これからのライフスタイルを描く地図となる5冊
「生きたい自分」を生きるために


これまで、自分のライフスタイルを変えることは、住んでいる場所、周囲の価値観などが「制約」となって、非常に困難なものに思えていました。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大は多くの人の働き方を変えただけでなく、生き方そのものを見直すきっかけにもなっています。
「自分がどう生きたいか」を見つめ、自身の豊かな「残り時間」をより充実したものにしていくために、広い視野で考える〈よすが〉となる5冊を選びました。


これからは生活する場所から働く場所を考えていく時代。『鎌倉資本主義』で、住む街の地域資源を高めていくことの意義を説いた柳澤大輔氏が、「生き方のシフト」をテーマにまとめたのが本書です。
コロナ禍において東京への移転が減り、東京からの転居が進むいま、自分の人生にマッチする地域を選んでいきたいもの。「そうは言っても移住なんて……」と思う人ほど、明るい未来への道筋を得られる本です。きっとあなたの感覚をより自由にしてくれることでしょう。


お金もキャリアも大事。でもそれ以上に大事なのは、「自分の人生をどう生きるのか」を考え続けること。
本書は、『転職の思考法』などのベストセラー著者・北野唯我氏が贈る、「これからの時代のビジネス書」です。漫画とワーク、エッセイという異色の構成に沿って読んでいくと、たちまち自分の価値観や「どう生きたいのか」という指針の解像度が上がっていきます。優れた自己理解・他者理解の指南書としてもぜひおすすめしたい一冊です。
著者の北野唯我さんのインタビューはこちらから。


「人生100年時代」と言われるようになって久しいですが、喜んでばかりはいられません。というのも老後を考えれば、常に社会保障や医療の問題がつきまとうからです。
ですがハーバード大学医学大学院で遺伝学の教授を務める著者のデビッド・A・シンクレア氏は、「老化は病気の一種であり、治癒できるものである」とし、「100歳になっても、現在の50歳なみの活動レベルを保てる時代がやってくる」と予言します。
「老化」という問題が解決されたとき、そこにあるのはどんな世界でしょうか。来たるべき未来に備えておきたい方にとって、マストバイと言える一冊です。


自分の人生に漠然とした不安を抱くことは、誰しもあるのではないでしょうか。本書における「フルライフ」とは、簡単にいえば充実した人生のこと。充実した日々を送るために何をすればいいのか、本書は考えるためのよいきっかけを与えてくれます。
新型コロナウイルスの脅威が広がり、思うように行動できない今こそ、自分の将来や仕事と真剣に向き合う最適のタイミング。人生設計をするうえで、本書はあなたの大きな助けになってくれるでしょう。


私たちは親や祖先から、モノとしての財産だけではなく、「形なきもの」を数多く相続しています。たとえば、魚の食べ方や歯磨きの仕方といった日常の所作、思い出話などです。
それを「こころの相続」と呼び、その重要性を呼びかけるのが、作家・五木寛之さん。コロナショックで人との対面が限られていまこそ、「何を引き継いできたのか、何を後世に残したいのか」というテーマで思いを馳せてみてもいいかもしれません。立ち止まって考えてみたいテーマがここにあります。
いかがでしたでしょうか。これらの本をきっかけに、今から始められる「シフト」と、すぐ近くの将来に思いを馳せてみましょう。より広がりと奥行きある「自分のライフスタイル」が見えてくるはずです。