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本書の要点

  • ローソン代表取締役の玉塚氏は、「逃げてはいけない分厚い壁」に向き合うことが好きだという。

  • 糸井重里事務所での仕事はCFO篠田氏の天職である。「要するに、こういうこと」を見つけて言語化し、それが人の役に立つことを実感できる環境に、大きな喜びを見出している。

  • グライダーアソシエイツの杉本氏は「ちょっと先の未来に必要と思われるもの」を大事にしている。

  • ヤマトホールディングス代表の木川氏は銀行時代の倒産危機などの修羅場を糧に、改革を断行してきた。「粛々と手堅く」という経営は大嫌いなのだ。

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「壁に向き合う」のが好き(玉塚 元一)

現場最適が大事

ローソン代表取締役社長の玉塚氏は、向き合わないといけない壁から逃げたくないという思いが並外れて強い人物である。

経営者になるための修行としてコンサルタントをしていた頃、ファーストリテイリングの柳井氏から、こう告げられた。「経営者や商売人なんて、コンサルタントがなれるもんじゃない。(お客様が)何も買わないで出ていってしまった。商品が魅力的じゃないのか。価格が高すぎるのか。それを悩み続けながら、胃の痛む思いをしながらやらない限り、経営者にはなれないんだ」。玉塚氏は大きな衝撃を受けたという。

そんな玉塚氏が大事にしているのは「現場最適」だ。ローソンの商売は、お客様との接点である現場をいかに良くするかがすべてである。だからこそ、トップがいなくてもうまく回る仕組みをつくれる人材を育てることを重視している。

組織が巨大化すると、本社は現場の発想から離れてしまいがちだ。そこで、机上の空論を叩き壊し、顧客接点のカイゼンに組織のエネルギーを注ぎ込みたいと、玉塚氏は意欲を見せる。

巨象相手でも戦い方はある

Kalawin/iStock/Thinkstock

慶應のラグビー部時代、玉塚氏は、泡を吹いてぶっ倒れるほどの厳しい練習を乗り越えてきた。ラグビーの強い高校から選手を呼べない大学であったために、逸材とは呼べないメンバーを鍛え抜くというポリシーだったのだ。その甲斐あって、関東大学対抗戦では全勝優勝という快挙を成し遂げた。この経験が「努力すれば巨象を倒せる」という玉塚氏の信念のベースになっている。

また、企業再生会社リヴァンプでの経験から、商売には波があり、気合いと根性だけでやっていくのは難しいと学んだ。現状を理解したうえで、それを否定し、組み直すという戦略が重要なのである。

現在、彼が率いるローソンは二番手だ。しかし、コンビニの基本動作としてのオペレーションをしっかりやることを前提に、差別化につながる施策をスピーディーに進めることで、色々な戦い方ができると考えている。

二人の強烈な経営者との出会い

玉塚氏は、日本を代表すると言っても過言でない強烈な経営者二人から大きな影響を受けてきた。一人は、ファーストリテイリングの柳井氏である。彼は生粋の商売人で、稀代のアントレプレナーだ。一方、玉塚氏をローソンへ呼び寄せた新浪氏は、マクロの視点もディテールへのこだわりも持ち、大きな絵からブレークダウンして今やるべきことをやる人である。

全く違う個性を持つ経営者と至近距離で働けたことに、玉塚氏は感謝しているという。彼らは玉塚氏にとって「逃げてはいけない分厚い壁」であり、それこそが玉塚氏の大好物なのだ。彼は、正しいと思ったことをやり切るという信念を貫き、今日も壁へと立ち向かっている。

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「要するにこういうこと」が好き(篠田 真貴子)

世間の良し悪しに翻弄された正統派CFO時代

Prykhodov/iStock/Thinkstock

「ほぼ日刊イトイ新聞(ほぼ日)」でお馴染みの糸井重里事務所にてCFO(最高財務責任者)を務める篠田氏は、これまでゴリゴリの正統派CFOキャリア一直線だった。

バブル末期、彼女が日本長期信用銀行に入行したのは、みんなが「良し」とする選択肢だったからだ。配属先で待っていたのは山のような事務作業。ゴム印をまっすぐ押すのもままならないほど不器用な篠田氏は「この仕事に向いていない」と気づき、海外のビジネススクールへ留学する。しかし、卒業生に人気な投資銀行業務に興味が持てず、進路に迷い、最終的にはインターンを機にマッキンゼーへ入社することとなった。

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要約公開日 2016.08.09
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