南アフリカ・ケープタウン郊外の自然豊かな集落。ステラはそこに住む25人の大人の1人で、40人の子どもの母親だった。人類学を専攻するアメリカ人学生、ケリー・ジョンソンは、食品に関する調査研究の際に彼女と出会い、ステラの食事を30日間続けて追跡した。
ステラは毎日多様な食品を摂り、その種類は90近くに及んだ。彼女の食事はその時々で自分が食べたいものを選んでいるように見えたが、ケリーはある重要な発見をした。それは、ステラの食事の栄養が毎日「タンパク質1に対し、脂肪と炭水化物が5」という、固定的なバランスを保っていたことだ。この比率は、彼女の体格の女性にとって最も健康的であることが実証されている。
「ステラは栄養の専門家だったのだろう」と考える人もいるかもしれない。しかし、驚くべきことにステラは人間ではなく「ヒヒ」だった。人間の近縁である野生のヒヒが、どのように自分にとって「正しい食事」を知り得たのだろうか。
動物は自分にとって最適な食べ物をどのような基準で選んでいるのだろうか。また、もし何らかの理由で最適な食べ物を摂れなかった場合は、どうするのだろうか。
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