ロウソクの科学

未 読
無 料
ロウソクの科学
ジャンル
著者
ファラデー 三石巌(訳)
出版社
定価
520円 (税抜)
出版日
2012年06月25日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
3.5
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ロウソクの科学
ロウソクの科学
著者
ファラデー 三石巌(訳)
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定価
520円 (税抜)
出版日
2012年06月25日
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総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
4.0
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レビュー

今年のノーベル化学賞に選ばれた旭化成の名誉フェロー、吉野彰氏。彼が言及したことによって、ふたたび注目を集めた本がある。古典的名作、『ロウソクの科学』だ。

本書に収録されているのは、「ファラデーの法則」で知られるファラデーの、クリスマス講演の内容である。ファラデーは1本のロウソクを通して、科学の面白さ、自然の法則、そして人間同士や人と世界との交わりを伝えている。

読み進めていくうちに、ファラデーの講演の構成がいかに緻密か、気づくことだろう。誰もが見慣れた1本のロウソクから話を広げ、科学的な法則を少しずつ導入し、集まった少年少女たちの知識を少しずつ積み上げていく。普段当たり前のように受け入れている現象の不思議さを説き、その背景にある仕組みへ目を向けさせようとする。実験の内容は、現代の理科の実験でも採用されているものが多数含まれており、少年少女たちの心をつかむような工夫の凝らされた実験も盛りだくさんだ。幼少期に吉野氏が、本書を読んで科学のおもしろさを感じたというのも納得の内容である。

古典的名作ということもあり、現代の読者にはやや読みにくいところや、実験の内容がわかりづらく感じられるところもあるかもしれない。しかしファラデーのメッセージは、現代にも通ずるものだ。学生時代に戻ったつもりで、科学のおもしろさにいま一度浸ってみてはいかがだろうか。

池田明季哉

著者

マイケル・ファラデー (Michael Faraday)
イギリスの科学者。ロンドンの貧しい鍛冶屋の次男として生まれる。幼い頃から製本所の徒弟として働く一方で科学に興味を持ち、独学で実験等を行った。22歳で王立研究所の助手として研究を始め、後に同研究所の所長となる。ベンゼンの発見、電磁誘導の発見、電解物質における〈ファラデーの法則〉の発見など、幾多の輝かしい業績を残した。

本書の要点

  • 要点
    1
    私たちの身近にある1本のロウソクには、この宇宙を支配するすべての法則にかかわりがあると言っても過言ではないほど、たくさんの科学的な現象が起こっている。
  • 要点
    2
    当たり前だと思って見過ごしてしまうような現象にも、たくさんの不思議が隠れている。それを見つけ、考える視点を持つことが重要だ。
  • 要点
    3
    ロウソクのように周りを明るくし、人とかかわりを持ちながら、自分の義務をはたす人間になってほしい。それがロウソクを使った講演を行った著者からのメッセージだ。

要約

1本のロウソクが教えてくれること

宇宙を支配する法則を見せてくれるロウソク
Aleksandr_Vorobev/gettyimages

この宇宙を支配する法則のうち、ロウソクが見せてくれる現象に関わりがないものは1つもないくらいだ――ファラデーは講演に集まった少年少女たちにそう語りかけ、実験を始める。誰もが身近に感じられるだろうロウソクを題材に、聴衆に科学を親しみやすい形で見せようとしたのだろう。

普段何気なく目にしているロウソクだが、石油ランプと比較して燃え方を考えてみると不思議なことに気がつく。石油を油つぼにいれ、そのなかに芯をたてて火を灯す石油ランプでは、炎は芯をつたって下にいき、油の表面で消えている。考えてみれば、油自身は燃えないのに、芯の上だけは燃えるのは不思議ではないだろうか。

ロウソクではもっと不思議なことが起こっている。ロウは固体であり、液体と違って動くことができない。それなのにどうしてロウは、炎のところまで上っていって燃えることができるのだろうか。

不思議な現象に目を向け、原因を理解する

この不思議な現象について、ファラデーは次のように解説する。火をつけたロウソクをじっくりと観察してみると、ロウソクの先端部分がくぼんでいくことに気づくはずだ。あたかもきれいなカップのように。

ロウソクの周りの空気は、炎の熱で温められる。熱せられた空気は上へ動く。そうすると、ロウのヘリの部分には熱せられる前の空気が入り込み、ロウソクの中心部よりもへりの部分のほうが低温に保たれることになる。その結果、カップの内側の部分が溶ける一方で、外の周りの部分は溶けない状態になる。ロウソクの先端部分にできたカップは、規則正しい上昇気流によって形作られているのである。

しかし風によってロウが外側に流れ出したり、装飾が施されたりして不規則になったロウソクは、上昇気流が均一ではなくなり、燃え方が悪くなる。火の灯らないロウソクはいくら美しく装飾が施されていたとしても失敗作だと言えよう。

ファラデーは飾りロウソクの設計者のこのような失敗を例にあげ、やってみなければえられないような性質の教訓について、「何が原因だろうか」「何でこんなことが起きるのだろうか」と疑問を持つことの大切さを呼びかけた。

毛細管現象で上へとのぼる液体
Pat_Hastings/gettyimages

ロウソクのさらなる謎は、溶けて液体となったロウがどうやってカップから出て芯を上り、炎の燃料となることができるのかということだ。

ファラデーは食塩を使用した実験で、毛管引力(毛細管現象)について説明を行う。食塩の山と青く染めた食塩水を用意し、食塩水を食塩の皿の上へと注ぐ。すると青い液体は食塩の山をのぼり、食塩は青く染まっていったのだった。

これは管状の物体の中を液体が登っていく、毛管引力によるものだ。私たちがタオルで手を拭くことができるのも、毛管引力のはたらきによるものである。身近で当たり前に感じられるような現象でも、理由を考えてみると不思議に思えるものがある。それをなぜと考えるのは、とても重要なことなのだ。

燃焼で消えるロウソクと、新たな生成物

ロウソクはどこへ消えるのか

ロウソクは燃えるとだんだん短くなっていき、最後には姿を消してしまう。いったいロウソクはどこへ消えるのだろうか。

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サイエンス リベラルアーツ
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2012年06月25日
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