「指示通り」ができない人たちの表紙

「指示通り」ができない人たち


本書の要点

  • 指示通りに動けない人は、認知能力が欠けている可能性がある。このような人たちへの対応策の一つは、指示内容を分割して、対応すべき順を紙に書き出して渡すことだ。

  • 何度も同じようなミスを繰り返す人はメタ認知に問題があると考えられる。ミスをしたときに「何がいけなかったんだろう?」「今後どういうことに気をつける必要があるだろうか?」などと自問自答する習慣づけを促すとよい。

  • すぐ感情的になってしまう人の多くは、非認知能力の一つである「自分の感情をコントロールする力」が欠如している。まずは感情的になることのデメリットを伝えよう。

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【必読ポイント!】 認知能力の改善が必要な人

指示したことができない

FreshSplash/gettyimages

指示をされても、その通りに動けない人がいる。典型的なケースを紹介したい。ある日、上司が部下に「顧客データを入力しておいて、終わったらシュレッダーにかけて」と指示した。するとその部下はいきなり顧客データをシュレッダーにかけようとし、それに気づいた上司が慌てて止めることとなった。また、他の部署から頼まれた仕事をその部下に任せ、できあがったら依頼元の部署に持っていくよう指示しておいた。すぐに終わるような仕事だったが、半日経っても依頼元の部署には届いておらず、催促されてしまった。部下に問いただすと、「作業はだいぶ前に終わってるけど、その部署に持って行けとは言われていない」と譲らない。このようなことが続いたため、周囲は「試用期間のうちに辞めてもらうしかないだろう」と言う。だが本人はまじめに働いているため、簡単に切り捨てる気にはなれない――。このケースにおいて、部下がうまく対応できなかった原因は2つ考えられる。まず一つは、複数の指示を一度に理解するのが困難だということだ。「顧客データを入力しておいて、終わったらシュレッダーにかけて」という指示は、厳密にいうと、「顧客データの入力を頼む」と「入力が終わったらシュレッダーにかけて」という2つの指示で構成されている。このような指示に混乱してしまう人には「顧客データの入力→入力が終わったらシュレッダーにかける」と記した紙を渡し、まずはデータ入力に集中してもらうのがよい。指示の流れを記憶にとどめておくことさえできれば、問題なく仕事を遂行できるだろう。

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要約公開日 2024.08.27
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