ぼくらの仮説が世界をつくる

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ぼくらの仮説が世界をつくる
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ぼくらの仮説が世界をつくる
出版社
定価
858円(税込)
出版日
2021年04月15日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

著者は10年間、出版社のマンガ雑誌の編集部で、おもしろいマンガ、小説、ノンフィクションを生み出すために、編集者として働いてきた。

三田紀房『ドラゴン桜』、小山宙哉『宇宙兄弟』、安野モヨコ『働きマン』、伊坂幸太郎『モダンタイムス』、平野啓一郎『空白を満たしなさい』などが、著者が編集者として関わった代表作である。

著者はまた、日本では稀な作家エージェント会社「コルク」を立ち上げた起業家でもある。これは情報環境の変化に伴って不況になったと言われる出版業界の中で、作品について誰かと語りたい、体験を共有したいというニーズに注目して作られた、コミュニティを育てることを中心とした会社だ。この本は、そんな著者が編集者として、そして経営者として考えてきたことをまとめたものである。

ビジネスの世界で結果を出そうとすると、論理的に考えれば考えるほど、結局は過去に成果を出したものの焼き直しになってしまいがちだ。けれど、本当に価値のある新しいアイディアは、決して過去からは生まれてこない。そんな当然のことを、我々は忘れてしまいがちだ。

編集者は、ビジネスとして成果を上げることが重要な仕事のひとつだが、一方でどんなコンテンツがヒットするのかを、前例から導き出すことはできない。そんな世界で多くのヒット作を生み出し作家に寄り添う著者の考え方からは、まだこの世界に存在しない価値を生み出す方法を学ぶことができるだろう。

ライター画像
池田明季哉

著者

佐渡島庸平(さどしま ようへい)
株式会社コルク代表取締役社長。編集者。
1979年生まれ。中学時代を南アフリカ共和国で過ごし、灘高校に進学。2002年に東京大学文学部を卒業後、講談社に入社し、「モーニング」編集部で井上雄彦『バガボンド』、安野モヨコ『さくらん』のサブ担当を務める。03年に三田紀房『ドラゴン桜』を立ち上げ。小山宙哉『宇宙兄弟』もTVアニメ、映画実写化を実現する。伊坂幸太郎『モダンタイムス』、平野啓一郎『空白を満たしなさい』など小説も担当。
12年10月、講談社を退社し、クリエイターのエージェント会社・コルクを創業。インターネット時代のエンターテイメントのあり方を模索し続けている。コルクスタジオで、新人マンガ家たちと縦スクロールで、全世界で読まれるマンガの制作に挑戦中。

本書の要点

  • 要点
    1
    まず情報を集めてしまうと、過去から生まれたアイディアしか出てこない。先に自分の日常生活の感覚から「仮説」を立て、それから情報を集め仮説を補強していくようにすることが大切だ。
  • 要点
    2
    「仮説」とは「新しい定義」のことである。なんにでも「宇宙人視点」で素朴な疑問を持つことで、物事の本質を見る習慣をつけるようにしよう。
  • 要点
    3
    仕事は常に、他の仕事と繋がっていく。目の前の仕事に取り組むだけではなく、その仕事がどうやってゴールの達成まで連鎖していくのかを見通すことが必要になる。「倒すべきドミノの最初の1枚」を見定めよう。

要約

【必読ポイント!】 ぼくらの仮説が世界をつくる 革命を起こすための思考アプローチ

「仮説を立てる」の本当の意味
metamorworks/gettyimages

編集者にとっても作家にとっても、あるいはすべてのビジネスにおいても、結果を出すというのは重要なことだ。作品が思うように売れなくても、「作家も編集者も営業も頑張ったのに、残念だったね。さあ、次の作品で頑張ろう」という場合がほとんどだ。ヒット作はいつも「予想外」のものばかり。ヒット作を狙ってつくることは、不可能なのだろうか。

著者は「仮説・検証」の作業を意識して繰り返すことで、ある程度「ヒット作を生み出す」ことができるようになったという。

念頭に置いているのは、「仮説を先に立てる」ということだ。当たり前のことだ、と思うかもしれない。しかし実際にはそうではない。ほとんどの場合、「情報を先に見て」、それから仮説を立ててしまうからだ。

経営をしていると、決算の数字を見ながら、来期の売上のことを考えるようになる。しかし決算という過去の情報をもとに来期をイメージして仮説を立てても、今期の延長線上にあるアイディアしか思いつかない。そうなると、たとえベンチャーであっても「前例主義」に陥ってしまう。

では、どうすればいいのか? 仮説を立てるときには、誰でも得られる過去の数字のデータではなく、「日常生活の中で、なんとなく集まってくる情報」そして「自分の中にある価値観」を大切にすべきだ。

そうして立てた仮説を補強・修正するために、情報を集めるという順番にすることが重要だ。「情報→仮説→実行→検証」ではなく「仮説→情報→仮説の再構築→実行→検証」という順番で思考することで、現状に風穴を開けることができる。

「仮説」とは「定義」である

「仮説を立てよう」と言われても、これまでやったことがない人は、なにをどうすればいいのかわからないかもしれない。そんなときは、「仮説を立てる」を、「定義しようと試みる」という言葉に置き換えて考えてみよう。

たとえば、「売れる」とはどういうことだろうか。単にたくさん売れるのか、作家の知名度の向上か、海外での評価か、何年経っても残る作品を生むことか。また「売れている」作品はいったいなぜ売れているのだろうか。ひとくちに「売れる」といっても、簡単に定義することはできない。いったいどういう作品が「売れる」作品なのか、自分なりの答えを出そうとすることは、「定義」を考えることに他ならない。こうした定義を問い直す訓練を日常的に積むことで、自分なりの仮説を生むことができるようになる。

マンガとしても、「いい作品」は「新しい定義」を生み出している。たとえば『ドラゴン桜』は教育を再定義し、受験勉強をすることの意義を捉え直した。『働きマン』は、プライベートを充実させてそこそこ働く、という世間の空気に対して、「必死にボロボロになるまで働く人はかっこいい」という働き方の再定義を行った。『宇宙兄弟』は、宝塚やジャニーズ、AKB48などをヒントに、「真の友情」や「濃密な絆」をテーマにしたマンガにすればヒットするだろうという仮説を立てた。

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