ゴールドプランなら4,000冊以上が全文読み放題! 7日無料体験はこちらから
大前研一ビジネスジャーナル No.9の表紙

大前研一ビジネスジャーナル No.9

世界のリゾート&ツーリズム徹底研究


本書の要点

  • 日本のホテルや旅館は、ラグジュアリーでもエコノミーでもない中途半端な立ち位置になっており、世界の富裕層を誘致できていない。

  • 日本は、世界の人気リゾートのトレンドと強みを研究したうえで、観光産業の振興と地域活性化の打ち手として富裕層向けのリゾート開発に本腰を入れるべきだ。

  • 細切れで散発的な日本のリゾート開発を見直し、欧米富裕層に一般的な、長期滞在のコンセプトに対応することが急務である。

1 / 3

【必読ポイント!】 スーパーラグジュアリーリゾートの時代

観光産業の今

世界のリゾートは、1泊10万円という超一流ホテルに代表される「スーパーラグジュアリーリゾート」と、格安ホテルや海水浴場といった大衆向けの「エコノミーリゾート」に二極化している。この両者を柱とする観光産業は、今や6.8兆ドルもの巨大市場を形成し、世界の市場規模としては自動車産業を凌ぐという。

ところが、日本では国や地方が一丸となって観光産業の振興に取り組んでこなかった結果、2013年時点では、国際観光収支で160億ドルの大赤字を生んでしまっている。さらには、訪日外国人数は過去最高を記録しているにもかかわらず、国内旅館の市場規模はこの約20年の間に半分以下に縮小してしまった。日本のホテルや旅館は、ラグジュアリーでもエコノミーでもない中途半端な立ち位置になっており、かわりに外資系のホテルチェーンが加速度的に日本進出を図っているのが現状だ。

少子高齢化が進み、2040年には日本の市町村の50%が消滅するという試算もある中、地域活性化の打ち手として有力なのが、富裕層向けのリゾート開発である。日本も、世界の人気リゾートのトレンドと強みを研究し、インバウンド時代を勝ち抜く「仕掛け」を生み出すことが求められている。

世界の富裕層の心とサイフをつかめ

日本の観光地が抱える最大の課題は、世界の富裕層を獲得できていないという点である。とりわけ中国の富裕層は、東南アジアの高級リゾートには1泊あたり一人10万円以上の大金を落としていく。一方、

もっと見る
この続きを見るには...
残り3503/4151文字

4,000冊以上の要約が楽しめる

要約公開日 2016.06.15
Copyright © 2025 Flier Inc. All rights reserved.

一緒に読まれている要約

大前研一ビジネスジャーナル No.8
大前研一ビジネスジャーナル No.8
大前研一(監修)good.book編集部(編)
ENIAC
ENIAC
ThomasHaighMarkPriestleyCrispinRope土居範久(監修)羽田昭裕(訳)川辺治之(訳)
国宝消滅
国宝消滅
デービッド・アトキンソン
大前研一ビジネスジャーナル No.10
大前研一ビジネスジャーナル No.10
大前研一(監修)good.book編集部(編)
大前研一ビジネスジャーナル No.7
大前研一ビジネスジャーナル No.7
大前研一(監修)good.book編集部(編)
企業家としての国家
企業家としての国家
マリアナ・マッツカート大村昭人(訳)
データで読み解く中国の未来
データで読み解く中国の未来
川島博之
大前研一ビジネスジャーナル No.11
大前研一ビジネスジャーナル No.11
大前研一(監修)good.book編集部(編)

同じカテゴリーの要約

Z家族
Z家族
博報堂生活総合研究所
強いLLMO
強いLLMO
竹内渓太
センスのよい考えには、「型」がある
センスのよい考えには、「型」がある
佐藤真木阿佐見綾香
ファンダムマーケティング
ファンダムマーケティング
高野修平
新版 エスキモーに氷を売る
新版 エスキモーに氷を売る
ジョン・スポールストラ佐々木寛子(訳)
影響力の武器【第三版】
影響力の武器【第三版】
ロバート・B・チャルディー二社会行動研究会(訳)
ファスト&スロー
ファスト&スロー
ダニエル・カーネマン村井章子(訳)
ストーリーとしての競争戦略
ストーリーとしての競争戦略
楠木建
なぜ4人以上の場になると途端に会話が苦手になるのか
なぜ4人以上の場になると途端に会話が苦手になるのか
岩本武範
【新】100円のコーラを1000円で売る方法
【新】100円のコーラを1000円で売る方法
永井孝尚