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精神科医が教える 休みベタさんの休み方の表紙

精神科医が教える 休みベタさんの休み方


本書の要点

  • 「疲れ」は気持ちの問題ではなく、脳・心・体の不調が複雑に絡み合った心身の反応である。仕事での疲れを対処するには、一人ひとりに合った働き方や休み方を探すことが大切だ。

  • 「休む」ことに抵抗があるなら「余裕を作る」と考えるといい。

  • 仕事から離れることが難しいなら、仕事のスピードを落としてみよう。冷静に状況を把握できるようになり、心に余裕が生まれるだろう。

  • 人間関係で必要以上に振り回されないためには、「折り合いがつかない相手」「わかり合えるかもしれない相手」「こちらのためを思ってくれる相手」の3タイプに分けて対応するといい。

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「疲れ」のメカニズム

疲れは「気持ちの問題」ではない

仕事や人間関係で感じる「疲れ」は、「気のせい」や「気持ちの問題」ではなく、実際に脳や心身に悪影響を及ぼしている。

過度なストレスが続くと脳は「神経伝達物質」をうまく作れなくなる。その結果、「気分がさえない」「落ち込みやすい」「憂鬱」といった心の不調が生じるのだ。具体的には、次の神経伝達物質が不足すると、メンタル不調に陥りやすくなると言われている。

・セロトニン:不足すると、不安やイライラが強くなる

・ノルアドレナリン:不足すると、無気力で集中力が欠ける

・ドーパミン:不足すると、感情が鈍くなり意欲がなくなる

さらに、脳がダメージを受けると自律神経も乱れてしまう。自律神経は、呼吸や体温調整などを担っている「体の維持機能」である。これが乱れると、心だけでなく体の不調もあらわれる。

つまり「疲れ」とは、脳・心・体の不調が別々に生じているのではなく、複雑に絡み合った一つの反応なのである。

「考え方のクセ」を見直す

wakashi1515/gettyimages

疲労した脳を回復させるには「考え方のクセ」を見直す必要がある。単に休むだけでは、根本的な回復は期待できない。なぜなら、「寝て休む」こと自体が意外と難しいからだ。

寝ようとしても余計なことを考えてしまい、現状や将来への不安で目がさえて眠れなくなる。思考が悪循環を繰り返し、休むどころか疲れを蓄積してしまう。「このまま間に合わなかったらどうしよう」「仕事が終わらない私はダメな人間なんだ」「こんな自分は周りにどう思われるだろう」。こうしたネガティブな思いが頭の中をぐるぐる回り始めると、抜け出すのは簡単ではない。

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要約公開日 2025.11.11
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