「本日まで半額!」「2個まとめて○割引」という表示を見て、つい買ってしまうことはないだろうか。しかし「安いから買う」のは、実はいちばんの無駄遣いだ。「安いから」と買った服は袖を通さずに眠っている、食品は食べきれずに賞味期限が切れてしまった……ということもあるだろう。
賢いお金の使い方をしている人は、「いまの自分にとって必要か」「ほんとうに気に入っているか」で判断している。そのため、どんなに価格が安くても手を伸ばさないし、じっくり吟味して買い物をしている。
買うかどうか迷ったとき、著者は「迷う理由が値段なら買う、買う理由が値段なら止めておく」と決めている。少々高くても、ほんとうに欲しくて買ったものには“愛”がある。使うたびに気分が上がるし、大切に使おうという気にもなるからだ。
買うときは「値段で選ぶ」のではなく、「ほんとうに必要なもの、気に入ったものを選ぶ」ことが、お金と仲良くつき合っていく基本である。
「世界一貧しい大統領」と呼ばれたウルグアイのムヒカ元大統領は、2012年の地球サミットで「物を買うというのは、稼いだ金ではなく労働した時間で買っている」とスピーチし、現代の経済発展のあり方に一石を投じ、ライフスタイルの見直しを提言した。
著者はその考え方に共感し、元大統領の妻で国会議員のルシア・トポランスキーさんを取材した。収入のほとんどを慈善団体に寄付し、農業をしながら質素に暮らしている夫妻の姿を見て、「むやみに欲しがらないことは品格で、時間や心の自由を手に入れること」だと思うに至った。
著者はそれ以来、「支払うお金」を「働いた時間や労力」に換算するようになった。たとえば、時給1000円の人が1万円のものを買うとしたら10時間かかる。「この商品にそれだけの価値があるか」と考えると、無駄遣いせず、「人や自分を幸せにすることに使いたい」と思うようになるはずだ。
「買う行動」は習慣である。お金の不安をなくすためには、「買わない習慣」をつけることが先決だ。その方法のひとつとして「必要なものが出てきたら買い物に行く」というものがある。
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