偉大な指揮者に学ぶ無知のリーダーシップ
メンバーの隠れた能力を引き出す匠技

未 読
偉大な指揮者に学ぶ無知のリーダーシップ
ジャンル
著者
イタイ・タルガム 土方奈美(訳)
出版社
定価
1,800円 (税抜)
出版日
2016年03月23日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
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偉大な指揮者に学ぶ無知のリーダーシップ
偉大な指揮者に学ぶ無知のリーダーシップ
メンバーの隠れた能力を引き出す匠技
著者
イタイ・タルガム 土方奈美(訳)
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定価
1,800円 (税抜)
出版日
2016年03月23日
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総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
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レビュー

「無知」――リーダーシップとは一見かけ離れている言葉だが、本書を読めばまさに「無知」こそが、企業に新たなイノベーションを生み出す秘訣だと感じられるようになるだろう。

著者のイタイ・タルガム氏は、指揮者でありながら、世界中でリーダーシップに関する講演会を行ってきた人物である。著者によれば、指揮者という視点に立つことは、理想的なリーダーシップを考えるうえで、非常にすぐれたメタファーになるという。

指揮者が唯一手に持っているのは、まったく音を出さない指揮棒だ。当然、指揮棒だけで演奏をすることなどできない。しかし指揮棒は、手にする者によってとてつもない威力を帯びることがある。その秘訣が「無知」だ。指揮者は「無知」を通して、楽曲に込められた芸術的かつ人間的偉業を楽団員たちから引き出すのだ。

本書を理解するのに、クラシック音楽について詳しい必要はまったくない。実際、物語の舞台となるのは音楽という言葉とは無縁の組織ばかりである。ゴールドマン・サックス、メルク、クラフトフーズ、さらにはシリア国境にある軍事拠点。こうした組織で働く多種多様なプロフェッショナルたちが、これまで偉大な指揮者のリーダーシップから多くの学びと刺激を受け、変わっていった。あなたも本書の奏でるメッセージに耳を傾けてみてほしい。きっと偉大な指揮者の持つエッセンスが響き渡ってくるはずだ。

池田 明季哉

著者

イタイ・タルガム
巨匠レナード・バーンスタインの愛弟子であり、パリ管弦楽団、サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団、イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団など世界の著名オーケストラと共演している。またフォーチュン500企業や世界中の非営利団体、大学、会議などでリーダーシップの指導を手がけ、TED、グーグルのツァイトガイスト、スイス・ダボスで開かれる世界経済フォーラムにも登壇している。

本書の要点

  • 要点
    1
    新たな発見に出会うためには、自らの持つ知識を一旦手放し、「無知」の状態になる必要がある。
  • 要点
    2
    「ギャップ」は大きなイノベーションの可能性を与えてくれる。ギャップを閉ざして安全ばかりを求めていては、新しい発見は生まれない。
  • 要点
    3
    リーダーは自分の意見を押しつけるのではなく、「メインリスナー」に徹するべきだ。そして周囲の意見に耳を傾けながら、対話を促すよう心がけるといい。

要約

【必読ポイント!】無知から生まれるイノベーション

「無知」が新たな成果を生む

何かの探求を始める瞬間は、持っている知識を一旦手放し、未知の領域を楽しむ心構えを持つべきである。それこそが、知識に縛られた状態では考えつかない、新しいアイディアに出会える方法だからだ。

また、無知であることは、他者を導くときにも大きな効果を発揮する。優れた教師は、あえて生徒に自分の知識を教えず、生徒が自ら学び、発見するための手助けに尽力するものである。その結果、教師ですら知らない知識を、生徒が身につけることだってある。

無知であることは一見恥ずかしいことのように映るかもしれない。しかし、それこそが音楽においてもビジネスにおいても、新たなイノベーションを生み出す源泉なのである。

イノベーションの源は「ギャップ」にある
CreativaImages/iStock/Thinkstock

多くのリーダーは、「ギャップ」を好まないものだ。それが部下たちとの間に生まれたものにせよ、顧客との間に生まれたものにせよ、ギャップは「食い違い」や「余白」という厄介なものと見なされ、忌避される傾向にある。

だが、新たな発見やイノベーションを生み出すためには、ギャップを正しく認識し、受け入れることが必要不可欠である。自分の理想とするものと、目の前にある現実との間に距離、すなわちギャップがあるからこそ、想像力は刺激されるのだ。

新しく革新的なものを目の前にすると、多くの人は自分とのギャップを感じ取り、扱い方がわからず、ついには否定するようになってしまう。だからこそ、リーダーシップを発揮する人間の役割が重要になる。リーダーの仕事は、それぞれが意味探求のプロセスを開始できるよう、手助けすることにほかならない。

リーダーは「メインリスナー」になるべし

一般的な話し合いだと、リーダーが話し手として能動的に話し、残りが受動的な聞き手にまわるということが多い。このような形式は、安全で予定調和な世界をもたらしてくれるが、ある意味で窮屈でもある。

一方、リーダーが話し手ではなく、積極的に「メインリスナー」になるよう心がけると、さまざまな意見が飛び出してくる。話を聞いてもらえるという安心感が生まれることで、新たな意見が発表しやすくなるからだ。その結果、話し合いは活発で有意義なものとなり、参加者それぞれが価値のある学びを得ることができる。

この時、ただひたすら相手の意見を聞くだけでなく、対話をするという意識を持つことが重要である。良い対話を行うためには、深い感受性を養い、相手に最大限の関心を払うことが必要だ。そして、相手が言外ににおわす意味を嗅ぎ取り、深い領域でのコミュニケーションを試みるのである。

偉大な指揮者達から学ぶリーダーシップ

リーダーシップには様々なスタイルがある
steauarosie/iStock/Thinkstock

指揮者は、演奏の技術に関するルールがきちんと遵守させる責任があるのと同時に、高い次元でメッセージを解釈し、それを伝達するという創造の役割を担っている。とはいえ、同時進行する多種多様な出来事に一つ一つ対処するのは難しい。また、壮大なビジョンを描いていても、それが現実的なものでなければ、すぐに統制を失ってしまう。

ディティールに溺れず、ユートピアを探して迷わないようにするためには、マネジメントとビジョンを併せ持つリーダーシップが必要だ。そのためには、送るべきメッセージとその伝え方の両方を理解しなければならない。

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スキルアップ・キャリア リーダーシップ・マネジメント
著者
イタイ・タルガム 土方奈美(訳)
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1,800円 (税抜)
出版日
2016年03月23日
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