

「三省堂 辞書を編む人が選ぶ 今年の新語」で大賞を受賞した「言語化」。仕事で自分の考えや思いを伝えるときはもちろん、プライベートで大切な人とコミュニケーションを取ったり、推しの魅力を語ったりするときにも、言語化力の重要性をひしひしと感じることは多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、言語化力向上に役立つ本をご紹介します。気になったものがあればぜひ、毎日の習慣に取り入れてみてください。
記事更新日:2025年10月27日


まず取り上げたい言語化力の本は『読む・聞く、まとめる、言葉にする』(松尾美里著)。株式会社フライヤーの編集部で約850冊の本の要約のライティング・編集に携わるだけでなく、インタビュアーとしても活躍する著者が、「読む」「聞く」「整理する」「言語化する」コツとトレーニングを明かした一冊です。
言語化する力はもちろん、言語化力を支える「読む・聞く力」と「まとめる力」もいっしょに磨ける本書。一冊で三度おいしい、お得な言語化本です。


言語化をテーマにした本のロングセラーと言えば、『「言葉にできる」は武器になる。』を思い浮かべる人も多いでしょう。
本書では、コピーライターの梅田悟司さんが、自分の中にある「内なる言葉」を整理し、説得力のある「外に向かう言葉」を紡ぎ出せるようになるトレーニングを紹介しています。
梅田さんのトレーニングは、以下の7ステップから成ります。
(1)頭にあることを書き出す
(2)「T字思考法」で考えを進める
(3)同じ仲間を分類する
(4)足りない箇所に気付き、埋める
(5)時間を置いて、きちんと寝かせる
(6)真逆を考える
(7)違う人の視点から考える
言語化のプロであるコピーライターのメソッドは説得力抜群。言語化力を本気で鍛えたいなら、挑戦してみて損はないはずです。


言語化には段取りがある――。そう教えてくれるのは、GOの三浦崇宏さんの『言語化力』です。
三浦さんによると、言語化の段取りは「スタンスを決める→本質をつかむ→感情を見つめる→言葉を整える」。少し細かく見てみましょう。
(1)スタンスを決める:自分の社会における立ち位置と世の中の動きに対する好き嫌いをはっきりさせる
(2)本質をつかむ:現象の構造をつかむ
(3)感情を見つめる:自分の内側にある感情をクリアにし、その感情を抱いた理由を考える
(4)言葉を整える:ステップ3までで生み出された言葉を、TPOに合わせて整える
また三浦さんは、印象に残る言葉を生み出すポイントとして、以下の4つを挙げています。
(1)短くシンプルであること
(2)意外性があること
(3)学びがあること
(4)明日からすぐにやれること
口頭でのコミュニケーションを磨きたい人はもちろん、SNSやブログをバズらせたい人にもおすすめの一冊です。


言葉にして「伝える」ためには、「自分の思い」がなければならない――。そんなフレーズに思わずドキッとさせられる言語化本は『言葉にする習慣』です。
本書は、コピーライターのさわらぎ寛子さんが、言語化力の身につけ方を指南してくれる一冊。
本書の特徴は、「どう伝えるか」を鍛える前に「伝えたいこと」を見つけるトレーニングを行うこと。その理由は、「伝えたいことを固める」→「それをどう伝えるかを考える」という順番を守らなければ、からっぽの言葉になってしまうからです。
また本書では、観察眼を鍛えることの重要性についても書かれています。たとえば、映画を観た後に「おもしろかった」で終わらせがちな人は、自分の感情をじっくり観察してみましょう。そこには、まだ言葉になっていない感情がひそんでいるはずです。
仕事やプライベートなど、さまざまなシーンで使える「言語化力」の育て方が示されている本書。一冊読み通してトレーニングを積めば、言語化力があなたの強みの一つに加わるはずです。


『瞬時に「言語化できる人」が、うまくいく。』は、電通のコピーライターの荒木俊哉さんがオリジナルの言語化力トレーニングを示した一冊。
準備するのはペンとA4の紙だけ。紙に「問い」を書き、それに対して「どう思う?」→「それってどういうこと?」→「なぜそう感じる?」→「それってどういうこと?」と自問自答して、自分の考えを深掘りしていきます。
「言語化力トレーニング」の1枚ごとの制限時間は2分。これを1日3枚、計6分ずつ行いましょう。このトレーニングを積んでいけば、みるみるうちに「瞬時に言語化する力」が鍛えられるはずです。


