理想の人生を手に入れるには、「自分にやさしくすること」が不可欠だ。しかし多くの人は、そうとは知らずに間違った努力をしている。がんばって勉強をして働いて、周りに気を使いながら生きているのに、理想の人生がなかなか実現しないのはそのためだ。
「自分にやさしくする」と聞くと、働かないで昼間からお酒を飲んで、逆に人生がダメになってしまうのではないか……と不安に思うかもしれない。しかし、本当の意味で「自分にやさしくする」とは、そういうことではない。
著者はある交流会で、いかにも裕福そうな女性経営者に出会った。彼女は自分で事業を立ち上げ、その会社はうまく回っているという。それなのに経営用語を知らないし、IT知識もなさそうだ。不思議に思う著者に、彼女はこう言った。「だから社員にぜんぶ任せているのよ」。
著者の知っている成功者に、何でも完璧にできる人はいない。彼らに共通しているのは「不完全な自分を受け入れている」ということだ。スキルや知識、人脈のない自分にもやさしくできるからこそ、うまくいくのである。
多くの人は、理想の人生を叶えるためには「すごく苦労しないといけない」「完璧な人間でなければならない」と思い込んでいる。しかし、どんなに努力をしても、スキルや知識があっても、豊かな人生が手に入るとは限らない。広い人脈を持っているにもかかわらず、うまくいっていない人もいる。
彼らの根底に流れているのは、自分への厳しさである。著者の知る限り、多くの人は自分に厳しい。「自分はまだまだ」「もっとがんばらないと」「こんなことで浮かれていたらダメだ」「たまたま結果が良かっただけ」と、自分にムチを打っているのだ。
自分にやさしくすると、なぜ人生がうまくいくのか。その理由は、大きく分けて3つある。まず、「チャレンジできるから」である。自分にやさしい人は、失敗してもそれを受け入れて、将来の糧にすることができる。「失敗してもいい」と思っているため、挑戦することが怖くないのだ。
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