ハーバード流宴会術

WORLD ENKAI STANDARD
未読
日本語
ハーバード流宴会術
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ハーバード流宴会術
出版社
大和書房
定価
1,540円(税込)
出版日
2012年11月21日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.5
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おすすめポイント

読み終えた後、若手ビジネスマン(「ビジネスパーソン」ではなく、あえて男性に絞っている)には絶対読んでほしい一冊、そんな印象を受けたのがこの本だ。

「ハーバード流」というタイトルを見て遠慮してしまう人もいるかもしれないが、本書には外人ウケを狙うノウハウが少し書かれている程度で、その実態は「日本流」(もしくは「三菱商事流」)だ。もちろん商社に限らず、多くの日本企業に当てはまる、極めて実践的な内容になっている。

この本の一番の魅力は、若手ビジネスマンにとっては一人前の社会人になるための登竜門といっても過言ではない「宴会シーン」をいかに乗り切るか、という点にある。本書を読めば、宴会を通じて身に付けるべき「社会人としての振る舞い」の多くを学ぶことが出来るだろう。

新人が飲みの席で失態を犯し、その後しばらく周りから冷ややかな目で見られた、という話を私自身よく聞く。しかし、まだ組織の中で生きていく所作を十分に身に付けていない新人でも本書を読んで実践すれば、むやみに評判を下げることはないはずだ。

また、本書に書かれているような「宴会」に参加してみたいと思わされること自体、著者の宴会術が極めて優れていることの証左であろう。会社の飲み会や合コンを盛り上げたい人にはぜひ読んでいただきたい一冊だ。

ライター画像
苅田明史

著者

児玉 教仁
1972年、静岡県生まれ。1997年、三菱商事株式会社入社。鉄鋼商社マンとして海外で多数の新規ビジネスを立ち上げる。2004年、ハーバード大学経営大学院に入学し、同校で習うリーダーシップ論・ビジネス論等を宴会術に応用。2011年に三菱商事を退社し、国際社会で活躍できる人材の育成を目指した企業、グローバルアストロラインズ株式会社を立ち上げる。一部上場の大手企業をはじめとした多くの企業に創造的な人材教育プログラムを提供。英語の突貫工事型合宿プログラムや宴会術の企業研修も実施している。

本書の要点

  • 要点
    1
    「人は誰しも、自分のことをわかってほしい生き物」であり、どんなに「シャイ」「口べた」「奥手」な人であっても、「心のパンツを脱いだ状態」になれば、「超おしゃべり人間」に変化することが出来る。この状態に参加者を誘うことこそ、宴会においてもっとも大切なことである。
  • 要点
    2
    仕事も宴会も入念な準備が事の成否を決める。まず大事なのは「主賓」の他に、自分の味方になってくれる「宴会キーパーソン」、「普段宴会に来てくれない人」の日程を素早く押さえること。そして「母上」には場所選び、「姉御」にはお店選びへの協力を仰ぐと、主催者側の一員になって力を貸してくれるはずだ。

要約

基礎編

はじめに

もともと下戸でシャイで宴会嫌いだった、著者である児玉氏は、1997年に三菱商事に入社してからというもの、「東京の夜の怪物くん」の異名をとる先輩の教えにより、商社のなかでもトップクラスの宴会の仕切り屋に変身を遂げた。

そんな児玉氏は、2004年に世界最高峰の経営大学院といわれるハーバード・ビジネス・スクールに入学。実はハーバードは「パーティ・スクール」といわれるほどイベントやパーティが多い学校で、「宴会を仕切る力」に自信を持っていた児玉氏でさえ、さらにその宴会術が飛躍的に向上したことに驚いたという。

本書はそもそも暗黙知であった宴会術を、ハーバード・ビジネス・スクールで学んだ経営学によって整理し、体系立てて説明した一冊だ。

国際経験豊富な児玉氏が「世界ナンバーワン」と言って憚らない日本の宴会術を、本書を読んで学んでいただきたい。

すべての宴会術は、たったひとつの原理に帰する
iStock/Thinkstock

児玉氏が「一番大切なこと」として最初に述べていること、それは「人は誰しも、自分のことをわかってほしい生き物」だということだ。

単純な行動原理として「人は自分の話を『聞いてくれる人』を待っている」。すなわち、「シャイ」「口べた」「奥手」な人であっても、「超おしゃべり人間」に変化することが出来るということである。

「自分が主役になっている超快感」の波が押し寄せたとき、人は無防備になり、すべてをさらけ出しはじめる。この状態のことを児玉氏は「心のパンツを脱いだ状態」と呼んでいるが、この「心のパンツを脱いだ状態」に参加者を誘うことこそ、宴会においてもっとも大切なことなのだ。本書に書かれている宴会術とは、すべて「限られた時間のなかで行われる宴会という特殊な空間を最大限活用し、参加者全員をこの『心のパンツを脱いだ状態』にもっていくための方法」である。

本書の大部分はその方法を学ぶための「実践編」が占めている。それではさっそくその内容を見ていこう。

【必読ポイント!】 実践編

スケジュール調整サービスはむやみに使うな
Fuse/Thinkstock

仕事も宴会も「仕掛け8割」、つまり入念な準備が事の成否を決めることは言うまでもない。質の高い仕事をするには、自分が働きやすい、戦いやすい環境をつくることが重要だ。

宴会でも自分の環境は自分でつくることが必要である。オンラインの日程調整ツールで無機質にチャッチャと日程を決めてしまう前に、「自分が戦いやすい環境」をつくり出すために汗をかくべきだ。

最初は宴会の主旨を考えて「主賓」の日程を調整し、「主賓」が来れる日程を複数押さえることが第一だ。そして「主賓」の日程を押さえたらすぐに「その他全員」にオンライン日程調整ツールやメールで日程の多数決を促すのかというと、それではまだヌルい。「その他全員」に予定を確認する前に、まずは手帳を片手に「宴会キーパーソン」の日程を押さえにいくのである。

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