著者の投資対象は、すべて米国株である。米国株が投資対象として最強である理由は、次の4つである。
(1)経済のファンダメンタルズが強い
国や企業などの経済状況を示す指標「ファンダメンタルズ」の観点からみると、米国は圧倒的に強い。国の経済規模を測るGDP(国内総生産)は、1994年から30年で約2倍に伸びている。
これには、高い出生率と移民流入による労働人口の増加の影響がある。労働人口が増えると経済活動の担い手が増えるため、GDPの成長につながるのだ。
(2)政治的な安定感・金融政策の感応度
新興国と比較して、アメリカの政治が安定しているのも理由のひとつだ。アメリカには民主主義が根付いており、4年ごとに平和的に政権交代が行われている。また、アメリカ経済には「金融政策と財政政策に対する感度が高い」という側面がある。政策の影響がすぐに経済に表れるため、動向を注視していれば、株式投資で利益を得やすい環境なのだ。
(3)イノベーションを生み出す企業群
アメリカにはIT業界を中心に、イノベーションを生み出す優れたグローバル企業が集中している。またアメリカ企業は研究開発費が多く(日本の3倍以上)、それも企業の強さを下支えしている。
(4)株主への情報公開と利益還元
米国企業には、投資家に対する詳細な情報公開が義務付けられている。そのため、企業の現況や将来性の分析が容易であり、アナリストによる分析レポートも簡単に手に入る。
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