――あと一歩でロックスター――を辞め、物書きになる。以来、コロンビア大学で国語を教え、『ニューヨーク・タイムズ』紙で働き、『ヤバい経済学』シリーズ以外にも著書がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    政治家には、一律の給料ではなく、自身が携わっている法案の効果があればストックオプションを与えるという形式にすれば、社会を良くするために働くというインセンティブになるはずだ。
  • 要点
    2
    絶滅危惧種を保護するための法律は、実際にはかえって絶滅危惧種に悪影響を及ぼしている。
  • 要点
    3
    子どもに試験を真面目に受けさせるには、試験前にお金を渡し、「成績の基準に達しなかったら、そのお金を取り上げる」と宣告するのが効果的である。

要約

人の役に立ちたくて

あなたがテロリストならどんな攻撃を仕掛ける?

自分がテロリストだと仮定したら、使える資源が限られている中、どうやって乗客への恐怖を最大化するだろうか。著者によると、人々を震え上がらせるには「自分がテロ攻撃の犠牲になるかもしれない」と思わせるのが効果的だという。人間は珍しい出来事であればあるほど、それが起こる確率を現実より高く見積もる傾向にあるため、テロの恐怖が過大評価されるのである。

そこで、著者の描くシナリオはこうだ。まずは、テロリストが大都市、小都市、郊外などさまざまな場所で一斉にテロを起こし、人々に「大人数のテロリストがいる」と思いこませる。そして商業をストップさせれば、人々は暇になって、余計に怖がる時間が増える。被害そのものは大規模でなくても彼らを恐怖に陥れることが主目的のため、銃を何丁か調達すれば事足りる。そうすれば資金は少なくて済むうえに、実行犯を捕まえるのは困難を極めるだろう。

テロで実際に命を落とすリスクは、交通事故や心臓麻痺、殺人などに比べると小さい。要するに、テロがもたらす真のリスクとコストは「恐れ」なのだ。著者の見解は、テロの危険はそれほど大きくないのに、テロを防ぐ努力をしているように見せることに、国家(アメリカ)がお金を遣いすぎているというものだ。そしてCIAは、テロ攻撃が起きても、前々からテロの可能性について報告しておけば非難されることは少ないと、CIAについても皮肉を言っている。

この記事を著者がサイトに掲載したところ、読者からは「テロのシナリオを考えるなんて不謹慎だ」、と怒りの声が相次いだが、これはテロに備えるためのシミュレーションなのだ。

政治家にもっとお金を払ったら、もっと良い人が政治家になる?
Peshkova/iStock/Thinkstock

政治体制を改善するために必要な施策とは何だろうか。一つの方法は、政治家の給料を大幅に増やし、より善良な人が政治の世界をめざすのを促すことである。もちろん、不景気のさなか、政治家の給料向上を政治家自らが謳うのはなかなか受け入れられにくいかもしれない。しかし、これにより次のようなメリットが期待できる。政治が大事な仕事だというメッセージになるし、他の儲かる業界にいた優秀な人材が政治の世界に入りやすくなる。そのうえ、収入の心配が減ることで、政治家は職務に集中しやすくなり、利権に惑わされにくくなるのだ。現に、政治家の給料を大幅に増やしたブラジルのとある地方自治体では、議員の質に改善が見られ、政治家の業績向上にもつながったという。

そこで、もっと過激な名案を著者は思いついた。

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ヤバすぎる経済学
未 読
ヤバすぎる経済学
ジャンル
グローバル 政治・経済
著者
スティーヴン・D・レヴィット スティーヴン・J・ダブナー 望月衛(訳)
出版社
東洋経済新報社
定価
1,944円
出版日
2016年04月28日
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