対立を創造に変え、新たな可能性を生む――。「プルラリティ(多元性)」はそのための道しるべである。技術革新の時代に、技術は世界をつなぎ、同時に分断も生み出した。
台湾は複雑な歴史と幾多の分断を越え、デジタル民主主義を生んだ。人々の声を可視化し、多数決が見落としてきた声を掬い上げる。多様な声が響きあい、民主的な対話が社会のゆく道を決めるのだ。
1960年代に産声を上げたインターネットという新技術は、遠く離れた人とつながる可能性をかつてないほど高めた。知識が国境を超え、そして言葉の壁や文化を越えて拡散する時代が来たのである。一方で、グローバル化は社会の格差を推し進め、巨大ハイテク企業が台頭した。人々は極端な意見に走り、分断の亀裂はいっそう深くなっていく。
3,400冊以上の要約が楽しめる