ワーク・ルールズ!

君の生き方とリーダーシップを変える
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出版社
東洋経済新報社

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出版日
2015年08月13日
評点
総合
4.2
明瞭性
4.0
革新性
4.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

イノベーションを次々に生み出し、「21世紀の最強企業」の名にふさわしいグーグル。世界各国から「最高の職場」として認められ、多くの輝かしい賞を受賞してきた。同社の採用、育成、評価の仕組みと、その背景にある哲学とはいったい何なのか?

著者は、あらゆる企業の採用や育成にインパクトを与えたいという信念のもと、グーグルの従業員が6000人から6万人に増えていく過程で、同社の人事システムを設計・進化させてきた人事トップである。

グーグルの具体的なルールを挙げてみよう。「自分より優秀な人物だけを雇う」「直感がよき面接者であることを妨げる」「マネージャーの意見ではなく、データに基づいて意思決定する」「同じ仕事でも、報酬に大きな差があってかまわない」。多くの読者は、こう思うかもしれない。「こうしたルールがうまくいくのは、とびきり優秀な人材を集めたグーグルだからだ」と。しかし、答えは「否」である。本書で紹介される仕組みと哲学は、あらゆる組織に応用できるという。ハーバード大学に入るより25倍も難しいと言われるグーグルの採用基準とは何か? どのように最高のチームをつくっているのか? 社員の評価やモチベーション維持の方法は? 本書は、こうした問いの答えを明らかにしていく、新しい働き方のバイブルである。

経営者や管理職、人事担当者はもちろん、より創造性を発揮して働きたいと考えるすべての人にとって、必読の一冊であることはまちがいない。

ライター画像
松尾美里

著者

ラズロ・ボック
グーグル人事担当上級副社長。
1972年、共産主義政権下のルーマニア生まれ。マッキンゼーやGE勤務を経て、2006年にグーグル入社。従業員が6000人から6万人に増えていく過程で、グーグルの人事システムを設計し、進化させてきた責任者。グーグルは世界各国で「最高の職場」として認められ、数多くの賞を受賞している。

本書の要点

  • 要点
    1
    グーグルは、どんな難題に対しても、ミッション、透明性、発言権というグーグルの文化に基づいて結論を下している。
  • 要点
    2
    グーグルは、採用する人材の資質を妥協しないこと、できる限りバイアスを排除して決定を下すことを目標としている。最高の人材を獲得するために、採用活動を全社員の仕事の一部にし、データを活用して採用の評価手法を選んでいる。
  • 要点
    3
    グーグルがマネージャーから権力を奪い取る理由は、チームの自由裁量の余地を増やすためである。また、グーグルの社員は会社の運営方法の決定にも関与する。

要約

文化が戦略を食う

ミッション、透明性、発言権がカギ
©iStock.com/Stuart Jenner

楽しさはグーグルの最も重要な部分であり、イノベーションを加速させてきた。グーグルの文化を定義する3つの要素は、ミッション、透明性、発言権である。

グーグルのミッションは「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにする」という簡潔なものだ。顧客や株主、ユーザーにもふれていない。このミッションが個人の仕事に意味を与えるのは、それが事業目標ではなく道徳だからである。このミッションへの信頼があるからこそ、グーグラー(グーグルの社員)は結束し、絶えずイノベーションを起こそうと鼓舞される。また同社は、あらゆる社員に顧客と接する機会を与え、各人が世界に変化を起こしているという実感を得られるように工夫を怠らない。

次に、グーグルは透明性を重視し、あらゆる情報はチーム内で共有できると想定している。例えば、週に一度の全社員ミーティングでは、会社の誰からの、どんなテーマについての質問にも30分かけてトップが回答する。高い透明性の利点は、全社員が様々なグループの状況を理解できるため、資源の浪費や社内の対立を防げることである。このように、オープンを原則とすれば、社員は「自分たちが優れた判断力を持っていると信じてもらえている」と実感でき、会社への貢献度が高まっていく。

最後に、発言権もグーグルの文化の礎石である。会社の経営方針について社員が実際に発言することができるため、人事慣行の多くが社員の発案によって生まれている。

グーグルでは、どんな難題に対しても、グーグルの価値観を支える文化に基づいて結論が下されている。世界中の有能なプロフェッショナル人材が求めている環境は、グーグルのように、ミッション、透明性、発言権が備わった職場なのである。

【必読ポイント!】 「自己複製する採用マシーン」

新人が全員、平均以上の職場を

多くの組織は、最高の人材を採用したうえで、教育、訓練、指導により、さらに人材を鍛え上げるという戦略をとっている。しかし、たいていは、平均的な社員の採用に終わり、トレーニングの設計も難しい。

グーグルは、学校の成績や前職での業績が上位10%以内の人材を雇うため、平均的な企業の2倍以上の費用を採用に投入する。かつて業界最低の給与水準にあったグーグルは、型破りな採用方法を取るしか選択肢がなかった。その方法の1つ目の特徴は、トップレベルの人材は志願者の10%程度にすぎないため、多くの面接を用意するなど採用に時間をかけることである。

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要約公開日 2015.10.27
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