アイデアは交差点から生まれる

イノベーションを量産する「メディチ・エフェクト」の起こし方
未読
日本語
アイデアは交差点から生まれる
アイデアは交差点から生まれる
イノベーションを量産する「メディチ・エフェクト」の起こし方
未読
日本語
アイデアは交差点から生まれる
出版社
CCCメディアハウス
定価
1,870円(税込)
出版日
2014年09月26日
評点
総合
4.2
明瞭性
4.0
革新性
4.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

大流行したカードゲームの発案者、革新的な戦略を次々に提案するコンサルティング会社、恐竜滅亡の隕石衝突説を提唱した天文学者。彼らのアイデアは一体どのように生まれたのか。彼らに共通するのは、アイデアの「交差点」に身を置いていたことだ。

異なる文化や分野が交差する場では、既存の概念を新しく組み合わせて、非凡なアイデアを数多く生み出すことができる。革新的なアイデアは、異なるものが交差する場所、すなわち「交差点」で生まれるのだ。幅広い分野の文化人や芸術家の手によって創造性が開花するのを助けた、15世紀イタリアのフィレンツェで繁栄したメディチ家にちなんで、この効果は「メディチ・エフェクト」と名付けられた。そして、この効果は、実は誰でも起こすことができる。

著者は、こうしたアイデアの交差点をどのように見出し、斬新なアイデアを実現させればいいのかを、古今東西の豊富な例を紹介しながら指南している。また、斬新なアイデアには失敗がつきものだが、その失敗を乗り越える方法も、体系的にわかりやすく解説されている。

新しいアイデアを練り、その実現の道を模索している人にとっては、目を見開くような学びの宝庫となる一冊である。誰でも世界を変えるような独創的なアイデアを生み出し、イノベーターへの一歩を踏み出せるという自信と戦略を与えてくれるだろう。

ライター画像
池田明季哉

著者

フランス・ヨハンソン
アフリカ系アメリカ人とチェロキー族の血を引く母、スウェーデン人の父のもと、スウェーデンに生まれ育つ。アメリカ東部のブラウン大学を卒業後、ソフトウェア企業を設立、CEOを務めた後、ハーバード・ビジネススクールにてMBAを取得。ソフトウェア企業のほかに、ヘルスケア企業、ヘッジファンドも設立している。異分野・異文化の交差点で成功を収めた個人、チーム、組織を丹念に取材して得られた事例と、心理学、経済学、創造性、イノベーションなどの分野における研究成果を、独自の理論によって融合させて生み出した本書は、世界的なベストセラーとなった。著書はほかに『成功は“ランダム”にやってくる!――チャンスの瞬間「クリック・モーメント」のつかみ方』(CCCメディアハウス)。現在は、設立したイノベーション・戦略コンサルティング企業「メディチ・グループ」のCEOとして、ナイキやノバルティスなどの大企業からベンチャーまでを顧客に抱え、講演、執筆、コンサルティングに活躍する。

本書の要点

  • 要点
    1
    革新的なアイデアは、異なる文化や分野が交差する場で生まれる。
  • 要点
    2
    アイデアを実現させるには、既存のアイデアに改良や調整を加えて発展させる「方向的アイデア」と、これまでにない新しい方向への飛躍を伴う「交差的アイデア」の両方が必要となる。
  • 要点
    3
    連想のバリアを取り払い、接点がなかった分野同士を掛け合わせることで、アイデアの組み合わせが爆発的に増える。
  • 要点
    4
    新しいアイデアを実用化するには、既存のネットワークからうまく飛び出し、新しいネットワークを築かなければならない。

要約

アイデアは交差点で生まれる

なぜ交差点なのか?

大西洋のど真ん中に浮かぶアゾーレス諸島の港町に「ピーターズ・カフェ」はある。このカフェには、世界の隅々からアイデアが集まってくる。ここに集った人たちの口から、一見まったくランダムなアイデアが飛び交う。ひとつの会話が別の会話に発展し、次に何が飛び出すかは誰も予想がつかない。「ピーターズ・カフェ」は多種多様なものが結びつく連結点なのだ。

このような場所がもうひとつある。それは私たちの頭の中であり、異なる文化や領域、学問が収れんする場所だ。既存の概念がぶつかり合い、融合して、斬新なアイデアが生まれる。著者はそれを「交差点」と呼び、革新的なアイデアが次々と実現する状態を「メディチ・エフェクト」と名付けた。個人であれ、組織であれ、異なる専門分野や文化が出合う交差点に踏み込んだ者は、一見、何の関係もなさそうな分野同士を関連づけ、結合させることで、思わぬ革新を生み出すのだ。

本書では、交差点でどんなことが起きているのか、そこで見出したアイデアをどうすれば生かせるのかを明らかにしていく。

クリエイティブなアイデアとイノベーション
StockRocket/iStock/Thinkstock

アイデアには革新的なものと、そうでないものがある。革新的なアイデアとはどんなものを指すのだろうか。

まず、クリエイティブなアイデアは新しいものでなければならない。過去に誰もやったことがないユニークなものでなければ、クリエイティブだとは言えない。また、いくら新しいアイデアでも荒唐無稽なものは、クリエイティブに該当しない。クリエイティブであるためには、一定の妥当性、つまり価値がなければならないのだ。さらに、革新的なアイデアは、社会で実行に移されることが大前提となる。どんなに画期的で価値がある発明でも、それを思い描くだけではイノベーションとは言えない。

あるアイデアが新しく、価値あるものだと最終的に決めるのは社会である。また、ある製品がイノベーティブかどうかを見極めるには、それが実際に人々に使われ、評価されなければならない。

方向的アイデアと交差的アイデア

革新的なアイデアはどのように生み出されていくのだろうか。アイデアには二種類ある。ひとつは、ある分野の中だけで発展する「方向的アイデア」である。もうひとつは、異なる分野を交差させて生まれる「交差的アイデア」だ。

方向的イノベーションは、企業が既存のプロセスを合理化して効率化を図るようなもので、目的は既存のアイデアに改良や調整を加えて発展させることにある。アイデアの価値を無駄にしたくなかったら、方向的イノベーションは欠かせない。一方、交差的イノベーションは、驚きや意外性に満ちており、これまでにない新しい方向への飛躍を伴い、世界に大きな影響を及ぼす。

まったく新しいことを生み出すためには交差的アイデアが必要だが、それを発展させ、実用可能なものにするには、方向的アイデアも必要不可欠なのである。

今日、交差点は増加の一途をたどっている。その背景には、複数の国や文化にまたがる「人の移動」、異なる分野の研究者が協力して研究に臨む「科学における相互乗り入れ」、そして、「コンピュータ技術の飛躍的向上」の三つの力が働いている。この三つの力は、驚くほど広範囲で影響を及ぼしているのだ。

【必読ポイント!】 メディチ・エフェクトを生み出す

垣根を取り払う
KuzminSemen/iStock/Thinkstock

ニューヨークにあるスウェーデン料理レストランのエグゼクティブ・シェフが突然亡くなった。その代役を務めることになったのは、雇ったばかりの若者、マーカス・サミュエルソンだった。オーナーは躊躇したが、サミュエルソンはスウェーデン料理の枠にとどまらず、世界各地の食べ物を自在に組み合わせ、ユニークな料理を考案した。料理の世界にある垣根を取り払った結果、独創的でとびきり味わい深い料理は高い評価を得て、レストランを成功に導いた。

私たちには連想のバリアがある。あるひとつのことから、それに関連した内容を連想してしまう。例えば、

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