資本主義ハック

新しい経済の力を生き方に取り入れる30の視点
未読
資本主義ハック
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資本主義ハック
出版社
SBクリエイティブ

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定価
1,650円(税込)
出版日
2019年09月26日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

働く人は誰しも、「今の仕事を続けていていいのか」「仕事のタスクはあるが自分の目標がない」と考えることが少なからずあるのではないだろうか。自分の人生であるはずなのに、自分でコントロールできている感覚がない。そんなふうに感じながら生きることに辛さを感じることもあるだろう。

本書の著者は『鬼速PDCA』などのベストセラーを生み出してきた冨田和成氏だ。野村証券の元トップセールスであり、超富裕層を担当してきたプライベートバンカーでもあり、マザーズ上場のフィンテック企業の経営者でもある冨田氏は、「資本」が自分の人生のコントロールを取り戻すためのカギになるという。

私たちは資本主義社会に生きているのだから、それは自明のことであるようにも感じられるが、果たしてどれだけの人がその仕組みを本当に理解し、活用することができているだろうか。資本主義のルールを真に理解し、ルールを逆手にとったり、その穴をついたりと「ハック」することで、ルールを自分のために利用するという視点を持てるようになると著者は主張する。

本書では、資本主義をハックするための30の視点として、資本について理解を深め、自分の資本を増やす方法が具体的に紹介されている。資本とうまく付き合うことができれば、本当にやりたいことに時間やお金を投入できるようになるだろう。著者の言葉を借りれば、資本主義とは、あなたのためにあるのである。

ライター画像
池田明季哉

著者

冨田 和成(とみた かずまさ)
株式会社ZUU代表取締役。神奈川県出身。一橋大学在学中にIT分野で起業。2006年大学卒業後、野村證券株式会社に入社。本社の富裕層向けプライベートバンキング業務、ASEAN地域の経営戦略担当等に従事。2013年3月に野村證券を退職。同年4月に株式会社ZUUを設立し代表取締役に就任。金融経済メディア「ZUU online」を含む資産運用の総合プラットフォーム運営、月間訪問者数は650万人を超える。金融機関や不動産業界のフィンテック化の推進支援や企業に対して鬼速PDCAシステムを導入する鬼速PDCAエンジニアリング事業を展開。監査法人トーマツ主催「日本テクノロジー Fast50」にて2年連続上位受賞(2016年度日本1位・アジア太平洋地域8位、2017年度日本3位)。2018年6月、設立約5年で東京証券取引所マザーズ市場に上場。著書に『大富豪が実践しているお金の哲学』『鬼速PDCA』『営業 野村證券伝説の営業マンの「仮説思考」とノウハウのすべて』(クロスメディア・パブリッシング)、『プライベートバンクは、富裕層に何を教えているのか?』(ダイヤモンド社)、最新刊『稼ぐ人が実践しているお金のPDCA』(KADOKAWA)等。

本書の要点

  • 要点
    1
    自由に生きたいならば、お金を貯めようとするだけではなく、「資本」を増やすことを考えるべきだ。
  • 要点
    2
    人的資本、金融資本、固定資本、事業資本のそれぞれの特性を知り、ハックすることで、爆発的に資産を増やすことができる。
  • 要点
    3
    リターンの大きさを求めると、最後は事業資本に行き着く。起業に関しては、事前準備を怠らなければリスクを最小化できるし、チャンスをモノにできれば、青天井の成長が目指せる。

要約

資本主義のしくみを理解する

「資本」を増やして自由に生きる
bluejayphoto/gettyimages

何ものにも支配されず、自分の人生をコントロールして生きるには、「資本」についての理解が欠かせない。資本とは、教科書的にいえば、「価値を生む仕組み」のことをいう。新しい商品を作り出す工場や、工場を会社という存在を通して所有するための「株」もまた、資本のひとつである。

あなた自身もまた、資本(人的資本)だ。あなたは、荷物を運ぶ、書類を作る、誰かに知識を教えるなどといった仕事を通して、他の人や社会に対して価値を「生産」している。そして、その役割を果たすほどにお金と時間が手に入り、人生における選択肢や行動範囲が格段に広がるというわけだ。

資本には、人的資本のほか、株や債権といった「金融資本」、不動産や車などの「固定資本」、会社組織やビジネスアイデアといった「事業資本」がある。こうした資本をうまく組み合わせると、一人では到底なし得ないような金銭や幸福を得られる。そのため、自由に生きたいならば、お金を貯めようとするだけではなく、「資本」を増やすことを考えるのも重要だ。

お金・時間・資本をループさせる

好きなことをやるための障害になりがちなのは、時間とお金だ。ワークライフバランスの重要性が指摘されて久しいにもかかわらず、それが実現しているように思えないのは、多くの人が「ワークとライフ」「お金と時間」をトレードオフの関係で見ているからだろう。ここでもまた、資本が重要になってくる。

たとえば、10万円の食洗機という資本に投資したとしよう。すると毎日皿洗いにかかっていた30分が浮くようになり、その時間でパートに出ることができる。3ヶ月もすれば10万円分を稼ぐことができ、その後は食洗機が壊れるまで、それまで皿洗いに費やしていた時間を空き時間に換えられる。

このように、お金や時間を資本という形に変えて増やしていくと、さらに多くのお金が手に入り、そのお金を使って時間を買うことができる。お金と時間の2者で考えるのではなく、そこに資本を組み合わせて3者のループで考えれば、一気に状況が改善されていく。これが資本主義社会における基本的な考え方だ。

個人資本主義の生き方
wutwhanfoto/gettyimages

資本主義社会はこれまで3つの段階を経験してきた。国同士が富を争う「国家資本主義」、イノベーションを起こす企業が人類に新しい道を切り拓く「企業資本主義」、そして今日到来した「個人資本主義」だ。

情報革命が起こった今、誰でも売上を上げることができるようになった。企業を経営するかのように、個人が自分の人生を経営する時代になったのだ。

この時代に欠かせないのが、「資本」の存在だ。これまで会社に時間を切り売りしてお金を稼いでいた状態から、クラウドソーシングや家事代行サービスなどの新しいシステムを使って個人がお金を生み出したり、お金で時間を買ったりすることができるようになった。つまり、自分の時間を売らなくてもお金が生まれる「仕組み=資本」を所有し、もっとイノベーティブな仕事や投資に時間を使うことができるのだ。

アービトラージでマネーゲームを制する

アービトラージとは何か

「会社のために猛烈に働くより、自分の時間を大切にしたい」という人もいるかもしれない。だが、お金の心配をせず、本当に好きなことだけで暮らしたいなら、結果を残して資本を増やさなければならない。

資本主義のゲームに勝つには、

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要約公開日 2020.01.05
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