私たちは、複雑系システムの中に存在している。物事は予定通りに進まないという前提のもと、不測の事態に備えなければならない。
世界的な物理学者スティーブン・ホーキング博士は、知性とは変化に適応する能力だと語った。なぜ適応が重要なのか。それはすべての変化の予測が不可能であるうえに、適応しないと生き残れないからだ。
私たちが直面する問題には、技術的問題と適応課題がある。前者は問題が明確で、解消するための答えも明らかな問題を指す。一方、適応課題は、問題の所在自体が必ずしも明らかではなく、当事者の考え方や習慣の根本的な変化が必要な問題を意味する。大事なことは、適応課題を技術的問題のように扱ってはいけないという点だ。
適応型リーダーシップとは、組織や企業が環境の変化に対応し、適応行動を円滑に行うために、個人が周囲に与える影響力そのものである。これは役職の有無に関係なく、思いを持つ者であれば誰しもが発揮可能な力とされ、チームや組織の目標達成に寄与する。適応型リーダーシップは、明確な方向性を示しつつ周囲を巻き込み、柔軟に問題解決を図りながら成果を生み出すスタイルである。
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