10代の子どもの心のコーチング

思春期の子をもつ親がすべきこと
未読
無料
10代の子どもの心のコーチング
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思春期の子をもつ親がすべきこと
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10代の子どもの心のコーチング
出版社
定価
748円(税込)
出版日
2010年10月18日
評点
総合
3.5
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

思春期は「子育てのモードチェンジ」を迫られる時期である。子どもと一心同体の幸せな時間が終わり、少しずつ親から離れていく10代。子どもの成長を喜びながらも子育てのゴールが見え始め、寂しさを感じる親御さんも少なくないだろう。

とはいえ、子育てはまだ終わらない。特に中学・高校の数年間は、これまでの子育てとは勝手が違うステージに入る。あんなに明るく素直だった我が子が、急に口数が減って反抗的になる。また子どもの方も、急激に変化する心と体をもてあまし、わけもなくイライラして当たり散らしてしまう。親も子も「これまでのようにはいかない」「どうしていいのかわからない」、迷い多き時期である。

本書は、そんな思春期の子を持つ親に向けて書かれた一冊だ。著者の菅原裕子氏は、親を対象にしたコーチングワークショップを長年開催し、子育てに悩む親たちを励まし、導き続けてきたコーチングのプロである。著者は「思春期の子どもたちが求めているのは、自分を丸ごと受けとめてくれる存在と居場所である」と言う。

「自分とは何者か」を模索し始める思春期は、自分の存在価値がいったん「空白」になる。口では大人を拒絶しながらも、本当は誰よりも大人のサポートを必要とするのが、思春期の子どもなのである。

親に背を向けて歩き始める10代の子に、親がしてあげられることは何だろう。子育ての最後の時間が実り多きものになるように、今まさに子どもが中高生の親御さんはもちろん、子育て中のすべての方にお読みいただきたい。

ライター画像
矢羽野晶子

著者

菅原裕子(すがはら ゆうこ)
NPO法人ハートフルコミュニケーション代表理事。有限会社ワイズコミュニケーション代表取締役。人材開発コンサルタントとして、企業の人材育成の仕事に携わる。従来の「教え込む」研修とは違ったインタラクティブな研修を実施。参加者のやる気を引き出し、それを行動に結びつけることで、社員と企業双方の成長に貢献。
1995年、企業の人育てと自分自身の子育てという2つの「能力開発」の現場での体験をもとに、子どもが自分らしく生きることを援助したい大人のためのプログラム〈ハートフルコミュニケーション〉を開発。各地の学校やPTA、地方自治体主催の講演会やワークショップでこのプログラムを実施し、好評を得る。2006年、NPO法人ハートフルコミュニケーションを設立、現在に至る。
主な著書に、『コーチングの技術 上司と部下の人間学』(講談社現代新書)、『子どもの心のコーチング』『10代の子どもの心のコーチング』(以上、PHP文庫)などがある。

〈NPО法人ハートフルコミュニケーションHP〉
https://www.heartful-com.org/

本書の要点

  • 要点
    1
    子育ての目指すべきゴールは「子どもの自立」である。自立とは「生きる力」を身につけることであり、その力は、子どもの頃から培っていかないといけない。
  • 要点
    2
    思春期は、親から精神的な離脱をして自分個人の人格を確立する時期である。この時期は気持ちが不安定になりやすく、親のサポートを必要とする。
  • 要点
    3
    親が思春期の子にすべきことは、自分は存在する価値があると知ってもらうことと、安心できる居場所を与えることだ。
  • 要点
    4
    親は子どもの「コーチ」である。子どもの自立をサポートし、可能性を引き出す存在であるべきだ。

要約

子育ての目的地はどこ?

「生きる力」の発掘

「大きくなったお子さんに、どう生きてほしいですか?」と聞くと、返ってくる答えの多くは「幸せでいてほしい」である。そこで「幸せになるためには、お子さんは何を学ぶ必要がありますか?」と問うと、親たちはハタと立ち止まる。「あまり考えたことがないからわからない」というのが本音のようだ。

毎日忙しい子育ての中、「子どもの未来のために、親として自分はどうあるべきか」を考える暇はない。もし考えたとしても、子どもの将来のためにどんな習い事やスポーツ、学習をさせるかといったことだろう。

しかし、私たちが本来考えなければならないのは、もっと基本的な才能である「生きる力」の発掘である。

子育てのゴールは「子どもの自立」
miya227/gettyimages

「生きる力」とは、自分の人生を大切にし、さまざまな問題に対応できる力である。また、苦しいことに耐えて前進し、感情をコントロールしながら人とうまく付き合う力でもある。自分の人生を自分で作り上げていく力、それが生きる力なのである。

人は皆、生きる力を持って生まれてくる。しかしそれは、引き出されないと使えるようにならず、やり続けないと身につかない。自立とは、生きる力を身につけることである。

子どもの生きる力を引き出す第一歩は、彼らの存在を全面的に肯定すること、つまり「愛すること」だ。子どもの「あるがまま」を受け入れ、「ここにこうしていること」が肯定されて、はじめて本来の力は発揮できる。

そして次は、子どもを「できる」人として認め、子どもの成長に合わせて彼らの「できる」を見守ることだ。できる限り手出しはせず、求められたときのみ最小限の手助けをする。まかされた子どもは自分の力を使うようになり、その力は使うたびに成長していく。

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