アサーティブ・コミュニケーション

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出版社
日本経済新聞出版

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出版日
2022年07月19日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

「心理的安全性のある組織やチームをめざそう」。それにはもちろん同意だが、実際には、小さなモヤモヤを含めると、職場でのコミュニケーションの悩みは尽きない。建設的な関係性を築くためには、どうしたらいいのか。そんな課題意識をもったときに役立つのが、本書のテーマ「アサーティブ・コミュニケーション」だ。

著者はコミュニケーションの研修・講演歴約30年というキャリアの持ち主だ。本書では、前著『アンガーマネジメント』のエッセンスを絡めながら、相手も自分も大切にした表現方法を教えてくれる。

紹介される事例は、ビジネスの現場で「あるある」と思えるケースばかり。攻撃的な人と対話するとき、理不尽なクレームをいわれたとき、繊細な人に注意を促すときなど、実に多彩だ。要約者は、「あのときは波風を立たせまいと、肝心の点を伝えられていなかった」などと、自身を振り返り、希望が見えてきた。セルフロープレを重ねて場数を踏めば、アサーティブな表現を習得できると、著者は背中を押してくれる。

本書の魅力は、コミュニケーションの方法論だけでなく、その根底にある「人との向き合い方」についても学べる点だ。何より「他者の靴を履く」ことの大切さに気づかせてくれる。アサーティブな表現を習慣化していけば、少しずつ職場の心理的安全性も高まっていくのではないだろうか。新入社員から管理職・役員まで、気持ちのいい人間関係を築きたい方に本書をおすすめしたい。

ライター画像
松尾美里

著者

戸田久実(とだ くみ)
アドット・コミュニケーション株式会社代表取締役、日本アンガーマネジメント協会理事
立教大学文学部卒業後、株式会社服部セイコー(現・セイコーホールディングス株式会社)勤務を経て2008年にアドット・コミュニケーション株式会社を設立。銀行・生保・製薬・通信・総合商社など大手民間企業や官公庁で「伝わるコミュニケーション」をテーマに研修や講演を実施。1on1 のコンサルにも対応し、対象は新入社員から管理職、役員まで幅広い。講師歴は29 年。

本書の要点

  • 要点
    1
    組織の心理的安全性を実現させるうえで、相手も自分も大切にした自己表現である、アサーティブ・コミュニケーションが重要視されている。
  • 要点
    2
    アサーティブな表現ができるようになるには、相手の話を復唱できるくらいに傾聴すること、コミュニケーションのゴールが何であるかを見直すことが有効だ。また、「無意識の思い込み」であるアンコンシャスバイアスに気づくことも重要となる。

要約

アサーティブ・コミュニケーションとは

なぜアサーティブ・コミュニケーションが重要なのか

日本企業では、組織の生産性を上げるために、心理的安全性に注目が集まっている。心理的安全性を実現させるためには、対等な関係性の環境をつくることが大切となる。また、リモートワークで上司と部下との1on1が増えてきた。1on1でも、互いに伝えたいことを対等な目線で伝え合う必要がある。

こうした背景のもとで求められるのが、相手も自分も大切にした自己表現である、アサーティブ・コミュニケーションだ。アサーティブ・コミュニケーションに基づいたマインドやスキルを身につけると、互いの意見が違っていても、「相互尊重」と「相互信頼」をもとに建設的に議論できるようになる。

3つの自己表現
emma/gettyimages

自己表現には3種類ある。1つめは、相手を抑えて自分のことを通す「攻撃的な自己表現」である。自分が優位に立つために相手をコントロールしようとする。例えば、部下や後輩を叱るときに感情的に怒鳴ったり、思い通りにいかないときに八つ当たりをしたりするという具合だ。これでは相手は萎縮し、反発心を抱いてしまう。

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要約公開日 2023.01.20
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