最後までやりきる力
目標達成のコーチが教える、やる気がなくても楽にできる方法

未 読
最後までやりきる力
ジャンル
著者
スティーヴ・レヴィンソン クリス・クーパー 門脇弘典(訳)
出版社
クロスメディア・パブリッシング 出版社ページへ
定価
1,490円
出版日
2016年03月11日
評点(5点満点)
総合
3.3
明瞭性
3.5
革新性
3.0
応用性
3.5
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レビュー

やるべきことがあるはずなのに、ずるずると後回しにしてしまい、目前の「やりやすいこと」「楽しい仕事」ばかりやってしまう……このような経験をしたことはないだろうか。しかも、自分が後回しにしている億劫な仕事を、ほかの同僚はスイスイとこなしていたりする。それを見て、「自分には能力がない」と自己嫌悪に陥ることもあるかもしれない。

しかし著者は、「それはあなたのせいではない」と断言する。やろうと決心することと、その通りに行動できることはまったく別の話であり、苦手なことは人によって違うのであるというのだ。もちろん、だからといってさじを投げてしまっては、目標は一生達成できない。そこで、本書の出番である。 

自分にとって長続きしない要因がどこにありそうかを分析し、どうやってテコを入れていくか――本書には、多くの人が陥りがちな罠にどう立ち向かうべきか、実用的な知識がいくつも盛り込まれている。ぜひ本書の中から、今の自分に必要なやりかたを発見してみていただきたい。どんな目標をもっていたとしても、ゴールにぐっと近づけるに違いない。

目標を決めようとするとき、崇高な夢を人は思い描きがちだ。しかし、それをやり遂げる手段は必ずしも真面目なものである必要はないというのが著者の主張である。自分の夢や目標を叶えることが一番の目的だということを忘れないように、今ある課題と向き合っていきたいところだ。

著者

スティーヴ・レヴィンソン(Steve Levinson)
臨床心理士。アメリカミネソタ州で35 年にわたってメンタルヘルス・プログラムを指導する。全米ベストセラーの著書Following Through: A Revolutionary New Model for Whatever You Startによって、「フォロー・スルー(やりとげる)理論」の専門家として知られるようになった。「フォロー・スルー」関連機器の開発・販売会社も経営する。

クリス・クーパー(Chris Cooper)
イギリス出身・在住のビジネスコンサルタント、メンター、コーチ。能力開発・目標達成に関するエグゼクティブ向けの助言を専門とする。インターネット・ラジオ番組(ボイス・オブ・アメリカ「Be More, Achieve More」)のホスト役を務め、講演活動もおこなっている。

本書の要点

  • 要点
    1
    やろうと決めたとおりに行動できないのは、人間なら誰しも当然のことである。決意と行動の間には「どう行動するか計画を立てる」というステップが必要不可欠だ。
  • 要点
    2
    計画の立て方にはいろいろあるが、なるべく自分の意志に頼らずに、環境的、物理的にやらざるを得ない状況を作ったり、周りの人に協力してもらったりしながら、物事が回っていくようにするべきである。
  • 要点
    3
    何でもかんでもやろうとしたり、大して重要でもない決意を立てたりすると、かえって決意を守れなくなる。自分にとって大切な決意だけに注力すべきだ。

要約

しなければならないのに、できないのはなぜか

「やる気があればできる」は幻想
Spectral-Design/iStock/Thinkstock

日々の中で、やらなければいけないとわかっているのになかなか気が進まず、つい先延ばしにしてしまうという経験は誰にでもあるだろう。そんな時、あなたはどう思うだろうか。

実のところ、「やる気があればできるはずだ」というのは正しくない。やるべきことがわかっていて、やろうと決意したからといって、そのとおり行動できるようには人間はできていない。「やるべきとわかっているが気が進まないこと」は、「その瞬間やりたいと思ったこと」に簡単に負けてしまうものなのだ。

しかし、やるべきこと、やらなければ大きな失敗をするとわかっていることをやらないままでは、思い描く成功は決して手に入らないだろう。だからこそ、やるべきことに対し、実際に着手できるように、工夫する必要があるのである。

あなたにとっての「スライム」は何か

誰にでも、成功のためにやらなければならない仕事がある。その仕事を、「ひとりでにやる気の出る仕事」と「どうしてもやる気が湧いてこない仕事」の2種類に分けよう。

後者の「やる気が湧いてこない仕事」を、ある人は「スライム」と名付けた。スライムは、「重くてネバネバしていて、反抗的で不快な存在」という意味を表している。好きでどんどんやりたくなる仕事とは反対に、ずるずると先延ばししてしまったり、途中で投げ出してしまったりする仕事は、すべてスライムである。

誰にでもスライムはあって当然のもので、スライムがないという人はおそらくいないか、極めて稀だろう。しかし、どんな仕事をスライムと感じるかは人によって違う。労力がいる仕事だからスライムであるとも限らない。ちょっとした事務作業が、ある人にとってはとんでもなく面倒なスライムだということもある。

スライムが厄介なのは、スライムから逃げようとすると、仕事が進まないだけでなく、ネガティブな感情に苛まれ、エネルギーを吸い取られてしまうことである。スライムに対してきちんと向き合わなければ、大きな損失を被ってしまうのだ。

思わぬスライムに悩まされる経営者
Sam Lee/Hemera/Thinkstock

やりたい仕事もやりたくない仕事も選べずに取り組まなければならないという意味で、雇われのサラリーマンはスライムを抱えやすいといえる。だが、勤めている会社を辞めて独立しても、抱えているスライムから解放され、自由を手に入れてハッピーエンドになるとはかぎらない。

経営者は自由とともに、多くのリスクと困難を抱えている。事業が失敗する確率は決して低くはない。そのうえ失敗すると、物理的にも精神的にも失うものが大きい。経営者にとって、事業を失敗させないために多くの危機に立ち向かい、そのために決意したことを実行に移すことは非常に重要なのである。

しかも、経営者は雇われの身の人たちと比べて、締め切り、業績評価、上司からの指示、報酬や罰則など、行動を起こすためのプレッシャーとなるものが少ない。独立してはじめて、今まで助けられていた「仕事をやり遂げるための組織のインフラ」に気づくこともある。抱えるリスクは大きくなるのに、支えるインフラは少なくなるのが起業家なのである。

【必読ポイント!】意志に頼るのをやめよう

決意したことを行動に移すために

何かやろうと決意したときに、多くの人は自分に言い聞かせながら行動に移そうとしたり、モチベーションを上げるようなインスピレーションを得て気持ちを盛り上げたりしようとする。そのこと自体は否定しないが、そのやり方だけでは長続きしない。

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スキルアップ・キャリア
著者
スティーヴ・レヴィンソン クリス・クーパー 門脇弘典(訳)
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1,490円
出版日
2016年03月11日
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