正確なカウントは難しいが、日本にあるYouTubeチャンネルの総数は10万を超えているといわれる。その中で自分のチャンネルを成長させていくには、相応の才能やスキルをもって、真似できない強みや個性を打ち出していくことが必須である。
歌が上手い、企画の立て方が上手い、などはわかりやすい例だ。あるいはこれまでに就いてきた特殊な職業などがあれば、それを前面に打ち出してもよい。重要なのは、他にないというところだ。たとえば現役女子高生や女子大生といった特徴は、一定のブランドにはなるものの、有効期限が短く、同じ体験をしている人の数も多い。
著者にコンサルを頼む人の中には、「自分の隠れた才能を見つけてほしい」という人が少なくないが、本人が気づいていない強みを初対面の人が見つけられるということはほとんどない。他の人が見てわかるような強みであれば、本人も自覚しているはずだからだ。強みは自分自身で見つけるか、なければ作り出す必要があると認識しよう。
実際のところ、多くのVTuberはとくに強みのない状態で活動を始める。普通の家庭に生まれ、中学校に通い、高校を卒業して、大学に進学したり就職したりする――そんな普通の人をどうプロデュースしてチャンネルを成長させるかが、プロデューサーの腕の見せどころだ。事務所に所属していない「個人勢」であれば、プロデューサーとは自分自身に他ならない。自分をどのように輝かせていけば他のチャンネルに埋もれない強みを持つことができるのかを考えていこう。
おすすめなのは「今後、どういった強みを持ちたいか?」という点を決め、そこに至る過程をコンテンツにしていくことだ。将来的に武道館で歌えるくらい歌が上手いVTuberになりたいのなら、今はそこまで上手くなくても、歌にフォーカスしたチャンネルにする。麻雀のルールを知らなくても、だんだん強くなっている過程を見せれば麻雀系VTuberは成立する。多くの人に共感され、ほかのVTuberが持っていないものであれば、なんでも強みになりうる。途中で変えることもできなくはないが、できればチャンネルの方向はひとつに定まっていることが望ましい。活動開始前にしっかり決めておくとよいだろう。
強みが決まれば、そのチャンネルがどのようなものであるかというブランディングを明確にしていく。そうすれば、どのようなコンテンツを作っていけばいいかはおのずと明らかになっていくだろう。
YouTubeには大きく分けて3つのコンテンツのタイプが存在する。もっとも基本となる横型の「動画」、縦型で3分以内の「Shorts(ショート)」、そしてリアルタイムで発信を行う「配信」である。
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