はかどる技術

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出版社
フォレスト出版

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出版日
2024年06月06日
評点
総合
3.3
明瞭性
3.5
革新性
3.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

自分の時間をうまく使えていない、仕事の効率が悪い、資格試験の勉強が進まない、人づきあいが苦手、納得のいく人生設計と資産形成計画ができていない……これらはそれぞれ独立した悩みに見えるが、本書によると実はすべて「滞り」が原因だという。

本書の著者、鈴木邦成氏は物流エコノミストとして、大学で研究室を持ったり、物流関連企業と共同研究したりしている、「物流・ロジスティクス」領域のプロフェッショナルだ。鈴木氏は学生やビジネスパーソンと交流する中で「物流の視点からのアドバイスは、人の悩みの滞りをなくす共通点が多い」「学生・社会人問わず、悩みのほとんどは『滞りをなくす』という視点から物流のセオリーを当てはめていくと、解決できる」と気づいたのだという。本書ではその気づきのもと、時間・仕事・勉強・人づきあい・人生設計とお金の「滞り」をなくすためのアドバイスが詰め込まれている。

どれも目からウロコの指摘・アドバイスばかりだが、特に多くの人を驚かせるのは「『早起きは三文の徳』はウソだから早朝に期待するな」だろう。起床後すぐは集中しづらいものだし、特定の時間帯に期待しすぎると、うまくいかなかったときの挫折感が大きくなるからだそうだ。要約者自身、ドキリとさせられる指摘だった。

努力しているのにうまくいかないのは、もしかすると「滞り」のせいかもしれない。本書を読んで、「滞り」の解消に目を向けてみてはどうだろう。

著者

鈴木邦成(すずき くにのり)
物流エコノミスト、日本大学教授。一般社団法人日本ロジスティクスシステム学会理事、電気通信大学非常勤講師(経済学)。専門は物流およびロジスティクス工学。物流改善などの著書、論文多数。
普段から学生やビジネスパーソンから専門分野に関する相談を受ける一方で、就職、転職、資格試験の勉強方法、職場での時間管理や人づきあいなど、幅広い悩みについても意見を求められるという。そうしたやりとりのなかで、物流・ロジスティクス工学の知見を、「仕事や人生の滞りをなくす」という視点から悩みに当てはめることで、思いがけない解決策を導けることに気づく。本書には、そのロジックがふんだんに盛り込まれている。
主な著書に『トコトンやさしい物流の本』『入門 物流(倉庫)作業の標準化』『トコトンやさしいSCMの本』(いずれも日刊工業新聞社)、『シン・物流革命』(中村康久氏との共著、幻冬舎)、『物流DXネットワーク』(中村康久氏との共著、NTT出版)などがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    勉強や仕事を効率的に進めるには、時間のメリハリが重要だ。適切に休憩をとり、集中力の滞りを解消しよう。
  • 要点
    2
    滞りを解消するという観点から考えると、現状や進捗を報告する定例会議は、月曜日の午前中に入れるべきではない。最適なタイミングは金曜日の夕方だ。
  • 要点
    3
    誰かから相談を持ちかけられたら、可能な限り力になってあげよう。相手の困りごとを解決することが、自分の「滞り」の解消にもつながる。

要約

【必読ポイント!】 時間の滞りを解消する

早朝や週末に期待しすぎない

「時間の滞りを解消する」という観点からすると、「朝早く起きて勉強する」「週末に積み残してきた仕事をまとめてやる」といったように、ある特定の時間帯に集中して仕事や勉強をしようとするのは賛成できない。その時間帯に期待を寄せるあまり、計画通りにできなかった場合に落ち込んでしまうからだ。

特に朝活に期待しすぎるのは危険である。「早起きは三文の徳」「朝の時間はゴールデンタイム」という言葉を真に受けて試してみたものの、継続できず、挫折感を覚えたことのある人は多いだろう。

だが、朝活が思い通りに進まないのは当たり前だ。そもそも人間は、体の仕組み上、起床後4時間から6時間経ったころがもっとも効率よく仕事に取り組めるようになっている。眠気に負けて何もできなかったとしても、自分を責める必要はない。

スケジュールを細かく決めない
Doucefleur/gettyimages

必要以上に細かく予定を立てることも、効率的だとはいえない。何事も予定通りに進むのはせいぜい3時間程度であって、何らかの理由によって予定変更を余儀なくされるものだからだ。

予定変更の可能性を考慮しつつ、常に計画は柔軟に立てよう。修正がきくよう、シナリオAだけでなく、シナリオB、シナリオCも用意しておくのがいいだろう。

スケジュールは細かく設定しすぎず、状況に応じて常に見直すことが、「時間の滞り」をなくすコツだ。

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要約公開日 2024.09.30
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