論理的思考とは、物事を筋道立てて考え、結論を導き出すためのスキルである。感情や直感に頼るのではなく、明確な根拠に基づいて判断を行う。「なぜその結論に至ったのか」を説明できることが、論理的思考の基本である。
論理的思考の最大の利点は「物事を明確化する力」である。たとえば売上が振るわないときに、「努力します」と言うだけでは問題は解決しない。しかし、売上低迷の原因を「顧客数が減っているから」「単価が下がっているから」と分解できると、具体的な解決策が講じられる。
論理的思考を鍛えるには、日常的に「なぜ?」という視点を持つことが重要だ。ニュースを見たら「なぜこの政策が批判されているのか?」と問い、それに対する根拠を探す。このような思考を繰り返すことで、筋道立てて考える力が身についていく。
既存の考え方や固定観念に縛られず、白紙の状態から物事を再構築する思考法を「ゼロベース思考」と呼ぶ。従来の方法や常識を一度“ゼロ”に戻し、「もし何の制約もなかったらどうするか?」と問い直すアプローチである。
ゼロベース思考は、3つのステップで実践する。第一に、現在の方法が本当に最適なのかを見直す。次に「もし制約がなければどうするか?」と考え、理想的な形を思い描く。最後に、それを現実に落とし込む手段を探る。思い描いた理想を実現するため、必要なステップやリソースを明確にしていくのである。
ゼロベース思考は、多様な問題解決に活用できる。次に、一例を紹介しよう。ある小売業者は、物流コストの増加に頭を悩ませていた。これまでは「効率的な配送ルートの設計」や「トラックの積載率向上」など、既存の枠組み内で改善を試みていたが、大きな成果は得られなかった。
3,400冊以上の要約が楽しめる