書くだけであなたの最高の力を引き出す方法

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出版社
SBクリエイティブ
出版日
2016年04月05日
評点
総合
4.2
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.5
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おすすめポイント

同じように目覚ましい功績を残しているのに、周囲から尊敬され、抜群の存在感を放つリーダーと、そうでないリーダーがいる。この差は、いったいどこから生まれてくるのだろうか?

それは、「センタード・リーダーシップ」を発揮できているかどうかにかかっていると著者は説く。人生の目的が明確で、自分らしさを最大限発揮できていれば、その前向きな力(フォース)がたちまち周囲へと伝播し、チームや組織のパフォーマンスが著しく向上するというのだ。監訳者によると、「センタード・リーダーシップ」とは、「コアとなる中心があり、揺らぐような状況に直面しても、心を整えられるあり方」を発揮できていることだという。

著者は1000人以上の卓越したリーダーたちにインタビューを重ね、共通の特質をあぶり出し、それらを身につけられるプログラムを編み出した。その特質とは、意義・フレーミング(物事のとらえ方)、つながり、主体的な行動、そしてエネルギーの5つである。

本書は、自分のマインドセット、感情、行動を整理し、才能や強みを発揮するためのエクササイズやワークが散りばめられている一冊だ。本書に登場する「書きこみ式ワーク」に挑戦することで、本当に大事にしたい価値観や改善点が浮き彫りになっていくだろう。これほどまでに内省の力を深め、読み終えたときには光が差し込んでくるような本に出逢えるチャンスは稀有ではないだろうか。著者たちとともに自分の可能性の扉を開け放ち、リーダーシップを学ぶ旅へ出かけてみてほしい。

ライター画像
松尾美里

著者

Joanna Barsh(ジョアンナ・バーシュ)
マッキンゼー&カンパニー名誉共同経営役員。同社で2008年よりセンタード・リーダーシップ・プログラムの立ち上げを指揮した。現在は、政府や企業に助言をしながら、世界中のリーダーを育てる活動を続けている。フォーチュン社やドイツ銀行主催のイベント及びGE、Google、タイム・ワーナー、ウォルマート、Citibank、ダノン、eBayなどで講演。ウォール・ストリート・ジャーナル、フォーブス、ファイナンシャル・タイムズ、ビジネス・ウィーク等で取り上げられた。ハーバード・ビジネス・スクールを上位5%の成績で卒業し、MBAを取得。

Johanne Lavoie(ジョアンヌ・ラヴォア)
マッキンゼー&カンパニーのシニア・エキスパート。センタード・リーダーシップ・プログラムの創設者。フォーチュン100の企業において、20年のコンサルタント経験を持つ。現在はバンフ・リーダーシップ・センターのアドバイザーを務める。ハーバード・ビジネス・スクールにてMBAを取得。

監訳者 大嶋 祥誉(おおしま さちよ)
センジュヒューマンデザインワークス代表取締役。エグゼクティブ・コーチ、組織開発・人材育成コンサルタント。上智大学外国語学部卒業。米国デューク大学Fuqua School of Business MBA取得。米国シカゴ大学大学院人文科学学科修士課程修了。マッキンゼー&カンパニーでは、新規事業のフィージビリティスタディ、全社戦略立案、営業戦略立案などのコンサルティングプロジェクトに従事。その後、ウイリアム・エム・マーサー、ワトソンワイアット、グローバル・ベンチャー・キャピタル、三和総合研究所にて、経営戦略や人材マネジメントへのコンサルティングおよびベンチャー企業支援に携わる。2002年より独立し、エグゼクティブ・コーチング、組織変革コンサルティング、チームビルディングやリーダーシップ開発に従事。

本書の要点

  • 要点
    1
    人々を惹きつけてやまないリーダーは、ブレない「コアとなる中心」に基づいたセンタード・リーダーシップを発揮している。「意義・フレーミング・つながり・主体的な行動・エネルギー」の5つの要素を身につけることで、前向きな影響力を及ぼせるようになる。
  • 要点
    2
    意義を見つけるには、「最高の瞬間となった経験」を掘り起こすことが大事である。
  • 要点
    3
    恐怖の内容を特定し、凝り固まった考えや行動パターンを変える「リフレーミング」により、新しいマインドセットを身につけることができる。

要約

センタード・リーダーシップへの旅

記憶に刻まれるリーダーが持つ5つの要素
Ridofranz/iStock/Thinkstock

思わず惹きつけられる優れたリーダーは、前向きなエネルギーにあふれ、他者に心を開き、困難に対峙しても前進し続ける。彼らが人々の記憶にしっかりと刻まれる理由は、ブレない「コアとなる中心」に基づいたセンタード・リーダーシップを発揮しているからだ。彼らに共通する要素を、著者は次の5つに特定した。

(1)意義:最も強力で、センタード・リーダーシップのコアとなる特徴である。意義を持って物事に打ち込むことが、その人の強みを開発し、自信や勇気、人生の目的、持続的な充実感をもたらしてくれる。

(2)フレーミング:物事を認識して判断する際の枠組みや感情・思考パターンを指す。このパターン化された行動のトリガー(引き金)が何なのかを特定し、自分の恐れを受け入れることで、物の見方や信念を変える「リフレーミング」が可能となる。そうすることで、環境に適応し、多くの可能性を発見できる。

(3)つながり:他者との信頼関係や意義のあるコミュニティを築くことである。また、多方面から強力にサポートしてくれるスポンサーとのつながりは、成長を促す効果を持つ。

(4)主体的な行動:真の望みを実現させようという意図、選択した目的に集中しようとする意識が一致し、恐れと希望のバランスをとって行動することを指す。自分の行動に対するオーナーシップが、リーダーとしての存在感を生み出す源となる。

(5)エネルギー:体、心、精神的な安定、魂の健康を保つことで、高いパフォーマンスを日常的に発揮し、失敗しても即座に回復できるような原動力を意味する。エネルギーは、先述した4つの要素の燃料となる。

これらの要素を習得し、習慣化できれば、前向きな影響力、達成感、そしてレジリエンス(精神的回復力)を手に入れ、行動の幅をぐっと広げられるだろう。

尊敬するリーダーの資質から見えるもの

リーダーシップの旅に出る前に、理想のリーダーを思い浮かべてみたい。彼らを特徴づける資質を20以上リストアップし、「①IQやスキルに関連した資質」、「②感情・エネルギーに関連した資質」、「③意義に関連した資質」の3つに分類するのだ。すると、①よりも②と③の欄に多くの資質が書き加えられていることに気づくだろう。つまり、私たちは、プロとしての技術に長けた聡明なリーダーよりも、周りを明るくし、行動力を与えてくれるようなリーダーを特別な存在としてみなすのだ。

また、尊敬する人物の資質をよく見ると、それらは実は自分自身が持つ特徴を投影したものであるとわかる。なぜなら、それらを発見できたのは、自分の中にも同じ資質が眠っているからだ。あとは、その眠っている資質を解き放つだけでよい。

【必読ポイント!】 意義を見出す

最高の瞬間となった経験を掘り起こす
Dirima/iStock/Thinkstock

センタード・リーダーシップで最も重要なのは、自分が周囲に貢献しているという実感をもたらす「意義」である。意義の追求は、永続的な幸福感につながるからだ。

幸福感には3つの段階がある。1つ目は「単純な喜び」、2つ目は、自身が心惹かれる「積極的な行動」がもたらす幸福感、

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要約公開日 2016.07.25
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