「考える技術」と「地頭力」がいっきに身につく 東大思考

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出版社
東洋経済新報社

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出版日
2020年08月13日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

「頭のいい人」の代名詞でもある「東大生」。彼らの頭の中はどのようになっているのだろう? 凡庸な人たちにとっては、永遠のクエスチョンである。

本書は、偏差値35から東大に入学した現役東大生・西岡壱誠氏による「地頭力」シリーズの第三弾だ。『東大読書』『東大作文』に続き、今回は「東大生の頭の中」が明らかにされている。

東大生による勉強法に関する書籍はこれまでにも多数出版されているが、本書は勉強法をまとめたものではない。東大生がどのようなものの見方をして、どう学びに活かしているかを説いている。著者いわく、東大生は先天的な天才ではなく、普通の人であるという。ただ、普通の人とは違う「見方」をしているというのだ。

ということは、この「見方」を知れば、ライバルに差をつけられるということだ。思考回路を増やしたり、ちょっと見方を変えたりするだけで、「東大脳」に一歩近づける。がむしゃらに暗記せずとも東大への道は開けるし、東大出身でなくとも発想力や問題解決力を高められるというわけだ。「東大思考」を構成する5つの要素(記憶力、要約力、説明力、ひらめき力、問題解決力)は、賢く社会を生き抜くために必須の力とも言えるだろう。

本要約では、この中から記憶力、ひらめき力、問題解決力を紹介している。ぜひ本書を手に取り、「頭のいい人」の思考回路をインストールしてほしい。目の前の世界が違って見えること請け合いだ。

ライター画像
矢羽野晶子

著者

西岡壱誠(にしおか いっせい)
現役東大生。1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「思考法」「読書術」「作文術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。
そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、在学中の2020年に株式会社カルペ・ディエム(https://carpe-di-em.jp/)を設立、代表に就任。全国6つの高校で「リアルドラゴン桜プロジェクト」を実施、高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。静岡県沼津市の誠恵高校では理事長付学習特別顧問を務める。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約7000人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。
著書『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書』『「伝える力」と「地頭力」がいっきに高まる 東大作文』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計30万部のベストセラーになった。

本書の要点

  • 要点
    1
    東大生の「頭のよさ」は、日常のすべてを学びに活かす「解像度の高さ」に起因する。この視点は、思考法を変えれば誰でも会得できるものである。
  • 要点
    2
    東大生は丸暗記をしない。覚えるべき事項を関連づけたり、その事項が誕生した理由を探ったりすることで、簡単に覚えられる。
  • 要点
    3
    発想力が高い人は、1に対して10のものの見方を知っている。
  • 要点
    4
    問題解決力の鍵は、「ミクロの視点」と「マクロの視点」を持つことだ。

要約

【必読ポイント!】「東大生の頭のよさ」は日常生活でつくられる

高解像度で世の中を見て、学んでいる
xijian/gettyimages

なぜ東大生は「頭がいい」と言われるのか。彼らは先天的に頭がいいわけではない。「当たり前のことを当たり前に積み重ねてきた結果」として、東大生になったのだ。

では、どうすれば頭がよくなるのだろうか。最大のポイントは「日常の解像度」にある。写真には、ピンボケしている低解像度のものもあれば、細かい部分まで見える高解像度のものもある。頭のいい人は、高解像度で世の中を見て、身の回りのことすべてから学んでいるのだ。

著者の友人に、外国人の恋人ができて、英語が急激に上達した人がいる。彼は恋人ができてから、電車の英語のアナウンスが急に英語の教材のように聞こえるようになったという。看板やメニューの英語表記、日常で使うカタカナ語、商品名などに含まれる英単語……すべてが英語の勉強のための手段に見えたそうだ。同じ景色を見ていても、ある人には英語の勉強になる一方で、ある人にはただの景色。これこそが「日常の解像度の違い」であり、大きな差を生む。

東大生にとっては、日常的なものやありふれたもの、すべてが学びの対象だ。たとえば、コンビニで買った牛乳が群馬県産で、「え? 牛乳といえば北海道なんじゃないの? なぜ北関東で牛乳がつくられているの?」と考えて、調べてみる。牛乳というありふれたものをよく観察し、「なぜ?」という疑問をぶつけることで、新たな知識を得ているのだ。この「日常の解像度」は、思考法を変えれば誰でも簡単に高められる。

東大生の記憶力

「関連づけ」で丸暗記せずに記憶する

日常の解像度が高い人は、記憶力も高い。たとえば、「結合する」という意味の英単語「unite」を覚えようとしたとき、何度も見る、10回書く、語呂合わせをするといった方法が考えられるだろう。いずれも手段としては正しいものだ。一方、東大生の場合は、やみくもに暗記するのではなく、「見方」を変えて覚えようとする。

「USA」=「ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ」の「ユナイテッド」は、この「unite」である。アメリカは、たくさんの州(ステイツ)が集まって作られた国。つまり、「ユナイテッド・ステイツ」は州が「結合して」つくられているという意味だ。

「uni(ユニ)」という言葉には「1つ」という意味がある。ユニを使った英単語には、「ユニフォーム=1つの服に統一したもの」「ユニーク=他にはない1つの個性」など、「1つ」という意味がどこかに入っている。つまり、「unite」は「統一する」という意味に等しい。

ここまで考えていくと、苦労せずとも「unite」の意味を覚えられるはずだ。記憶力がいい人は、覚えるべき事項を関連づけたり、その事項が誕生した理由を探ったりすることで、丸暗記せずに記憶に定着させている。

「原因思考」でうまく情報を記憶する
DragonImages/gettyimages

脳に記憶を収納する「クローゼット」があるとする。記憶力のいい人は、クローゼットの容量が特別に大きいわけではない。うまく収納するから、多くの情報を棚にしまえるだけだ。記憶力がいい人とは、「記憶することを最小限にとどめている人」なのである。

上手に収納していれば、「引き出す」ことも簡単だ。

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要約公開日 2020.10.08
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