大学で何を学ぶか

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大学で何を学ぶか
出版社
定価
990円(税込)
出版日
2022年10月04日
評点
総合
3.5
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

「学びたい分野を学べること」ではなく「名が知れていること」を重視し、より偏差値の高い大学、よりブランド力のある大学を目指す。いい大学を卒業したからといって仕事ができるとは限らない――。こうした日本の教育の現状に警鐘を鳴らしているのが、本書の著者である日本電産の会長兼CEO、永守重信氏だ。

永守氏は、日本の教育システムを根底から改革するために、大学運営に乗り出した。京都の学校法人の理事長に就任し、運営する大学の改革を行っている。「若者を雇用するCEO」と「若者を育てる教育者」の2つの視点を持つ著者の語りには非常に説得力がある。

思えば、世界における日本の存在感は年々低下している。アジアが躍進する中で日本だけが停滞しており、今後は各国の後塵を拝することにもなりかねない。その原因は日本の教育システムにあるのかもしれない。ワールドワイドに展開する企業の経営者だからこそ、日本の現状に危機感を抱くとともに、問題の本質に教育システムがあることに気づき、変革しようとしているのだろう。

本書には、これからの時代を生き抜くためのアドバイスが詰まっている。今や、いい大学に入ったから、大企業に勤めているから安泰という時代ではない。本書を一読し、自分の未来と向き合うきっかけとしていただきたい。

ライター画像
香川大輔

著者

永守重信(ながもり しげのぶ)
1944年、京都生まれ。職業訓練大学校(現・職業能力開発総合大学校)卒業。73年、28歳で従業員3人と共に日本電産株式会社を設立、代表取締役社長に就任(現在は会長兼CEO)。あらゆる種類のモーターと周辺機器を扱う世界No.1のモーターメーカーに育てあげた。2018年、京都にて大学等を経営する学校法人の理事長に就任、運営する大学の改革に着手。19年、大学の名称を京都先端科学大学に変更。20年、同大学に工学部を開設。21年、法人合併で京都学園中学高等学校を傘下に収め京都先端科学大学付属中学校高等学校とする。22年、ビジネススクール(経営大学院)を開設するなど、世界で通用する即戦略人材の育成に情熱を注いでいる。主な著書に『成しとげる力』(サンマーク出版)、『人生をひらく 困難に打ち勝つための原理原則50』(PHP研究所)などがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    IQ(知能指数)が高く、いい大学を出たからといって、社会に出て活躍できるとは限らない。活躍するのは、EQ(感情指数)の高い、人間力のある人材だ。
  • 要点
    2
    大学時代には「専門性」「英語力」「雑談力」「ディベート力」の4つの力を鍛えておくべきだ。
  • 要点
    3
    社会人として活躍したいなら、脳をフル回転させて生産性を上げる「知的ハードワーク」ができる人になろう。
  • 要点
    4
    変化の時代に生き残っていけるのは、もっとも強い者でも賢い者でもない。変化に対応できる者だ。

要約

日本の教育システムの問題点

偏差値ばかりを重視する日本の教育

人は情熱と教育によって大きく変わる。偏差値を偏重した今の日本の教育は若者や日本社会をだめにしているのではないか――。そう考えていた著者は、理事長から提案を受け、京都学園大学の再建に取り組むことになった。

日本の大学では、社会が必要とする人材を育てているとはいえない。学生は、新卒社員として入社した後、何年も教育を受けてはじめてビジネスの舞台に立てるのだ。

日本電産でも多くの大卒、院卒者を採用してきたが、一流と呼ばれる大学を出た社員も、そうでない社員も、入社後10年ほどの時点では仕事の成果に大きな差はないことがわかっている。大学の偏差値やブランド力にかかわらず、成果を上げている人は、何でも前向きに取り組み、雑務も率先してこなす気概がある。偏差値の高い大学を出たからといって、必ず社会人として活躍できるとは限らないのである。

「IQが高い=仕事ができる」とは限らない
west/gettyimages

人間の能力には知能指数の「IQ」と感情指数の「EQ」の2つがあると言われている。IQが高い人は知能が高く、学校のテストで有利だ。しかし「IQが高い人=社会で成功できる人」とは言い切れない。実際、企業は、知能が高いだけの人材ではなく、EQの高い人、つまり人間力の高い人を求めるようになっている。

著者が多くの従業員や経営者を見ていて実感するのは、IQなどの能力的な差が生み出す成果の差は、どんなに頭のいい人でも普通の人のせいぜい5倍程度だということだ。一方、EQの高い社員とやる気のない社員の成果は100倍以上にもなることがある。

【必読ポイント!】 大学で鍛えるべき4つの力

専門性

大学での勉強とは、単に情報を暗記することではない。自分の頭で考え、課題を見つけ、意見を言うことだ。加えて、専門的な知識を身につけ、卒業後に即戦力として活躍できるようになる必要がある。

大学時代に最低限鍛えておくべきものは、「専門性」「英語力(特に会話力)」「雑談力」「ディベート力」だ。

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