同じく荒木俊哉さんがオリジナルの言語化トレーニングを教えてくれる一冊として、『こうやって頭のなかを言語化する。』もおすすめです。
本書で紹介されるトレーニングの所要時間はたった3分。以下の3ステップで構成されています。
ステップ1:「できごと+感じたこと」をメモする
ステップ2:頭に浮かんだ言葉をノートに書きだす
ステップ3:現時点での「結論」を1行で書く
たとえば、ステップ1で「プレゼン終了。テンション上がった。」と「できごと+感じたこと」をメモしたとしましょう。
ステップ2では、ステップ1で書いたことに「のはなぜか?」をプラスし、「プレゼン終了。テンション上がった。のはなぜか?」とします。そして、その問いに答える形で、頭に浮かんだことを書き出していきましょう。
最後のステップ3では、ステップ2で書き出したことのうち、現時点での結論を1行でまとめます。
簡単そうに聞こえるかもしれませんが、最初のうちは、「のはなぜか?」の答えがなかなか出てこず、苦労することも多いはず。ですが毎日の習慣として続けていくうちに、着実に言語化力が上がり、サクサクと進められるようになるでしょう。


より実践的な言語化力アップ本を探している人には、同じく荒木俊哉さんの『頭の中がどんどん言葉になる瞬間言語化トレーニング』をおすすめします。
本書の特徴は、ドリル形式になっていること。言語化力を身につけるための実践的な問題が108問収録されています。多用なトレーニングが揃っており、制限時間1分というプチトレーニングもあるので、そのときのモチベーションや時間的余裕に応じて、自分にぴったりのトレーニングを選んでみてください。


推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない――。このサブタイトルにピンときたあなたは、ぜひ『「好き」を言語化する技術』を熟読してください。
本書では、文芸評論家の三宅香帆さんが、自分が好きなものに対する愛を言語化する方法を教えてくれます。
推しや趣味の良さを語りたいとき、語彙力が足りなくて、もどかしい思いをしたことがある人は多いはず。本書を読んで言語化力を身につけ、次なる感動に備えてはいかがでしょうか。


ストーリー形式で楽しく言語化力を磨きたい人には『5日間で言葉が「思いつかない」「まとまらない」「伝わらない」がなくなる本』(ひきたよしあき著)をおすすめします。入社3年目の主人公・大とともに、言語化力を磨ける構成となっています。
初日の課題は「30秒で図形の名前を10個言う」と「形容詞を使わない」。これらの課題により、頭の中にある言葉をパッと出すとともに、語彙力を増やす練習をします。
一気読みしたい気持ちをぐっとこらえて、あなたも主人公の大といっしょに、5日間かけて本書を読み進めてみましょう。5日後には言語化力がぐんとアップしているはずです。


同じくひきたよしあきさんの著書でおすすめの言語化本といえば『モヤモヤを言葉に変える「言語化」講座』。今作はストーリー形式ではないものの、ひきたさんの講義を聞いているような気持ちでスラスラ読み進められる一冊です。
ひきたさんは、言語化力を身につける第一歩として、「ヤバい」をうまく利用して語彙力を増やす方法を教えてくれます。それは「ヤバい」と叫んだあとすぐに「なぜなら」と理由をつけるというもの。
「この回の推し、ヤバい! なぜなら、あのシーンの表情にぐっとくるから」
「この本、ヤバい! なぜなら、自分の悩みを全部解決してくれるから」
「このケーキ、ヤバい! なぜなら、クリームの甘さがちょうどいいから」
……などなど、あなたも今日から試してみませんか?


