著者はイギリス留学時、「正解のない問題」ばかりを問われたことに驚いたという。
日本にいたときは「大人の決めた正解」ばかりを探していた。そのため、自分の問題にも「正解」があるはずだと考えたり、それっぽい「正解」をくれそうな人を探し求めたりしていた。
しかし実際、人生で直面する問題に「正解」はなく、それを教えてくれる人もいるはずがない。「正解」は探すものではなく、自分でつくるものだからだ。
では、どうすれば正解をつくることができるのか。それは「自分の頭で考えて、自分で決めること」に尽きる。周りにあれこれ言われるかもしれないが、彼らが責任をとってくれることはない。だから自分で決めて、その道を正解にする努力をすること。それを重ねていくと、自然に自己肯定感が高まっていくだろう。
日本では「義務」は教えるが、「権利」は教えない――。これは、著者がヨーロッパの教育機関を訪問したときに指摘されたことだ。
家庭でも学校でも社会でも、日本では「やらないといけないこと」「やってはいけないこと」の2つを言われ続ける。だから脳はその2つでいっぱいになり、“義務脳”ができあがってしまう。「日本人の自己肯定感は諸外国よりも低い」という調査結果があるが、その要因のひとつは“義務脳”のせいだと著者は考える。
一方、ヨーロッパでは「権利」をとても大事にする。これは「やっていい(やらなくてもいい)」ということである。自分の「自由」と「権利」を尊重すると同時に、相手のそれも尊重する。つまり、あなたの人生はあなたのもので、義務を果たすために生きているわけではない、ということでもある。
自由と権利を持って、ありたい自分であろうとする。そんな人が増えていくと、自分も周りも楽しく生きられるのではないだろうか。
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