精神科医が教える 休みベタさんの休み方
精神科医が教える 休みベタさんの休み方
精神科医が教える 休みベタさんの休み方
出版社
出版日
2025年08月27日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

常に仕事に追われ、思うように休めていない人は少なくないだろう。要約者も休むのが苦手で、休日でもつい仕事をしてしまうことがある。休むと「周りに置いていかれるのではないか」と焦りを感じ、心が落ち着かないのだ。頭では休んだほうがいいとわかっていても、いざ休もうとすると仕事のことが頭から離れない。

本書は、そんな状態に陥っている人にとって心強い一冊である。著者は精神科医・産業医の尾林誉史氏だ。医師になる前はリクルートで働いていた元ビジネスパーソンであり、「休みたいけれど休めない」という会社員の気持ちをよく理解している。そのため、ただ「休みましょう」と促すのではなく、状況や心理状態に応じた“適切な休み方”を示してくれる。

とくに印象的だったのは、「完全に休むのではなく、仕事のスピードを落とす」というアプローチだ。仕事が気になって休めないという人は多いが、少しスピードを落とすだけでも「休む」ことにつながるという。この方法を要約者も試したところ、「この業務は思ったより早く終わりそうだ」「これは優先しなくてもいい」と現状を俯瞰でき、心にも余裕が生まれた。そして少しずつ休めるようになり、休むことでむしろ仕事がうまく回ることを実感できた。

休むことに不安を覚えるビジネスパーソンは多い。しかし、無理を続ければ体調を崩し、働けなくなる可能性もある。元気に働き続けるためにも、本書を一読し、仕事のペースを見直してみてはいかがだろうか。

ライター画像
尾倉直弥

著者

尾林誉史(おばやし たかふみ)
精神科医、産業医。VISION PARTNERメンタルクリニック四谷院長。
東京大学理学部化学科卒業後、株式会社リクルートに入社。社内外や年次を問わず発生するメンタル問題に多数遭遇。解決に向けて付き添う中で目にした産業医の現状に落胆するも、とあるクリニックの精神科医の働き方に感銘を受ける。
2006年、産業医を志し退職。退職後、弘前大学医学部に学士編入。産業医の土台として精神科の技術を身につけるため、東京都立松沢病院にて初期臨床研修修了後、東京大学医学部附属病院精神神経科に所属。
現在はnоte、面白法人カヤック、ジモティーなど23社の企業にて産業医およびカウンセリング業務を務めるほか、メディアでも精力的に発信を行っている。共著に『企業は、メンタルヘルスとどう向き合うか―経営戦略としての産業医』(祥伝社)、単著に『先生!毎日けっこうしんどいです。元サラリーマン精神科医がみんなのモヤモヤに答えてみた』(かんき出版)、『元サラリーマンの精神科医が教える 働く人のためのメンタルヘルス術』(あさ出版)などがある。漫画『群青のカルテ』(小学館)の監修も務めている。

本書の要点

  • 要点
    1
    「疲れ」は気持ちの問題ではなく、脳・心・体の不調が複雑に絡み合った心身の反応である。仕事での疲れを対処するには、一人ひとりに合った働き方や休み方を探すことが大切だ。
  • 要点
    2
    「休む」ことに抵抗があるなら「余裕を作る」と考えるといい。
  • 要点
    3
    仕事から離れることが難しいなら、仕事のスピードを落としてみよう。冷静に状況を把握できるようになり、心に余裕が生まれるだろう。
  • 要点
    4
    人間関係で必要以上に振り回されないためには、「折り合いがつかない相手」「わかり合えるかもしれない相手」「こちらのためを思ってくれる相手」の3タイプに分けて対応するといい。

要約

「疲れ」のメカニズム

疲れは「気持ちの問題」ではない

仕事や人間関係で感じる「疲れ」は、「気のせい」や「気持ちの問題」ではなく、実際に脳や心身に悪影響を及ぼしている。

過度なストレスが続くと脳は「神経伝達物質」をうまく作れなくなる。その結果、「気分がさえない」「落ち込みやすい」「憂鬱」といった心の不調が生じるのだ。具体的には、次の神経伝達物質が不足すると、メンタル不調に陥りやすくなると言われている。

・セロトニン:不足すると、不安やイライラが強くなる

・ノルアドレナリン:不足すると、無気力で集中力が欠ける

・ドーパミン:不足すると、感情が鈍くなり意欲がなくなる

さらに、脳がダメージを受けると自律神経も乱れてしまう。自律神経は、呼吸や体温調整などを担っている「体の維持機能」である。これが乱れると、心だけでなく体の不調もあらわれる。

つまり「疲れ」とは、脳・心・体の不調が別々に生じているのではなく、複雑に絡み合った一つの反応なのである。

「考え方のクセ」を見直す
wakashi1515/gettyimages

疲労した脳を回復させるには「考え方のクセ」を見直す必要がある。単に休むだけでは、根本的な回復は期待できない。なぜなら、「寝て休む」こと自体が意外と難しいからだ。

寝ようとしても余計なことを考えてしまい、現状や将来への不安で目がさえて眠れなくなる。思考が悪循環を繰り返し、休むどころか疲れを蓄積してしまう。「このまま間に合わなかったらどうしよう」「仕事が終わらない私はダメな人間なんだ」「こんな自分は周りにどう思われるだろう」。こうしたネガティブな思いが頭の中をぐるぐる回り始めると、抜け出すのは簡単ではない。

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要約公開日 2025.11.11
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