言語化力の本といえば、2018年に刊行され、日本中にアウトプットブームを巻き起こした『学びを結果に変える アウトプット大全』も外せません。精神科医でありながら作家でもあり、10年連続で年2冊以上の本を書き、メルマガを13年間毎日発行し、動画を1500本以上アップしてきた(※出版当時)という樺沢紫苑さんが、80の視点からアウトプット術をまとめた一冊です。
樺沢さんによると、自己成長のためのインプットとアウトプットの黄金比は3:7。たいていの人は、インプットに対してアウトプットの量が足りていないのではないでしょうか?
まずは、本書で紹介されているアウトプット法のなかから、気になるものにチャレンジしてみましょう。アウトプット量を増やすことを意識するうちに、どんどんアウトプットに慣れ、質も上がり、自己成長できるはずです。


言語化のメリットとして「悩みが消えること」を挙げるのは『言語化の魔力』。『アウトプット大全』の樺沢紫苑さんが、言語化によって悩みを解消する方法を教えてくれます。
言語化といっても、難しく考えすぎる必要はありません。樺沢さんは本書で、まず誰かに相談してみることをすすめています。
誰かに相談する以外にも、悩みやモヤモヤを書き出してみるのも効果的。本書では、15~20分程度かけて、感情をできるだけ詳細に書くことが勧められています。これにより、頭のなかが整理される、スッキリする、対処法に気付くなどの効果が期待できます。
悩んだときは、まず言葉にしてみましょう。少し気分がラクになるはずです。


最後に紹介したい言語化力アップ本は、『1分で話せ』などで知られる伊藤羊一さんの『1行書くだけ日記』です。
伊藤さんは本書で、何気なく過ごしている日常から気づきを得て成長する方法として、経験や考えを言語化する「1行日記」を勧めています。
1行日記の書き方は簡単。毎日、その日に起こったことを書いて、書いた内容を「自分にとってそれはどんな意味がある?」と振り返ってみるだけです。
「自分にとってそれはどんな意味がある?」と自問自答すると、きっと気づきが得られるでしょう。その気づきをもとにアクションすると、どんどん成長していけるだけでなく、言語化の精度とスピードが上がっていくはずです。


『あなたの「言語化」で部下が自ら動き出す 「紙1枚!」マネジメント』は、「言語化力」をキーワードとして、「部下が能動的に動いてくれない」という悩みを抱えるマネージャー・リーダーに解決策を提示してくれる一冊です。
著者は、トヨタで資料作成を徹底的に鍛えられた経験をもとに、「紙1枚」に要点をまとめる多種多様なフレームワークを開発してきた浅田すぐるさん。本書では、部下の主体性を引き出すために、あなた自身の考えや指示を「紙1枚」で言語化するフレームワークが紹介されています。
特に注目したいのは、指示やメッセージが伝わらないのは相手のせいではなく、自分の「言語化力」の問題かもしれないという指摘です。自分の考えを丁寧に言語化したり、相手が納得し、自ら動けるような「伝え方」を設計したりすることの重要性を実感させてくれます。
言葉の力でチームを動かしたいマネージャーにおすすめの一冊です。


同じく浅田すぐるさんの言語化本でおすすめしたいのが、『「わかる」から「動ける」まで 言葉の解像度を上げる』。ビジネスや日常のコミュニケーションにおける「ズレ」を解消するための「言葉の解像度」という視点を提示する一冊です。
「当事者意識を持って」「うまくまとめておいて」……ビジネスコミュニケーションでは、こうした「曖昧フレーズ」が飛び交っています。ですが、上司からの指示が曖昧であればあるほど、部下は何をしたらいいかわからず、動きづらくなるもの。結果として、上司が期待したアウトプットが得られません。
本書では、「『1枚』フレームワーク」によって、これらの「曖昧フレーズ」の解像度を上げて、「わかる」を「動ける」に変えることを提案しています。
上司・部下間でのコミュニケーションのズレが気になっている人に特におすすめしたい言語化本です。
「どんな本を選んでいいかわからない」「本を読む時間が取れない」「効率よくたくさんの本を読んで知識を得たい」という方は、1冊10分で読める本の要約サービス「flier(フライヤー)」を活用し、スキマ時間にインプットしてみてはいかがでしょうか。
話題の新刊から定番の名著まで、編集部が厳選したおすすめ本の要約を、ぜひチェックしてみてください。
